派遣社員は、雇用主と就業先が異なる間接雇用です。直接雇用との違いやメリット・デメリットのほか、派遣社員から直接雇用を目指す方法について解説します。
派遣社員から直接雇用を目指せる?
派遣社員から直接雇用を目指すことは可能です。直接雇用を目指すんら主に下記の3つの方法があげられます。
- 1紹介予定派遣で働く
- 2無期雇用派遣で働く
- 3現在の派遣先企業で正社員登用される
方法1紹介予定派遣で働く
「紹介予定派遣」とは、最長で6カ月勤務した後、派遣先の企業に直接雇用される制度のことです。直接雇用される前に職場の雰囲気を把握して、職場の方ともコミュニケーションを取れるため、入社後のミスマッチを防げます。
紹介予定派遣の詳細は、以下のページで解説しています。さらに詳しく知りたい方はあわせてこちらもご覧ください。
紹介予定派遣について詳しくはこちら方法2無期雇用派遣で働く
無期雇用派遣の場合は、現在の派遣会社と期間の定めがない形で契約を継続することになります。「派遣会社」と無期雇用契約を結ぶため、仮に「派遣先企業」での就業が発生せずに、働いていない期間があっても、原則として給与や休業手当が支払われます。従来の有期雇用より安定した雇用を望める点が魅力といえます。
無期雇用派遣ついて詳しくはこちら方法3現在の派遣先企業で正社員登用される
派遣先企業によっては「登用制度」を設けている場合があります。正社員登用制度を活用すれば、紹介予定派遣とは別枠で直接雇用されることも可能です。
直接雇用と間接雇用の違い
そもそも直接雇用と間接雇用は何が違うのでしょうか。
企業で働くにあたっては、雇用主である企業と労働者のあいだで雇用契約を結びます。この際に交わされる雇用契約の種別(雇用形態)には、正社員や契約社員、派遣社員、パート・アルバイトなどがあります。
企業が労働者を採用する際、直接雇用契約を結ぶ場合は「直接雇用」、結ばない場合は「間接雇用」に大きく区分することがでできます。まずは、直接雇用と間接雇用の雇用形態について解説します。
直接雇用 | 企業と直接雇用契約を結ぶ雇用形態のこと |
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間接雇用 | 企業と間接的に雇用契約を結ぶ雇用形態のこと |
直接雇用:企業と直接雇用契約を結ぶ雇用形態のこと
直接雇用とは、企業と労働者のあいだで直接雇用契約が結ばれる雇用形態です。直接雇用には、正社員、契約社員、パート・アルバイトといった種類があります。
直接雇用のメリットは、何といっても雇用と収入が安定していることです。正社員の場合は長く働くことができ、社会的信用を得られます。キャリアアップを目指したり、責任を負う業務を任せられたりすることも多くなるでしょう。
また、待遇面でも賞与や福利厚生などが充実しています。一方で、異動や転勤の可能性があり、拘束時間も長い傾向があるなどのデメリットもあります。
正社員
正社員とは正規雇用者のことで、雇用期間の定めがなく、基本的にフルタイム勤務の労働者です。正社員は雇用主である企業と労働契約を結びます。正社員の多くは月給制で基本給が設けられ、長く安定して働くことが可能です。
契約社員
契約社員は、雇用主である企業と一定期間の雇用契約を締結する労働者で、正社員とほぼ同様の業務に従事することが一般的です。雇用の定めのない正社員とは異なり、雇用期間が決まっています。
パート・アルバイト
パート・アルバイトは、雇用主である企業と短時間の雇用契約を締結する労働者です。「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)」では、1週間の所定労働時間が、正社員の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者と定義付けられています。給与形態は、時給制や日給制が一般的です。
間接雇用:企業と間接的に雇用契約を結ぶ雇用形態のこと
間接雇用とは、労働者と勤務先の企業とのあいだに第三者が介在する雇用形態です。第三者とは、人材の派遣や請負などを担う人材派遣会社や請負会社などを指します。直接雇用には、派遣社員や請負社員が該当します。
間接雇用のメリットとしては、スキルや経験を身に付けやすい、さまざまな企業や職種を経験できるといった、働き方の自由度が高いことが挙げられます。
一方で、雇用が安定しないことのほか、賞与や福利厚生などで十分な待遇を受けられない場合や、業務の範囲が限定的といったデメリットがあります。
派遣社員
派遣社員とは、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で就業する労働者です。派遣先企業で就業し、その企業の担当者から指揮命令を受けて働きます。
請負社員
請負社員とは、請負会社と雇用契約を結び、請負会社が受注した業務を、請負先企業でこなす労働者です。派遣社員とは異なり、請負先企業で直接業務に関する指示は受けません。
派遣社員から直接雇用になるメリット
ここからは、派遣社員から直接雇用になると、どのようなメリットがあるのかについて見ていきましょう。主に、下記のようなメリットが挙げられます。
- 1長期的に働ける
- 2仕事の幅が広がる
- 3収入も安定する
メリット1長期的に働ける
派遣社員の場合、契約期間が満了すると、契約の更新をするか、新しい派遣先を探す必要があります。 しかし、直接雇用は契約期間の定めがないため、長期的に働くことが可能に。「次の契約はどうなるだろう…」と不安になることもなく働き続けることができます。
メリット2仕事の幅が広がる
派遣社員は、派遣先企業の業務内容に応じてさまざまな仕事に携わることができますが、派遣先企業の都合で希望の業務に就けなかったり、スキルや経験がダイレクトに活かせなかったりすることがあるかもしれません。
メリット3収入も安定する
直接雇用になると、毎月安定して収入を得られることも大きなメリットです。「契約期間が満了になって次の就業先がなければ、収入が途切れるかもしれない…」といった状況を避けることもできます。また、働き方や企業によってはボーナスや昇給などが見込める可能性もあるため、収入面での安心も感じられるようになります。
派遣社員から直接雇用になるデメリット
派遣社員から直接雇用なると、さまざまなメリットがあります。一方で、知っておきたい下記のようなデメリットもあるので、事前に確認しておきましょう。
- 1働き方の自由度が低くなる
- 2収入は安定するが額面が下がる可能性もある
デメリット1働き方の自由度が低くなる
派遣社員は派遣会社と雇用契約を結ぶため、派遣先企業の指揮命令に従う必要があります。しかし直接雇用になると、派遣先企業の正社員として雇用されるため、派遣社員よりも働き方の自由度が低くなる可能性があります。
残業や休日出勤の義務が生じる可能性や、異動・転勤の可能性もあるため、自分の生活に合わせた働き方が難しくなるといえるでしょう。また、派遣から直接雇用になることで、辞めにくくなったり、さまざまな職場を経験する機会が少なくなったりすることも。このような側面から考えても、働き方の自由度は低くなるといえます。
デメリット2収入は安定するが額面が下がる可能性もある
直接雇用になると、派遣会社を介さず企業から直接給与を受け取ることになります。そのため、派遣料が給与に含まれなくなるため、額面が下がる可能性もあるでしょう。
さらに、会社の業績によっては「福利厚生がなくなる」「賞与がカット」など、待遇が変わる場合もあります。
派遣社員から直接雇用を目指す際には、メリットだけでなくデメリットも知っておこう
派遣社員から直接雇用になると、安定して働ける、収入や福利厚生などの待遇の向上が期待できる、キャリアアップの機会が広がるといったメリットがある一方で、収入や働き方の自由度が低くなるといったデメリットもあります。
派遣社員から直接雇用を目指す場合は、これらのメリットとデメリットを理解したうえで、自分の希望や条件に合った雇用形態を選ぶことが大切です。
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