派遣先で仕事をしていて、期限の時間に間に合わずに焦ったことはありませんか?また、スキルアップのために勉強したいけれど、時間がないという人もいるでしょう。1日は平等に24時間なのに、時間を上手く使える人と、時間が足りないと嘆いている人がいます。時間の使い方を整理して、無駄なく有効に活用しましょう。
自分の仕事時間の使い方のクセを見つける
仕事時間の使い方にクセがあると仕事が進みにくい
仕事が計画通りに進まない原因は、予定の立て方が現実的でなかったり、時間の使い方に何らかの問題があったりすることなどが考えられます。そのような場合、自分の職場での時間の使い方に、無理や無駄がなかったかを振り返ります。そうすることで、自分の仕事に関する時間の流れだけでなく、派遣先での所属部署や職場全体の流れも見直すことができます。
たとえば、メールでの連絡ではなく、対面で話すことを重視する上司がいる場合や、質問メールを何通も送ってくる同僚がいると、自分の仕事は予定通りには進まないものです。このような職場環境を考慮して仕事の予定を立てれば、期限に間に合わずに慌てることもなくなります。
また、自分が時間をかけている事柄がわかると、仕事に関する時間の使い方の“クセ”が自覚できます。時間がないと嘆いている人によく見られるクセには、実際どのようなものがあるのかご紹介します。自分の時間の使い方がどれに当てはまるか分析してみましょう。
探し物グセのある人
資料が見つからないことが多く、仕事にとりかかる前の準備に時間がかかります。探し物のために作業が中断されがちな点も、時間の浪費につながります。このタイプは、資料や書類の整理が苦手な場合が多いので、一段落ついた段階で、使った資料を必ず定位置に戻しておきます。当分使わない資料は、ファイルごとに分けてまとめ、頻繁に使う資料と区別します。
振り回されグセのある人
他人のために使っている時間が多い傾向があります。用事を頼まれやすく、自分自身の仕事が進まないことがしばしばあるはずです。このような場合、あらかじめ割り込み事項が発生することを予測して、時間を先読みしながらスケジュールを立てます。割り込みが入っても自分の仕事に支障をきたさないように、やるべきことを、効率良く早めに進めておくことも必要です。
こだわりグセのある人
ひとつの作業に没頭し、他のことに手をつけられないタイプです。仕事に夢中になると時間を忘れてしまうので、重要なアポイントなどは、作業の後に入れるようにスケジュールを立てます。アラームを利用して、仕事時間を区切るのも効果的です。
追われグセのある人
予定を入れ過ぎて、いつも何かに追われています。スケジュールをびっしり入れておかないと気が済まなかったり、やるべきことを多く詰め込み過ぎて時間がない状況を当たり前にしてしまっています。こういう人は、週の半ばに家でゆっくり休む時間を作り、気分転換やリフレッシュに時間を使うようにしましょう。ストレスや疲労が解消されて仕事の効率が上がり、結局は時短につながります。
時間の使い方を把握する手段のひとつとして、「時間簿」という方法があります。これは、時間の使い方をスケジュール表にして管理する方法で、自分の手帳やノート、エクセルの表などでもこの方法を取り入れることができます。
自分の担当業務を行っている時間は「自分の仕事」の欄に、会議やグループの打合せなど、みんなで行った仕事の時間は「組織の仕事」の欄に、上司から急に呼ばれたり、同僚から来た質問メールへの返信のように、前もって予測できなかった事柄は「その他・割り込み」欄に書き入れる。「メモ」欄は、ToDoリストとして、やらなくてはならないことや備忘録として利用する。
ここがPOINT!
- 仕事が予定通りに進まなかった原因を振り返ります。
- 自分の仕事時間の使い方に“クセ“があるかどうかを分析し、改善法を実行します。
プライベート時間の上手な使い方
プライベート時間は曜日ごとに把握する
プライベートの時間が足りないと感じている人は、職場以外での時間の使い方を見直してみます。すると、予定が数多く入って忙しい曜日と、比較的余裕のある曜日があることがわかるので、それを今後の予定を立てる際の参考にします。
たとえば、「木曜日は用事が少ないので、1週間分の家事をできるだけやっておこう」とか、「土曜日は英会話スクールのレッスンがあるから、金曜日の夜は予習復習にあてよう」といった具合に、1週間単位で無理のない時間の割り振りをすることができるのです。また、忙しい曜日の前日はしっかり睡眠をとるように予定を立てれば、翌日は仕事やプライベートの多くの用事をこなすことができ、疲労の蓄積具合も違ってくるはずです。
ある女性は、「帰宅後、夜の時間が少なくて不満」と感じていましたが、時間の使い方を振り返ってみると、会社帰りにショッピングに時間を費やす回数が多いことがわかりました。嫌なことがあったときは気を紛らわせるために、癒しグッズなどを買っていたのです。時間の使い方を整理し、できるだけ早く家に帰るように心がけた結果、衝動買いによる支出が減り、ゆっくり入浴したり、好きな音楽を聴いてくつろいだりと、体を休める時間ができたために心身に加え肌まで調子が良くなりました。もちろん「夜の時間が少ない」という不満もなくなり、疲労も回復するので仕事に集中でき、生活全般が充実したのです。
ここがPOINT!
- プライベートの時間は、曜日ごとの傾向を把握します。
- 曜日の傾向に合わせ、家事をする時間や体を休める時間を必要時間として予定に入れます。
仕事をしているとどうしても時間に追われ、本当に自分のやりたいことができなくなることもあるかもしれません。そんなときはまず、自分の時間の使い方のクセを見直してみます。時間を無駄にしている原因を把握することで、無駄な時間を整理し、時間を貯蓄する、という考え方に変えてみることです。そうして貯めた時間は自分の思い描くものに使い、仕事もプライベートもより充実したものにしていきましょう。
Profile
時間デザイナー。時間が足りないという多くの人の悩みを解決するために、時間の使い方のスケジュール表「時間簿®」を考案。新聞、テレビ、雑誌などで取り上げられ、話題となる。4000人以上への調査により、時間意識や生活時間を分析。教育委員会、男女共同参画などの行政機関、大手企業などで数多く講演を行う。『「ワタシ時間」をつくる時間簿のすすめ』(講談社)、『聡明な女性の時間の節約生活』(三笠書房)、『残業ゼロで夢をかなえる時間革命』(PHP研究所)ほか著書も多数。