ビジネスの英文メールを書く際、書き出しの1文目をどう書いたらいいのか、考えてしまうことがありませんか。ネイティブだったらどう表現するだろうか、いきなり要件から書き出すとあまりにビジネスライクかも、日本語の「お世話になっております」にあたる言葉ってないのか…。
今回は、そんな英文メールの書き出しで使える、便利な英語フレーズをご紹介します。
英文メールのスタイルはカジュアルとフォーマル、どちらがいいの?
英語のビジネスメールといえば、「Dear Mr.…」などの呼びかけから始まり、「Sincerely yours,」などで結ぶなど、書き方にいろいろとフォーマルな決まりがあります。
しかし、実際の職場のメールのやりとりでは、カジュアルスタイルの英文メールも増えています。「Hi,(名前),」の呼びかけで始め、「Have a great day!」のように、友人同士のような結びを使うのです。
フォーマルスタイルとカジュアルスタイル、どちらのスタイルで英文メールを書くべきなのでしょうか。その目安となるポイントをご紹介します。
初回のメールはフォーマルで書く
初めてメールをする相手に、カジュアルなスタイルの呼びかけや文章はNGです。相手との距離感がわかっていないのに、なれなれしい印象を与えてしまう可能性があります。初回のメールは必ずフォーマルなスタイルで書きましょう。
送り先と自社の社風は?
堅い業界や礼儀を重んじる大企業とのやりとりでは、フォーマルなメールを書くのが好ましいでしょう。しかし、IT業界やベンチャー企業など、形式よりもスピードのあるやりとりを重視する社風の会社だったりすると、フォーマルスタイルは手間がかかっていて、よそよそしくさえ感じられます。
送り先は目上の方?
クライアントや社内の目上の方にメールをするときには、フォーマルな英文メールを心掛けましょう。日本でのビジネス経験がある外国人であれば、日本語では親しみを込めたセミフォーマルの呼びかけに「さん」付けを使うことを知っています。英語の場合、「Thomas-san,」のように、ファーストネームに「san」をつけて使います。直属の上司であれば、カジュアルスタイルを使ってやりとりをする会社もあります。
カジュアルスタイルとフォーマルスタイルで迷う場合には、まずは相手のメールのスタイルを見て、どちらかを選びましょう。相手との間柄や、お付き合いの長さや親しさによってフォーマルスタイルからカジュアルスタイルへと変えていくのも良いでしょう。
英語ネイティブが好むメールの出だしとは?
英語ネイティブが好印象を持つ英文メールの出だしにはポイントがあります。メールの冒頭に、上手に「挨拶、お礼、メールの目的」を盛り込むことです。例文を使って具体的に見てみましょう。
例)
- Good afternoon,
- こんにちは、(挨拶)
- Thank you very much for offering your assistance on this project.
- このプロジェクトへのアシストを申し出ていただき、本当にありがとうございます。(お礼)
- I've attached the project agenda and your first assignment.
- プロジェクトのアジェンダと最初にお願いしたいアサインメントを添付ファイルでお送りします。(このメールの目的)
- Good afternoon,
- Good morning,
- Good evening,
- How are you?
挨拶
以下のような、口頭でもよく使う挨拶の言葉をメールでも使います。
- Thanks for getting in touch.(ご連絡ありがとうございます)
- Thanks for the quick response.(さっそくのお返事ありがとうございます)
- Thank you for getting back to me.(お返事ありがとうございます。)
- Thank you for the update. (進捗のお知らせありがとうございます)
お礼
英語のメールでよく使われるお礼のフレーズには、以下のようなものがあります。
- I'm writing to you about…(~についてメールしています)
- I'm reaching out about…(~についてご連絡しています)
- Just to remind you about…(~についてリマインドさせてください)
- Let me confirm with you about…(~について確認させてください)
- I'm eager to get your advice on…(~についてアドバイスをぜひいただきたいのですが)
メールの目的
メールの目的を相手に知らせると親切です。決まり文句の簡潔なフレーズばかりなので、覚えておくと便利です。
挨拶、お礼、メールの目的を最初に書くことは、英語ネイティブにとって礼儀にかなった、わかりやすい英文メールの書き方となります。日本語のメールでも普通にやっていることが多いため、適した英語フレーズさえ覚えてしまえば、それほど難しく感じないはずです。
使いやすい出だしのフレーズとは?
このほか、英文メールの出だし部分によく使われる英語フレーズも、いくつか覚えておきましょう。
- It's great to hear from you.(ご連絡いただき、とてもうれしく思います)
- Allow me to introduce myself.(初めてご連絡差し上げます)
- As we discussed in our call…(お電話いたしました内容のとおりに~)
スマートで効果的な書き出しとは?
最後に、英語ネイティブもよく使うスマートで効果的なメールの書き出しテクニックをご紹介します。
初めての相手にはつながりを書く
まったく知らない相手からの初めてのメールを受け取った場合、メールをもらったほうは「どうして?」「どこから私のことを知ったの?」と感じるものです。このため、相手との接点がどこにあるのかを最初に書くことが、最後まで読んでもらえるメールを書くことにつながります。
- I am writing to you because I got your name through Mr.….(~さんよりお名前を教えていただき、メールしております)
- I was very impressed by the article you contributed to ….(~に寄稿なさった記事を読み、とてもすばらしいと思いました)
相手への気づかいを入れる
知っている相手とのやりとりなら、「お礼」に続いて近況報告や、相手への気づかいを入れると良いでしょう。難しい話をする必要はなく世間話で大丈夫です。
- How did you enjoy your last business trip to Japan?(先日の日本出張はいかがでしたか?)
- I hope you enjoyed your weekend.(楽しい週末を過ごされましたか?)
- I hope you are feeling rested after the long weekend.(3連休はよく休めましたか?)
英文メールのスマートな出だしは難しくない
英文メールの書き方は難しいように思えますが、お礼や相手への気づかいが感じられるメールを書けばいいのです。ラリーのように、短時間で何度もメールのやりとりがされる場合などはこの限りではなく、もっと単刀直入に要件から入っても大丈夫です。
相手のメールから感じられる雰囲気を読み取って、臨機応変に対応していくと良いでしょう。