IT業界で自分にマッチしたお仕事に就くためには、培ってきた技術力や知識をわかりやすく示すことが重要です。職歴の項目は、大切なアピールの場となるでしょう。
MyPageの「職歴」は、アデコからお仕事を紹介するにあたって最も参考にする項目です。
特に、IT系職種はスキルや実務経験、使用しているツール、業界の親和性などが重視されます。IT系の職種の皆さんがご自身の経歴や希望に合ったお仕事とマッチングするためには、職歴の項目に企業が知りたい内容を詳しく書くことが重要でしょう。IT系職種の皆さんが職歴を入力する際のポイントと、入力時の注意点について解説します。
職歴を入力する重要性
アデコでは主に、「ご登録者の経歴軸」「求人軸」の2通りの方法でお仕事をご紹介しています。
いずれのパターンでも参考にしているのが、MyPageで入力する「職歴」です。IT系人材の職歴では、企業において経験した仕事内容と、担当したプロジェクト内容をそれぞれ入力する項目があります。ぜひ「仕事内容」の項目と「プロジェクトを入力」の項目は入力してください。仕事内容の項目は、選択した職種別のテンプレートが自動的に入力されますが、ご自身の経験に合わせて適宜修正・追加が可能です。
なお、職種の系統ごとに、職歴を入力する際のポイントには違いがあります。ここでは、Mypageの「職歴」の経験職種で、「IT系」「クリエイティブ系」「メカトロニクス・エレクトロニクス系」の職種を選択した場合の注意点を解説します。
【1】IT系(システムエンジニア、インフラエンジニア、ユーザーサポート)
IT系のお仕事では、携わっていたプロジェクトの内容と規模感、ポジション、担当業務、システム環境などを分かりやすく記入することが重要です。
ここでは、IT系の職種の中から、システムエンジニア、インフラエンジニア、ユーザーサポートを例に解説します。
仕事内容
IT系では、「どの職種で、どのようなプロジェクトのどのような業務を担当していたか」をしっかり記入することが重要です。プロジェクト内のポジションや使用していた開発環境なども、できるだけ細かく入力しましょう。使用していた社内ツールなども書いておくと、親和性の高いお仕事を紹介される可能性が高まります。
必ず記入すべき項目
・職種名
・プロジェクトの概要(どこに向けたどのようなお仕事なのか)
・プロジェクト内のポジション(リーダー/メンバーなど)
・プロジェクトの人数
・業務区分(担当していた業務)
・開発環境
プロジェクト内容
プロジェクト内容は、「プロジェクトを入力」ボタンを押し、具体的にどのようなプロジェクトに関わっていたのかを入力しましょう。1社で1プロジェクトのみに携わっていた場合は、仕事内容で入力した内容をそのままコピーして構いません。
1社で複数プロジェクトに関わっていた場合は、「仕事内容」で複数プロジェクトの概要を羅列し、プロジェクトごとに職種名、プロジェクトの概要、ポジション、人数、業務区分、開発環境を記入してください。
*仕事内容の項目は、選択した職種別のテンプレートが自動的に入力されますのでご参照の上、ご自身の経験に基づいた内容に書き換えてください。
ここでは、システムエンジニアが複数のプロジェクトに関わった場合の記載例をご紹介します。
複数のプロジェクトに関わった場合の記載例
・システムエンジニア(SE)
製造業向け生産管理Webシステム開発
金融系顧客管理システムのWeb化プロジェクト導入・運用
・プログラマ(PG)
・契約事務センター(従業員数:5名)での事務処理
新販売管理システム開発/システムへの移行
プロジェクト1…
■システムエンジニア(SE)
製造業向け生産管理WEBシステム開発
【担当】チームリーダー
【PJ人数】全体10名/チーム2名
【業務区分】要件定義、基本設計、DB設計、詳細設計、テスト、導入・移行、プロジェクト管理、外注管理
【OS】Windows、Linux
【言語】VB.NET、JAVA
【DB】Oracle11g
【ツール】Eclipse3.3 Git
プロジェクト2…
■システムエンジニア(SE)
金融系顧客管理システムのWeb化プロジェクト導入・運用
【担当】メンバー
【PJ人数】全体60名/チーム12名
【業務区分】基本設計、DB設計、詳細設計、テスト、導入・移行
【OS】Windows、Linux
【言語】VB.NET、ASP.NET、JAVA
【DB】SQL Server2012、Oracle11g
【ツール】Eclipse3.3、JP-1Automatic Job Manage、Subversion
プロジェクト3…
■プログラマ(PG)
新販売管理システム開発/システムへの移行
【担当】メンバー
【PJ人数】全体5名
【業務区分】詳細設計、プログラム設計、テスト、導入・移行、プログラム管理
【OS】Windows、Linux
【言語】VBA、VB、VB.NET、ASP.NET、JAVA
【DB】SQL Server2012、Access、Oracle11g
【ツール】Eclipse3.3、JP-1Automatic Job Manage
POINTシステムエンジニアの入力ポイント
要件定義から設計までの、いわゆる上流工程と呼ばれる部分を担うのがシステムエンジニア(SE)です。SEが作成した設計書に沿って、手を動かしてプログラミングをするのがプログラマ(PG)です。仕事内容を入力する際には、職種名とともに、プロジェクトの概要と、その中でどの工程を担当したのかがわかるように入力してください。
また、開発環境についても、「OS」「言語」「DB」の3つは記入しておくことをおすすめします。
POINTインフラエンジニアの入力ポイント
インフラエンジニアの場合、システムエンジニアと同様、自分が担当していた工程と、携わっていたのがネットワークなのか、サーバーなのかをわかりやすく記入してください。システム環境については、使用していた機器、および製品名を明記しましょう。
PM(プロジェクトマネージャー)、PL(プロジェクトリーダー)、サブリーダーなどの経験がある場合は、どのような管理業務を行っていたのかを記入するのもポイントです。
POINTユーザーサポートの入力ポイント
ユーザーサポートは、「どの程度の規模感で、何を、どのようにサポートしていたのか」が伝わるように書くのがポイントです。特に、サポート対象人数、システム環境、対応方法(オンサイト、チケットシステム、TEL、メールなど)は、必ず入力してください。
ユーザーサポートの場合、1社1プロジェクトの場合が多いでしょう。その場合は、仕事内容をそのままプロジェクト内容にコピーしてください。
【2】クリエイティブ系(Web制作)
クリエイティブ系の職種は、所属した会社や携わったプロジェクトによって、職種の業務区分が違う場合があります。何にどこまで関わったか、明確に記入しましょう。Webマーケティング、音響・映像・ゲーム制作などさまざまな職種がありますが、ここではWeb制作を例に解説します。
仕事内容
一口にWeb制作といっても、デザインのみ担当したのか、ディレクションがメインだったのか、デザインとコーディングまで担当したのか、さまざまなパターンが考えられます。下記の点を意識しながら、仕事内容を入力してください。リーダーなどの経験がある方は、忘れずに入力しましょう。作品の受賞歴や動画の編集経験など、他者と差別化できる経験やスキルも記入しておくといいですね。
必ず記入すべき項目
・職種名
・プロジェクトの概要(どういった業界のWeb制作か、具体的に何を制作していたか)
・プロジェクト内のポジション(リーダー/メンバーなど)
・プロジェクトの人数
・業務区分(Web制作のプロセスで担当していた業務)
・制作環境(使用していたツール)
プロジェクト内容
プロジェクト内容には、制作会社なのか事業会社なのか、それとも代理店なのか、所属していた企業の立ち位置を明確にした上で、携わったお仕事を詳しく書きましょう。クリエイティブ系は仕事内容とプロジェクト内容がイコールであることが多いので、仕事内容で挙げた項目をきちんと記入できていれば、プロジェクト内容にそのままコピーしても構いません。
経験した会社がどこでも、可能な限り携わった作品のURLを記入し、関わった作品やプロジェクトをポートフォリオにまとめてある場合は、そのURLも明記してください。
ここでは、事業会社に所属していた場合と、制作会社に所属していた場合の記載例を紹介します。
事業会社に所属していた場合の記載例
自社アフィリエイト運用・バナー制作と自社の画像コンテンツ制作
■Webデザイナー
・アフィリエイトを主とした自社アフィリエイトの実務運用・原稿制作、運用管理
・自社コンテンツの画像制作、掲載クーポンの画像制作、新規出店時のページデザイン
【分野】WEBサービス
【担当】デザイン、コーディング、運用
【ツール】Illustrator、Photoshop、html5、css、javascript、Google Analytics
制作会社に所属していた場合の記載例
制作会社にてWebサイトに関わるデザインの企画~制作
■Webデザイナー
・化粧品関連会社のHPデザイン
・大手自動車メーカー向け新機種キャンペーン用動画作成~編集
・生命保険会社新サービス向けLPデザイン制作
【担当】ディレクション、デザイン、コーディング、一部運用
【ツール】Illustrator、Photoshop、html5、css、javascript、Premiere Pro、After Effects
POINTWeb制作の入力ポイント
Web制作の場合、制作会社、事業会社、代理店のどこでお仕事をしていたかで業務内容が多少変わりますから、その点については必ず明記しましょう。また、Webの制作物は多岐にわたります。制作に携わったのがWebサイト構築なのか、LPなのか、デザインなのか、コーディングなのか、できるだけ具体的に記入してください。
【3】メカトロニクス・エレクトロニクス系(電気・電子設計)
メカトロニクス・エレクトロニクス系の職種については、電気・電子設計を例に解説します。特有のツールや機器にふれることの多い職種ですから、使用していたツールはわかりやすいよう、正式名称で記入してください。
仕事内容
電気・電子設計の仕事内容には、下記の点を必ず盛り込んでください。鉄や樹脂など、対象製品の材料についても、できるだけ記入しましょう。文字数に制限があるため、できるだけ端的に書くことを意識することが重要です。開発していたのか、設計していたのかで大きく業務内容が変わりますから、そこもわかりやすく記入してください。
エレクトロニクスの場合の記載例も紹介します。
必ず記入すべき項目
・職種名
・プロジェクトの概要(対象となる業界や対象となる製品)
・プロジェクト内のポジション(リーダー/メンバーなど)
・プロジェクトの人数
・業務区分(製品のどの部分の設計や開発に携わっていたか)
・制作環境(使用していたツールの機器名、製品名)
開発業務を行っていた場合の記載例
・光通信ネットワークユニットの開発業務
他社製品CDドライブの解析、デバイスの仕様書調査、部品選定、仕様調査、電源回路設計、D/A変換回路の設計検証、評価、I2Cバス回路設計、通信プロトコル解析
【業界・分野】通信業界
【対象製品】CDドライブ
【ツール】オシロスコープ、プロトコルアナライザ、ネットワークアナライザ
POINT電気・電子設計の入力ポイント
電気・電子設計は、業務が細分化されていますので、製品のどの部分の開発や設計に携わったか、わかりやすく入力することがポイントです。また、どの職種でも使用ツールを記入しておくことは重要ですが、電気・電子設計の場合は、独自のツールを使うことも多いです。機器名や製品名を正式名称で記入しましょう。
IT系職種の職歴を入力する際の注意点
IT系職種の職歴の入力でよく見られるのが、記入例として表示されているサンプルをそのまま保存しているケースです。職種を選択すると自動的にサンプルが入力されますが、必ず自分の経験に合わせて修正しましょう。
また、入力せずに保存し、次のステップに進んでいるケースも散見されます。1つの職種に対して、必ず職歴を入力してから「次へ」を押してください。
職歴は企業が知りたい情報を詳しく書くことが重要
職歴は、ライバルに差をつけ、ニーズに合ったお仕事に出合うための必須項目です。特に、IT系職種はスキルや実務経験、使用しているツール、業界の親和性などが重視されるため、職歴の項目に企業が知りたい内容を詳しく書くことが重要です。
より適したお仕事をご紹介しやすくするためにも、ご紹介したポイントを参考に職歴を充実していただき、希望やスキルにマッチした就業先を見つけましょう。
監修者Profile
ITエンジニアの派遣営業、キャリアプランナーとして求職者の方へのお仕事紹介、さらに、リクルーターとしてエンジニア正社員の採用担当や配属支援などを経験し、現在は社内のDX化促進及びデジタルを活用し、求職者のキャリアビジョン実現に向けた支援を担当している。
当社へ入社する以前は、アデコの登録スタッフとして就業していた経験を持っており、実際に派遣先で就業する求職者の皆さまの気持ちを理解し、寄り添う支援を心掛けている。