1.「いつもと違う」自身の状態を意識する
メンタル面、フィジカル面においてこのような状態ではありませんか?
<メンタル面>
・気持ちが落ち着かずどうしていいか分からない
・何をする意欲も失くしている状態である
・自宅に1人でいるのがとても怖い
・ニュースなどを見ると落ち込んでしまう
・先がどうなるか分からずイライラしてしまう
・仕事など集中して取り組むことができない
・自分も感染するのでは?と常に緊張している
・ついつい家族や周りの人にあたってしまう
・心配が強く不安がどんどん大きくなっている
<フィジカル面>
・身体がだるいと感じる
・眠れなかったり途中で目が覚めて眠れなくなったりする
・肩こりや背中の痛みを強く感じる
・⾷欲不振になったり腹痛を感じている
・めまいや耳鳴りで悩まされている
・休んでいるのに疲れが取れない
・普段に⽐べて運動不⾜になっている
このような状態ではありませんか?
<思考面>
・考えがまとまらない
・同じことを繰り返し考える
・集中⼒がもてない
・やる気が起きない
・記憶⼒が低下する
・悲観的な考え方になる
また、お子様がいらっしゃる場合は、メンタル・フィジカル・思考の変化に加え、このような状態ではありませんか?
<こどもの変化>
・わがままになる
・⼤⼈にしがみつき、離れなくなる
・よく泣く
・お漏らしをする
赤ちゃんがえりがみられる場合があります。
人によっては、数週間続くことがありますが、強いまたは慢性的なストレスを受けると、多くの方に起こりうる正常な反応です。不安や不調が続く場合は、相談窓⼝など活⽤して⼀⼈で抱え込まず相談しましょう。
2. 「それはなぜか」を把握する
今、私たちが感じる「不調」の原因は以下のようなものではないでしょうか。①⼤量のニュースや情報にさらされ続けている
②自分が感染してしまうかもしれない
③仕事を失うかもしれないと感じる
④たくさんの人と会ったり話したりできない
⑤必要と思うものが手に入らない
⑥好きな場所に⾏けない
それは今までと違う環境と変化に心と体が驚いているからです。今、私たちが感じる不安の原因は、『パンデミックは⼼理現象』と分析されています。そもそも⼈は理性よりも感情で判断を下す傾向があるのです。そのため未知なものを、実際以上に危険だと判断してしまうのだそうです。実際、過去の感染症の流⾏では、⼈々の不安が刺激され、さまざまなデマや⼈種差別が起こりました。感情優先の判断を抑えて、客観的事実から冷静に判断できるかどうかが重要です。
3.「どのように対処するか」を知る
■睡眠、⾷事、運動3つを⾒直し、生活習慣を整えましょう
睡眠良質な睡眠をとることがストレスの緩和につながります。毎朝⼀定の時刻に起きることで体内時計のリズムを整えましょう。また良質な睡眠をとるために、ぬるめのお湯に浸かり体を温めると、副交感神経が有意になってリラックスして寝つきがよくなります。
食事
食事バランスも重要です。ビタミン・たんぱく質をしっかりとりましょう。ストレスがたまるとストレスホルモンが増え、血糖値があがりやすくなります。糖質をむやみに増やさないようにしましょう。(疲れやすさや肥満にもつながります)
運動
適度な運動も⼤切です。体を動かすと、骨格筋の緊張がとれてリラックスします。⾃宅でできるトレーニングやストレッチ・ヨガなど有酸素運動をとりいれて笑顔ですごしましょう。
■情報にふりまわされないように、正確な情報を得ましょう
新型コロナウイルス感染症については、特に興味をひきそうな情報、不確定情報、意⾒の割れている知識が、さまざまなメディアで取り上げられています。多⽅⾯に新しい情報を求め過ぎてこうした情報にふりまわされないようにすることがストレスの解消のためには⼤切です。不安を解消したいと思うあまり、ほしい情報に⾏きつくまで情報を検索しつづけたりすることもあります。知らないうちにこうした⾏動にかなりの時間をとられ、結果的に⼼理的な視野が狭くなるとストレスがたまります。また、悲観的バイアスには注意が必要です。これは、根拠のない恐怖や不安をあおるような新説に必要以上に影響されることです。こうした情報に接する時間を減らしましょう。
■リラクゼーションを生活に取り入れ、緊張した心と体をほぐしましょう
- 緊張した筋肉をやわらげるためには、ストレッチが有効です。
- ⻑時間同じ姿勢が続いたとき、全⾝を伸ばし、⾝体の緊張をとると気持ちがよくなります。
- 身体を伸ばすことで、緊張した筋肉をゆるめるという効果もあります。
「ストレッチ」でこころも身体も伸ばしてあげましょう。
<両手伸ばし>
Step.1 頭上で両手を交差して、手のひらを合わせます
Step.2 両腕をやや後方にひき、ぐっと上へ引き伸ばします
<肩腕つかみ>
Step.1 肘を反対の手で引っ張ります
Step.2 体を横に曲げることで、体がより伸びます
Step.3 左右同じように⾏います
<腕・背中伸ばし>
Step.1 両手を後ろで組み、胸、肩に緊張が感じられるまで両腕を後方に引きます
Step.2 今度は肩の⾼さで前に腕を上げ、手を組んで伸ばします
■リラクゼーションを生活に取り入れましょう
①呼吸を整えるストレスを感じたときは無意識のうちに、早く、浅く、荒い呼吸になっています。そのような場合、落ち着いているときの穏やかな呼吸を思い出し、意識的に「ゆっくり」、「⼤きく」、腹式呼吸をおこなうと、心と体もリフレッシュできます。
【呼吸法】
1. 口を小さくすぼめて、ゆっくり「1,2,3,4」と口から息をはき出します。このとき、ゆっくり腹をへこませます。【Point1】息をはききる。(口の形は風船を膨らますイメージ、または口笛を吹く形にする。)
2. 口を閉じ、鼻から「5,6」と空気を吸い込みます。同時にお腹をふくらませます。
【Point.2】”はく”4に対し”吸う”は2(つまり”2対1”の割合)です。
3. (1)と(2)を繰り返します。1セット5呼吸〜10呼吸が目安です。
最初は、あお向けに寝てやるとやりやすいでしょう。慣れたら座ったままでもOKです。1⽇1セット〜3セットを毎⽇続けると効果があるといわれています。
② ツボマッサージで⾃然治癒⼒を⾼める
リラックスしたいけれど、忙しくてなかなか時間が取れない方は、簡単なツボ押しでリフレッシュしましょう。休憩時間、⾃宅でお風呂や寝る前などに簡単にできて気分転換や疲労回復にもなります。
顔:瞳子醪(どうしりょう)
・位置︓目尻の外側のくぼみ
・押し⽅︓⼈指し指をツボに当て、息を吐きながら押します
※目の神経を活性化させます
肩:肩井(けんせい)
・位置︓肩の付け根と肩先の中間ほどにあるくぼんだ部分
・押し⽅︓中指と⼈指し指を重ね、息を吐くときに強めの⼒でぐっと押します
※肩の⾎⾏を促します
手:合谷(ごうこく)
・位置︓⼿の甲の親指と⼈指し指の骨が交わるすぐ⼿前、指がぐっと⼊る部分
・押し⽅︓親指を当て、⼈指し指の付け根に向けて少し強めの⼒で押します
※頭をすっきりさせ、緊張をほぐします。
■テレワークで気をつけたいこと
テレワークを⾏ううえでのストレスを緩和する6つの方法をご紹介します。① できる限り出勤している時と同様に過ごすこと
② ⾃宅でもできる運動を心がけること
③⾷事の質と量、間⾷に気を付けること
④疲労を防ぐこと
⑤集中⼒が途切れたらリフレッシュすること
⑥家族とコミュニケーションすること
わたしたちは、困難を乗り越えて生きようとする感覚により意欲的になることができます。今、実施している⼿洗い励⾏のような基本的な⾏動にも、明確な意味やその目的があります。わたしたち⼀⼈ひとりがそれを理解し、それによって感染の機会を減らせているんだという⾃⼰効⼒感を持つとともに、これからも毎⽇の⼼⾝のセルフケアの実践と家族や仲間との⽀え合いを⼤切に過ごしていきましょう。