【人材躍動化コンサルティング事例】
都築電気様とアデコが挑んだ13ヶ月の軌跡
『カラフル・バリュー』で実現するD&Iと従業員の自律的成長

【【人材躍動化コンサルティング事例】 都築電気様とアデコが挑んだ13ヶ月の軌跡『カラフル・バリュー』で実現するD&Iと従業員の自律的成長

都築電気株式会社(以下、都築電気)様のカラフル・バリュープロジェクトは、多様な人材が挑戦し、活躍し続ける文化を醸成することを目的とした、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)のための取り組みです。
アデコのコンサルタント夏苅正史は、13ヶ月間にわたりこのカラフル・バリュープロジェクトの推進支援を実施。D&Iの取り組みが組織全体に浸透し、継続的に自走するための環境づくりをサポートしました。
この記事では、カラフル・バリュープロジェクトの背景や経緯、D&I推進のプロセス、そして都築電気様とアデコが協働して取り組む中で生まれた変化を、ご担当者3名に伺いました。従業員と組織がどのようなプロセスを経て成長し、次なる目標をどう見据えているのか。その軌跡の片鱗をお届けします。

■インタビュー協力

都築電気株式会社
総務部人事統括部 人事部 組織人事課
溝田紘大 様

都築電気株式会社 総務部人事統括部 人事部 組織人事課 溝田紘大 様

都築電気株式会社
総務部人事統括部 人事部 人事厚生課
課長 奥野洋子 様

都築電気株式会社 総務部人事統括部 人事部 人事厚生課 課長 奥野洋子 様

都築電気株式会社
総務部人事統括部 人事部 組織人事課
課長 大塚貴教様

都築電気株式会社 総務部人事統括部 人事部 組織人事課 課長 大塚貴教様

※役職は2024年12月現在のものです。
※インタビュアー:アデコ株式会社 コンサルティング事業本部 夏苅正史

導入前の課題

  • D&I推進活動を、さらに加速させるための具体的手法が必要であった。

Adeccoを選んだ決め手

  • 高い専門性/カスタマイズ力/「温かみのあるロジカル」というスタンス。

導入後の成果・効果

  • D&I推進プロジェクトの基盤が完成し、自走化にむけた体制が整備された。

プロジェクトの原点、「カラフル・バリュー」に託された想いとは?

――まず、プロジェクトの立ち上げの背景や、発足当時に感じていた御社の課題について教えてください。

溝田様(都築電気) 私たちの会社では、多様性について3つの視点があると考えています。まず「(1)働き方の多様性」、次に「(2)人間存在の多様性」、そして「(3)価値観の多様性」です。この中で、働き方については健康経営やオフィス環境の整備が進んでおり、一定の成果を挙げていました。しかし価値観や個性を活かす部分には、まだまだ課題が残っていたのです。
例えば、従業員の年齢層を見ても、弊社はシニア層の割合が高かったり、女性従業員の割合は約10%と少なかったり等、従業員の属性分布は均一ではありません。こうした現状では、多様な価値観を取り入れることが難しいと考え、ジェンダーや世代など重点分野を明確にして取り組むことが必要だと考えました。そこから、 従業員の声を集め、共感者を巻き込みながら作り上げたD&I推進施策こそが、このカラフル・バリュープロジェクトなのです。

溝田様はカラフル・バリュープロジェクト発起人の一人、都築電気様におけるD&I推進のキーマンである。▲溝田様はカラフル・バリュープロジェクト発起人の一人、都築電気様におけるD&I推進のキーマンである。

――「カラフル・バリュー」という名前は、とても素敵ですよね。どのような思いが込められているのでしょうか?

奥野様(都築電気) D&Iという言葉そのものが社内ではまだ馴染みが薄かったので、もっとわかりやすく、親しみやすい名前を付けたいと思いました。「カラフル」は、多様な個性や色を表し、それが混ざり合うことで新しい価値が生まれるイメージを込めています。そして「バリュー」という言葉には、単に多様性を受け入れるだけでなく、それが組織や従業員一人ひとりにとって具体的な価値になる、という願いを込めました。
従業員からも意見を募り、「この名前なら私たちが目指していることをうまく表現している」と共感を得られる声を多くいただけました。この名称が決まったことで、プロジェクトがより具体的に動き出すきっかけになったと感じたのを覚えています。

カラフル・バリュープロジェクト発起人である奥野様。周囲を巻き込んでいく起点として活躍▲カラフル・バリュープロジェクト発起人である奥野様。周囲を巻き込んでいく起点として活躍

――皆さまの想いのこもったプロジェクトに参画させていただいたことは、当初からとても光栄に思っておりました。アデコとの協働に期待したことや、パートナーとして選ばれた理由について教えていただけますか?

溝田様(都築電気) 私たちはD&Iの専門家ではありません。なので、推進にあたっては外部の専門的なサポートが必要だと考えました。複数のベンダーさんにお話を聞きましたが、アデコさんはD&Iの専門知識が豊富なだけでなく、柔軟に対応してくれそうなところが魅力でした。私たちが目指している姿に合わせて、実行可能な形でカスタマイズしてくれる印象を受けたことが大きかったですね。何よりも私自身が、「この方たちとなら一緒に進めやすそうだ」と感じたのが決め手となりました。

カラフル・バリュープロジェクトは、都築電気様の従業員が主体となりD&I推進を行うプロジェクト。施策内容はもちろん、ネーミングやロゴに至るまで、メンバーのアイディアが存分に活かされている。▲カラフル・バリュープロジェクトは、都築電気様の従業員が主体となりD&I推進を行うプロジェクト。施策内容はもちろん、ネーミングやロゴに至るまで、メンバーのアイディアが存分に活かされている。

「温かみのあるロジカル」が、定例のMTGに刺激と躍動をもたらした。

――ご支援のスタートから13ヶ月間ご一緒させていただきました。アデコが行った支援を振り返り、率直にどうお感じになりましたか?

溝田様(都築電気) まずはプロジェクトの進め方そのものを整理してもらえたのが、ありがたかったです。D&Iはテーマが抽象的なので、どう進めれば良いのか最初は手探り状態でした。しかし夏苅さんは、「PMO定例会(※)」の設計や進行方法を中心に、プロジェクトの全体をしっかりとサポートしてくれました。毎回具体的な指針を示していただき、それに沿って進めることで、常に目的を見失わずに済んだと思います。

※プロジェクトの中核は、社内よりキーマンを招集した月例の「PMO定例会」。プロジェクトの進捗や参加者の心理的コンディションに基づき、常にアジェンダを刷新し続けることで、毎回新たな刺激を提供した。また、定例会の前後に密な計画と振り返りを実施したことで高速でPDCAサイクルを回し、効果の最大化を図った。

奥野様(都築電気) 夏苅さんの支援には、私たちが安心感を持って進められる理由がありました。その特徴を一言でいえば、「温かみのあるロジカル」。コンサルタントの方に伴走していただく際、数字や論理で全体像を示してくださることは大変ありがたいのですが、それだけではどこか冷たい印象になりがちです。しかし、ロジカルな思考の中にハートフルな手触り感が含まれていることが、アデコさんの特徴。自分たちが発言したことをきちんと受け止めてくださって、さらに報告書や進め方にも反映されている。それが信頼感や安心感につながったのではないかと思っています。

大塚様(都築電気) もしかしたらその温かみが、「こちらからも意見を言いやすい」という雰囲気に繋がっているのかもしれませんね。夏苅さんは自ら作りこんだアウトプットを出した上で、さらに私たちの意見をきちんと聞こうとしてくれる。正直、あまりに隙無く語られると、「すごいものが出てきたぞ」と若干委縮し、こちらも意見を言いにくくなってしまうことがあります。しかし夏苅さんは、精度の高いアウトプットを出しながらも、こちらに意見を言わせてくれる余地を残してくれていました。振り返ってみると、このスタイルはなかなか珍しいなと感じています。

キャリアコンサルタント資格を保有する大塚様。ロジカルな着眼点によりプロジェクト全体に安定感をもたらす。▲キャリアコンサルタント資格を保有する大塚様。ロジカルな着眼点によりプロジェクト全体に安定感をもたらす。

自走化につながる「ひな形」を残してくれたことが、大きな収穫。

――これまでの活動を振り返り、特に価値を感じていただけた点を教えていただけませんか?

溝田様(都築電気) プロジェクトの進捗が可視化されるようになったのが何より大きかったですね。初期段階ではそもそも何をするのか、どう関われば良いのか模索しているメンバーが多かったと思います。しかし夏苅さんのファシリテーションは本当に見事。「全員が何に向かって進んでいるのか?」「現在地は?」「問題や課題は?」といった整理が、とにかく早くてわかりやすい。活動が目に見える形で進展していくと、「自分たちのやっていることが会社にとって意味がある」と、実感しやすくなります。何より推進のキーマンとなるPMOメンバー達に、主体性や積極性が育まれていったことはとても意義のあることでした。

大塚様(都築電気) PMO定例会は、参加する側にとってはやはりある程度負担だと思うんです。日常業務もありながら、出席するからには準備をしないわけにもいかない。だからこそ「参加したら意味がある会にし続けなければならない」という部分が何より難しいところだと思いました。しかし13ヶ月が経ち、おそらく無駄だったと思っているメンバーは一人もいないでしょう。本質的な議論の促しも含め、毎回高いクオリティを担保してくださることを心強く感じていました。

奥野様(都築電気) 私がありがたいと思ったのは、何よりも「ひな形化」ですね。こうした文化醸成の取り組みは目に見えにくいため、手探りになりやすい。その点、進行の手順書や、効果測定の方法、毎月の定例会の進め方、チェックシート、毎月の報告資料、四半期・年間の報告資料などなど、具体的なノウハウとして残してくださったのがとても有難かったです。今後、アデコさんの支援が無くなった時にも、クオリティを下げることなく私たちで推進することができる。本当に学びの多い13ヶ月だったと思います。

アデコの夏苅は、組織開発に関する深い知見を武器としつつ、温かみのある圧倒的伴走力を持ち味とする。▲アデコの夏苅は、組織開発に関する深い知見を武器としつつ、温かみのある圧倒的伴走力を持ち味とする。

従業員が、自由度高く関わりたくなるような「余白」を。

――カラフル・バリュープロジェクトの今後の展望や、次なる目標について教えてください。

奥野様(都築電気) 多様性を言語化し理解する場づくりとしてこのプロジェクトを推進していますが、次に肝心なのは「インクルージョン」ですよね。やはりシナジーを生み出すことが大切。今回の取り組みを通じて、少しずつではありますが自分たちの個性や属性に関し自由に発言できる場が出来上がりつつあります。今度はそれをどう繋げるか、個人と組織のパフォーマンスを最大化するために、どんな「インクルージョン」の形が理想なのか。それを探っていくことが、次の私たちのテーマになると思います。

大塚様(都築電気) 今後の展望に関する私の答えはシンプル。それは「止めないこと」、これに尽きると思います。D&Iの取り組みは、情勢や会社の状況によって勢いが強まったり弱まったりすることがあるでしょう。しかし、続けていれば少しずつでも成果が出ると信じています。その点、夏苅さんに作っていただいた「ひな形」の数々は、今後の活動の継続に対し非常に重要な役割を果たすはず。何があっても止めずに続けること、これが組織の文化を変えるために必要だと思っています。

溝田様(都築電気) カラフル・バリュープロジェクトの1年目は、従業員がD&Iを理解するためのフェーズでした。これから始まる2年目は、従業員の共感と納得を広めていくことが大切であると考えています。それを実現するためには、従業員が関心を持って、自律的にD&I推進に関わりたくなるような、「余白」を作ることが重要だと思っています。
都築電気には、「人と知と技術で、可能性に満ちた“余白”を、ともに。」というパーパスがあります。
私は、カラフル・バリュープロジェクトをさらに進化させることで、「可能性に満ちた“余白”」を生み出し、D&Iの実現と従業員の自律的成長を促し、やがては多彩な価値が生まれる社会の実現に貢献していきたいと考えております。

自分たちが会社を変えていくという、並々ならぬ意志の強さを感じるインタビューとなった。▲自分たちが会社を変えていくという、並々ならぬ意志の強さを感じるインタビューとなった。

※インタビュー内容は、2024年12月時点の取材にもとづき掲載しています。

都築電気株式会社(TSUZUKI DENKI CO.,LTD.)様ご紹介

  • 本社:東京都港区新橋6丁目19番15号 東京美術倶楽部ビル
  • 代表取締役社長:吉井一典
  • 資本金:98億1,293万円
  • 従業員:1,239名(2024年3月)
  • 事業概要:ネットワークシステムおよび情報システムの設計、開発、施工、保守
  • https://www.tsuzuki.co.jp/

アデコ株式会社 コンサルタント紹介

Profile

夏苅正史
(アデコ株式会社 コンサルティング事業本部 HRディビジョン 組織開発・採用グループ長

某流通大手グループにて採用教育領域を担当する企業人事を経験。
その後、組織人事コンサルティング会社の採用事業責任者として自ら事業運営のための組織マネジメントを経験。
同時にコンサルタントを兼任しながら複数のクライアントを担当し、新卒・中途の採用基準策定、母集団戦略設計、選考プロセス設計、採用面接官対応(講師含む)、常駐型支援など、採用に関わる一連業務コンサルティング活動に従事。
顧客信頼獲得とモチベーションメソッドを用いた意識変革、マインド醸成支援のHRコンサルティング事業を手掛ける企業へ転職。エグゼクティブプロデューサーとして顧客との信頼関係づくりを目的とした営業力強化や組織(上司と部下)の信頼関係構築に関する組織力向上へ向けたコンサルティング活動に携わる。あわせて全社活動の複数年PJTとなるクライアントMVV浸透化支援のソリューション開発と複数年のコンサルティング支援などを通じた経営を加速させるための支援を得意とする。
人的資本経営を支援するISO 30414リードコンサルタント資格を保有している。

人材躍動化コンサルティング

アデコの人材躍動化コンサルティングは、当社が一方的にサービスを提供し、お客様がそれを受け取るという関係性で進めるのではなく、研修やプロジェクト等を「共に作り上げて」いくべく伴走をさせていただくのが特徴です。

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