介護福祉士とは、介護職唯一の国家資格です。国から「介護に関する専門知識がある」と認定されるため、介護職でのキャリアアップを考えている人には重要な資格といえます。 このページでは、介護福祉士のメリットや取得方法、具体的なお仕事内容などを解説します。介護福祉士の魅力を知り、自身のキャリアの幅を広げられないか検討してみましょう。
介護福祉士とは、「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づいて付与される介護職唯一の国家資格です。試験に合格することで、介護に関する専門知識を有していると国に認定されることになります。一度取得すれば資格の更新も不要です。
介護福祉士の資格は、介護職のキャリアパスにも重要です。介護関係の資格は「初任者研修→実務者研修→介護福祉士」という順番で取得するケースが多いです。積み重ねた知識を生かす最終ステップとして取得するため、キャリアを描くうえで介護福祉士の重要性は高いと言えるでしょう。
専門知識を評価されるため、現職や転職先での待遇アップにつながるケースもあります。
介護福祉士の合格率は、過去5年間で以下のように推移しています。
直近5年間では、毎年平均して約70%の人が合格しているため、しっかり勉強すれば合格できる試験と言えるでしょう。ただし過去には、合格率が40〜50%台の時代もあったため、決して試験自体の難易度が低いわけではありません。
令和3年10月時点の調査によると、介護福祉士の平均月収は328,720円です。
保有資格なしの場合は平均月収が「271,260円」であるため、資格の保有によって年収は大きく変わることがわかります。
介護福祉士のお仕事内容は、大きく以下の5つに分類できます。
身体介護は、利用者の身体に直接触れて行う介護業務全般を指します。具体的には以下のような身体介護業務が挙げられます。
直接身体に触れるだけでなく、要介護者の自立支援を促す声かけなどによって、日常の動作に対する意欲を向上させる行為も身体介護に該当します。
生活援助は、日常で必要な家事を中心としてサポートする業務です。身体介護とは異なり、直接利用者の身体に触れる支援は含まれません。
具体的には以下が該当します。
生活援助では、身の回りのお世話すべてを介護福祉士が行うわけではありません。日常生活の動作はリハビリにもなるため、基本的には利用者が行いつつ難しい部分を介護福祉士がサポートする形になります。
なお、生活援助で対象となるのは「利用者自身のために行われる行為」であり、「家族のための行為」などはサポートに含まれません。
介護福祉士の業務には、身体的な介助だけでなく、利用者および家族に対する相談・助言サポートも含まれます。介護に関する疑問点や不安に思うところを解消することで、利用者と家族がより良い形で自立できるようサポートを行います。
介護の不安点だけでなく、以下に関する説明も相談・助言業務に含まれます。
社会活動支援とは、利用者が社会から孤立しないようにサポートする業務を指します。
介護を受ける状態では自由な移動も難しいため、交友関係がごく限られてしまい、孤独を感じることも少なくありません。利用者が社会から孤立していると感じないよう、以下のような活動を通じて人間関係の構築をサポートすることも重要な役割です。
介護福祉士は、介護職に関するスペシャリストとして認識されるため、職場内においてマネジメントを任される機会が増えます。現場での介護業務だけでなく、以下のようにチーム全体を調節する業務に対応することが必要です。
介護福祉士の資格を取得すると幅広い業務を任されることになりますが、多くの点でメリットがあります。
介護福祉士は介護職唯一の国家資格です。取得することで「介護に関する専門知識がある」と国に認定されるため、スキルを評価されて収入アップにつなげられるケースもあります。
先述の通り、介護福祉士の平均月収は328,720円であり、一方、保有資格なしの平均月収が271,260円です。
介護福祉士の資格を取得すると、年間で70万円以上も年収が変わる可能性があるというのは大きな魅力です。
介護福祉士資格は、介護職で唯一の国家資格であり、試験の難易度も決して低いわけではありません。一定以上の技術や知識がある人が保有できるため、転職時にも「介護の専門知識やスキルがある」とアピールしやすいです。
採用側としても教育コストを減らせると判断できるため、転職で有利に働く可能性は高いでしょう。現場の介護業務はもちろん、管理職やケアマネージャーなど、さらなるキャリアアップを目指す際にも役立ちます。
介護福祉士の資格取得方法には複数のパターンが存在します。パターンのひとつとして「実務経験ルート(後述)」が設けられており、実際に介護の現場で働きながら資格を取得可能です。働きながらであれば、座学で勉強した知識を実務でアウトプットできるため、効率よく学習できます。
もちろん、業務とは別途で勉強時間を確保する必要はあります。しかし、介護の現場で働くこと自体も取得要件にできるため、働きながら取得するハードルは低いと言えるでしょう。
介護福祉士の資格取得方法は、以下の4つがあります。いずれのパターンにおいても国家試験への合格は必須です。
指定の介護福祉士養成施設を卒業後、国家試験に合格することで資格を取得できるルートです。具体的には、以下いずれかの条件を満たす必要があります。
介護福祉士養成施設は、厚生労働省が指定する4年制大学や短期大学、専門学校などが該当します。全国の介護福祉士養成施設については、福祉医療機構が運営する公式サイトで確認可能です。
なお養成施設ルートについては、法改正に伴い2016年度を境に合格基準が異なります。
2016年度までは、介護福祉士養成施設を卒業さえすれば、国家試験なしで資格を取得できました。しかし2017年度以降は、国家試験の合格も必須です。
法改正による経過措置として、2017〜2026年度までの卒業生について、養成施設卒業後5年間は介護福祉士資格を付与されます。5年以降も資格を有効とするには、以下いずれかを満たすことが必要です。
実務経験ルートでは、以下いずれかの条件を満たし国家試験に合格することで資格を取得できます。
「従業期間」とは、実務経験対象となる施設および職種における在職期間を指します。在職期間を含めるため、産休・育休・病休などにより休んだ場合もカウントされます。
一方で「従事日数」とは、実際の介護業務に従事した日数のことです。有給・出張・研修などで、実際の業務に従事しなかった日数は除外されるため注意しましょう。
実務経験として認定されるのは、老人デイサービスセンターや養護老人ホーム、介護老人保健施設など、介護業務がメインとなる施設において「介護職員」として働いた場合です。
以下のような業務は介護業務には含まれないため、実務経験としてカウントされません。
福祉系高校で規定の単位・科目を取得して卒業した後、国家試験に合格することで資格を取得できます。ただし、卒業した高校の年度や種類、選んだコースによって必要な試験が異なるため、簡単に確認しておきましょう。
福祉系高校卒業→国家試験
以下2パターンのいずれかのルートを選択して受験します。
実務経験を9カ月以上積んだ後、以下2パターンのいずれかのルートを選択して受験します。
日本と経済連携協定(EPA)を結んでいるインドネシア・ベトナム・フィリピンから来日した人が対象です。EPA介護福祉士候補者が3年以上の実務経験を積み、必要な実務者研修などを修了した後に国家試験に合格することで、資格を取得できます。
介護福祉士資格の取得にはさまざまなルートがあるため、自分の経験や状況に応じ適切な方法を選ぶことで、効率よくキャリアアップできます。
例えば「養成施設ルート」であれば、普通科高校を卒業していても指定の大学や専門学校に通うことで受験要件を満たせます。また「実務経験ルート」であれば、まずは資格なしで働ける現場で実務経験を積み、規定の研修を修了することで受験要件を満たすことが可能です。
未経験からであっても、長期的なキャリアを描いていただけます。
「介護職としてのキャリアに興味がある」 「介護福祉士資格を取得してキャリアアップしたい」
未経験であっても、自分の状況に合わせたルートを選んで働きながら介護福祉士資格を目指せるというのは魅力的です。
本記事では、介護福祉士の具体的なお仕事内容や取得方法などについて解説しました。今回解説した内容は以下の通りです。
介護福祉士資格を取得するためには、実務経験コースがおすすめです。
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