そこで、自宅で簡単にできる目のケアや、目を疲れにくくする方法などをご紹介します。
手軽にできる、目が疲れたときのホームケア
目の疲れが溜まると、かすみやしょぼしょぼ感など、目や視界に違和感が生じます。悪化すると、充血や目の痛み、ドライアイ、頭痛や肩こりなどを伴う眼精疲労を起こし、慢性的に悩まされることも。目の疲れを感じたら、症状が進まないよう、早めのケアが必要です。
スマートフォンの操作やデスクワークで目が疲れたと感じたときは、症状に合わせて次の方法を試してみてください。
目の疲れには温パック
近くを見続けていると、ピントを調節する筋肉に負担がかかって目が疲れます。蒸しタオルによる温パックで筋肉の緊張をほぐすと、目の疲れをやわらげることができます。
温パックのやり方
1. タオルを濡らして軽く絞り、ラップでくるむかジッパー付き保存袋に入れて、電子レンジで1分ほど温める。
2. タオルを広げて温度を調整し、目の周辺まで覆うように目の上にのせて、5分程度そのままにする。
充血には冷パック
充血は、目の疲れを回復しようと血流量が増えて、目の血管が膨らんでいる状態です。冷パックで冷やして、増えすぎた血流を落ち着かせましょう。
冷パックのやり方
1. タオルを濡らして軽く絞り、冷凍庫で1時間ほど冷やす。または、氷水などでタオルを濡らして絞る。
2. 目の周りまで覆うようにタオルをのせ、5分程度そのままにしておく。
頭痛や目の奥の痛みにはツボ押し
目の疲れからくる頭痛は、ツボ押しで解消しましょう。ツボを押すと血流が促され、疲労の原因となる老廃物を排出しやすくなります。
目の周辺には、目の疲れを改善するツボが集まっているので、気持ちいいと感じるくらいの強さでツボを刺激してみてください。
目の疲れをとるツボ押し
①太陽(たいよう):左右のこめかみにあるへこんだ部分を軽く押す
②攅竹(さんちく):左右の眉頭にあるくぼみを軽く押す
③晴明(せいめい):眉頭の下側、鼻根部の両サイドにあるくぼみを軽く押す
④承泣(しょうきゅう):黒目の下あたりのくぼみを軽く押さえる
目の疲れに効く眼球体操
起こってしまった目の症状に対処するだけでなく、予防することも大切です。
スマートフォンやパソコンなどの画面を長時間見続ける行為は、目や目周辺の血流悪化や、目の筋肉の緊張を招き、さまざまな症状を引き起こします。眼球体操を適度に取り入れて、目の血流を促しましょう。
眼球体操のやり方
1. 目をぎゅっと固く閉じて、パッと開く。5分ほど繰り返す。
2. 眼球を上下、左右にゆっくり動かし、最後にぐるりと1周させる。5回程度繰り返す。
目が疲れないようにするためには
目の疲れを溜めないためには、スマートフォンやパソコンの長時間使用を避けるのが一番です。
とはいえ、仕事などで必要に迫られている場合は、そう簡単にはいきませんよね。そんなときは、少しでも目に負担をかけずに済むように、次のことを意識してみてください。
1時間おきに10分の休憩を取る
2019年に厚生労働省から出された「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」では、1時間以上連続して作業を続けることがないよう、合間で10~15分の休憩を設けることをすすめています。情報機器作業とは、スマートフォンやパソコン、タブレットなどを使う作業を指します。
長時間の情報機器作業は、画面を凝視することでまばたきが減り、ドライアイの原因となることも。スマートフォンやパソコンを1時間見たら、画面から目を離して遠くを見たり、少しのあいだ目をつぶったりして、目を休ませるようにしましょう。
意識的にまばたきする
スマートフォンやパソコンなどの画面を長時間見ていると、まばたきが減少し、涙が乾いたり出にくくなったりして、目の疲れやかすみ、ドライアイを招きます。
涙は目の表面に潤いを与え、異物などを取り除くほか、栄養や酸素を供給するなど目を守る働きをしています。意識的にまばたきをして涙を促し、目の環境を整えましょう。エアコンの風も目の乾燥を進ませるため、エアコンの風が直接あたらないように配慮することも大切です。
スマートフォンやパソコンは目から50cm以上離す
画面と目の距離が近いほど、目の筋肉に負担がかかります。熱中するとつい顔を近づけがちですが、画面と目は常に50cm以上の距離を心掛けてください。画面は正面よりも、やや見下ろすような視線になる位置にあることが望ましいです。
また、スマートフォンやパソコンの画面が明るすぎると、目を疲れやすくする原因のひとつになるといわれています。画面の明るさを調整するなどの対策も行いましょう。
目の疲れに効果的な栄養を摂取する
視神経や網膜、ピント調節機能などの働きを助けるビタミンB群、抗酸化作用のあるルテイン、眼球周辺の筋肉をほぐす働きを持つアントシアニンなど、目の働きに必要な栄養素を意識的に摂取すると、目の疲れの緩和が期待できます。
食事からの摂取が難しいときは、サプリメントや目薬などを活用するのもいいでしょう。
目が疲れたときは早めにケアを
目の疲れが一晩寝ても取れない場合は、眼精疲労の可能性もあります。放っておくと、症状が慢性化したり、イライラや倦怠感といった全身症状を伴ったりすることもあるため、早めのケアが大切です。
目を疲れさせない環境を意識するとともに、目の疲れを取るホームケアや食生活も取り入れて、目に優しいデジタルライフを送りましょう。