転職や仕事選びをするときに、自分に合った仕事を探したいと考える人は多いでしょう。しかし、いざ自分がどんな条件の仕事を望んでいるのか、明確な答えがわからない場合もあるはず。自分に合った仕事を探すためには希望条件の洗い出しや事前準備など、まずはやるべきことの全体像をつかんでおくことが大切です。
ここでは、自己分析やキャリアプランの形成、仕事を選ぶ前に考えておきたいことなど、自分に合った仕事を見つけるためのポイントを紹介していきます。
まずは、自己分析をしよう
自分に合った仕事を探すためには、まずは自分自身について知ることが大切です。性格はもちろん、これまでの経験で気付いたことなどを客観的に理解して整理してみましょう。自分はどんな人間なのかを知ることで、適した職種が見えてくるはずです。
また、周囲に自分の適性や長所・短所についてヒアリングするのも効果的です。それでは、具体的にどんな風に自己分析をすればよいのか見ていきましょう。
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紙に書いて自己分析をする
まずは、紙に書き出して自己分析をしてみましょう。好きなものや嫌いなもの、得意なことや苦手なこと、価値を感じるものと興味がないものなど、比較しながら書くことで、自分の興味関心の対象がより明確になります。
ほかにも、夢中になったものや理由、これまでに取り組んだことでやりがいを感じたことなど、過去の行動や思考から見えてくるものもあります。1つの経験だけから判断するのは難しいため、複数の行動を比べてみることが大切です。 -
周囲にヒアリングする
自己分析を終えたら、家族や友人など周りの人にも自分の適性について聞いてみましょう。自分が思う長所や得意なことと、周囲の考える適性は異なる場合もあります。また、自分では短所だと感じていることも、仕事をするうえで大切だと考えられていることも少なくありません。
例えば、自分では物事を判断するのに時間がかかりすぎていると思っていた短所が、周囲からはしっかりと考えたうえで判断をしてくれるので、信頼できるという長所としてとらえられていることもあるでしょう。第三者の意見を聞くことで、新たな発見があるはずです。
キャリアプランを考えてみよう
自己分析を行った後は、今後も見据えたうえでの適した働き方を知るためにキャリアプランを考えましょう。
どんな暮らしをしたいのか、人生で達成したいことは何か、3年後や5年後、もしくはもっと長いスパンでどんな自分になっていたいのかなどを考えることで、どんな働き方が適しているのか見えてくるはずです。自己分析と同様、頭の中で考えるだけではなく、理想の暮らし方と働き方、実現に向けたプランの2つの視点から書き出してみましょう。
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理想の暮らしと働き方
まずは、1年後、3年後、5年後、10年後と、それぞれの時点でどんな暮らしや働き方をしていたいか、理想のプランを考えてみましょう。住みたい場所や暮らしなど、理想のライフスタイルから必要な収入や適した仕事がわかれば、今何をするべきかが見えてくるかもしれません。そして、数年後に就いていたい職種があるのであれば、今働くべき場所もわかってくるはずです。
また、仕事をするうえで達成したいことからは、適したキャリアプランが見えてくるのではないでしょうか。 -
実現に向けたプラン
理想の暮らしや仕事内容を書き出したら、今の自分が置かれている状況と比較して、実現するためには何が必要かを考えていきましょう。
例えば、理想の年収があるのであれば、今の仕事を続けてキャリアアップを目指すのか、転職する必要があるかが見えてきます。家族との時間を第一に考えるのであれば、残業や転勤が多い仕事は避ける必要があるでしょう。ほかにも、なりたい職種や役職がある場合には、必要なスキルや資格を取得するためのスキルアップが欠かせません。
理想と現実を比較することで、とるべき具体的な行動が見えてきます。
仕事選びの前に考えておきたい5つのこと
自己分析をしてキャリアプランを描いた後、実際に仕事を選ぶ前に考えておきたいことがあります。
同じ業界や職種でも、働き方や会社によっても業務内容や待遇は異なります。そのため、より自分のキャリアプランに合った仕事を見極める必要があります。
仕事を選ぶ際には、次のような点を予め考えてから選んでみてください。
- 1条件の優先順位を決める
- 理想のキャリアプランをもとに理想の仕事を考えると、さまざまな条件が挙げられるでしょう。しかし、すべての条件を満たすことは難しいかもしれません。そのため、絶対に譲れないものと特にこだわりのないもの、あればうれしい条件など、条件の優先順位を決めておくことが大切です。優先度の高いものを重視して選ぶことで、理想のキャリアプランを実現しやすい仕事が見つかるでしょう。
- 2今得たい経験を明確にする
- 理想のキャリアプランを実現するためにどんな職種に就けばよいかがわかったら、そこでどんな経験をしておくべきかまでしっかりと考えておきましょう。この仕事で学べることや、どんなスキルが身に付くのかを明確にしておくことで、働く意味の把握やモチベーションの向上にもつながります。これは、会社を選ぶ際の重要なポイントにもなります。
- 3長期的に見てどうなりたいのかをイメージする
- 仕事を選ぶ際には、短期的にどういう仕事ができるかも大切ですが、続けたうえで自分のキャリアプランにどんな影響を与えるのかも重要です。将来、専門職として活躍したい場合は、同じ職場で活躍の場所があるのか、独立する必要があるのかなどもイメージしておきましょう。
- 4社風や理念が合っているか
- 実際に選んだ仕事の社風や理念が合っているかは、理想の働き方ができるかどうかに大きく関わります。募集要項を見ただけではわかりにくいところなので、できれば実際に働いている人の話を聞いて、情報収集をするのがおすすめです。自分の理想に近い働き方をしている人がいるかどうかも、キャリアプランを実現するうえで重要になります。
- 5自分が成長できるかどうかがカギ
- そして、最後に考えたいのは、その仕事で自分がどれだけ成長できるのかということです。どれだけ社風や理念に共鳴しても、理想のキャリアプランを実現するために必要な能力や経験が得られない仕事では意味がありません。迷ったときは、自分はここでどれだけ成長できるのかという視点で、もう一度見直してみるとよいでしょう。
自分に合った仕事を見つけよう
入社前に確認できた条件や環境が万全でも、実際に入社してみると想像と違う場合や途中で自分の希望が変わる場合もあります。もし、1回目で自分に合った仕事が見つからなくても、経験を積み重ねて、スキルが高まっていくことでより自分の希望が明確になり、適職にめぐり合えることも少なくありません。
また、派遣という働き方のように、さまざまな就業先・仕事を体験することで、新しい可能性や自分の新たな一面に気が付くこともあります。自己分析やキャリアプランは、経験を積むことで少しずつ変化していくものなので、迷ったときに見直すのもおすすめです。焦らずに、経験を重ねて自分に合った仕事を探すことが大切です。