派遣という働き方を考えたとき、気になるのは時給の金額かもしれません。派遣社員の平均時給や時給の決め方のほか、時給をアップさせるための方法について解説します。
派遣社員の平均時給はどのくらい?
派遣社員の時給の相場は、地域や職種などの条件によって違いがあります。そのため、派遣社員として働く際には、職場のエリアや希望する職種の平均時給を知っておくことが大切です。ここでは、アデコで公開中の求人情報から、地域別・職種別の平均時給をご紹介します。
地域別の平均時給
都道府県別に見た派遣社員の平均時給は、次のとおりです。
北海道
平均時給:1,363円
都道府県 |
平均時給 |
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北海道 | 1,363円 | 求人一覧へ |
東北
平均時給:1,296円
都道府県 |
平均時給 |
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青森県 | 1,185円 | 求人一覧へ |
岩手県 | 1,259円 | 求人一覧へ |
秋田県 | 1,210円 | 求人一覧へ |
宮城県 | 1,466円 | 求人一覧へ | 山形県 | 1,299円 | 求人一覧へ | 福島県 | 1,359円 | 求人一覧へ |
関東
平均時給:1557円
都道府県 |
平均時給 |
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東京都 | 1,762円 | 求人一覧へ |
神奈川県 | 1,780円 | 求人一覧へ |
埼玉県 | 1,503円 | 求人一覧へ |
千葉県 | 1,466円 | 求人一覧へ |
群馬県 | 1,472円 | 求人一覧へ |
栃木県 | 1,472円 | 求人一覧へ |
茨城県 | 1,472円 | 求人一覧へ |
北信越
平均時給:1,288円
北信越
都道府県 |
平均時給 |
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新潟県 | 1,197円 | 求人一覧へ |
長野県 | 1,322円 | 求人一覧へ |
石川県 | 1,294円 | 求人一覧へ |
富山県 | 1,321円 | 求人一覧へ |
福井県 | 1,224円 | 求人一覧へ |
山梨県 | 1,374円 | 求人一覧へ |
東海
平均時給:1528円
関西
平均時給:1,585円
都道府県 |
平均時給 |
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大阪府 | 1,656円 | 求人一覧へ |
兵庫県 | 1,647円 | 求人一覧へ |
京都府 | 1,550円 | 求人一覧へ |
滋賀県 | 1,546円 | 求人一覧へ |
奈良県 | 1,550円 | 求人一覧へ |
和歌山県 | 1,562円 | 求人一覧へ |
中国・四国
平均時給:1,346円
都道府県 |
平均時給 |
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広島県 | 1,656円 | 求人一覧へ |
岡山県 | 1,647円 | 求人一覧へ |
鳥取県 | 1,266円 | 求人一覧へ |
山口県 | 1,334円 | 求人一覧へ |
香川県 | 1,236円 | 求人一覧へ |
愛媛県 | 1,236円 | 求人一覧へ |
徳島県 | 1,300円 | 求人一覧へ |
高知県 | 1,236円 | 求人一覧へ |
九州
平均時給:1,467円
九州・沖縄
職種別の平均時給
次に、職種別の平均時給を見てみましょう。参考例として、東京都、大阪府、愛知県の、派遣社員の職種別の平均時給をご紹介します。全体的に専門性が高い職種ほど、平均時給も高い傾向があります。
職種 |
平均時給:東京都 |
平均時給:大阪府 |
平均時給:愛知県 |
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オフィスワーク・事務系 | 1,711円 | 1.474円 | 1.456円 |
金融系 | 1,611円 | 1,401円 | 1,454円 |
営業・販売・サービス系 | 1,631円 | 1,478円 | 1,516円 |
IT系 | 2,294円 | 2,169円 | 1,985円 |
クリエイティブ系 | 1,906円 | 1,721円 | 1,495円 |
メカトロニクス・エレクトロニクス系 | 1,931円 | 1,924円 | 2,039円 |
建築・土木・プラント系 | 1,841円 | 1,736円 | 1,585円 |
研究開発系 | 1,765円 | 1,657円 | 1,548円 |
メディカル・ヘルスケア系 | 1,690円 | 1,593円 | 1,426円 |
製造・物流・軽作業系 | 1,494円 | 1,437円 | 1,385円 |
派遣社員の時給はどのように決まる?
2020年4月施行の改正労働者派遣法により、「同一労働同一賃金」のルールが導入されました。同一労働同一賃金は、派遣社員と正社員のあいだにある、不合理な待遇差を解消することを目的としたルールです。
そして、その解消のため、派遣会社(派遣元)は「派遣先均等・均衡方式」または「労使協定方式」のいずれかを選択し、派遣労働者の待遇を確保することが義務付けられています。それぞれの方式がどのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。
派遣先均等・均衡方式
派遣先均等・均衡方式とは、派遣社員の待遇を、派遣先企業の労働者(正社員)の待遇に合わせて、同一労働同一賃金を図る方法です。賃金額の比較対象となるのは、同様の業務に従事する派遣先企業の従業員です。
労使協定方式
労使協定方式では、同じエリアで同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金と同等以上になるように、派遣社員の賃金を定めます。労使協定方式は派遣先に左右されず、同じ地域・職種・職務の難度の仕事で働く正社員の平均賃金以上が確約されます。
なお、アデコでは、雇用主の責任として、皆様の賃金を派遣先任せとすることはできないという想いから労使協定方式を選択し、対応を行っています。
派遣社員の時給が高いといわれる理由
派遣社員は、同じように時給で働くパートやアルバイトに比べて、時給相場が高い傾向があります。一般社団法人日本人材派遣協会が2022年に行った「派遣社員WEBアンケート調査」によると、派遣社員の平均時給は東京都・愛知県・大阪府で1,621円、それ以外の地域で1,348円でした。 一方、厚生労働省「毎月勤労統計調査」によれば、2022年12月のパートタイム労働者の平均時給は1,259円です。
これらのデータからも、地域によって違いはあるものの、パートやアルバイトよりも派遣社員のほうが平均時給は高い傾向であることがわかります。なお、派遣社員の時給が高い背景には、次のような理由が考えられます。
賞与や交通費が含まれている場合があるから
派遣社員の時給には、賞与(ボーナス)や交通費を考慮した金額が含まれていることがあります。派遣社員には、基本的にボーナスや諸手当の支給はありません。
また、企業によっては、通勤交通費の支給もない場合があります。これらの金額が初めから給与に含まれていると、その分時給が高くなります。
企業が優秀な人材を確保したいから
派遣社員の時給の高さは、「優秀な人材を確保したい」という派遣先企業のニーズの表れでもあります。通常、会社が優秀な人材を獲得しようとすると、コストと手間をかけて求人広告を出したり、何度も面接をしたりしなければなりません。
派遣社員であれば、企業がそのような労力を自社で負うことなく派遣会社を通して必要な人材を確保できるため、時給を高く設定できる余裕が生まれます。時給を高くすることで、より優秀な人材に就業してもらいたいという企業側の狙いもあると考えられるでしょう。
即戦力として必要なタイミングで採用するから
派遣社員の中でも一般的な有期雇用派遣(登録型派遣)は、一定の派遣期間が決まっている働き方です。そのため、派遣先企業は、必要なときに必要な人材をピンポイントで採用することができます。「即戦力として事業運営に貢献できる人材を確保できる」という派遣先企業にとってのメリットが、派遣社員の時給にも反映されているといえます。
派遣社員として時給アップを狙うには?
派遣社員として働くなら、できるだけ収入アップを狙いたいものです。派遣社員の時給を上げるためには、次のようなポイントを知っておきましょう。
時給が高い仕事を選ぶ
派遣社員の収入アップに直結するのは、できるだけ時給が高い仕事を選ぶことです。例えば、時給が100円上がれば、1日8時間、月に21日働くとして、1カ月で1万6,800円、年収にして20万1,600円もアップすることになります。
一般的に、専門性の高い職種ほど派遣社員の時給も上がります。経験を積みながら専門性とスキルを磨き、時給の高い仕事へのステップアップを目指すことが大切です。
資格取得を目指す
資格を取得することで、一定の知識や技術を持っていることの証明になり、派遣先企業からの信頼度も上がります。職場や業務内容によっては、特定の資格を持っていることが時給アップにつながることも。さらに、資格取得によって専門的な知識が身に付けば、より条件の良い仕事を選べるようになるでしょう。
複数の派遣会社に登録する
希望条件の仕事が見つからない場合は、複数の派遣会社に登録してみるのもひとつの方法です。派遣会社によっては、同じような仕事でも会社によって時給設定が違うこともあるので、より条件の良い仕事が見つかるかもしれません。
また、有期雇用派遣から無期雇用派遣を目指すという方法もあります。無期雇用派遣なら、同じ職場で長く働けるため、経験を重ねる中で時給アップを目指しやすくなるはずです。
派遣社員の時給相場を知ってより好条件の職場を見つけよう
派遣社員の時給相場は、地域や職種によって異なります。自分が働きたいエリアや職種の時給相場を知ることで、より好条件の仕事を探しやすくなるかもしれません。さらに時給を上げたい場合は、派遣先でさまざまな経験を積んだり、資格取得に挑戦したりするのもおすすめです。
派遣社員は、パートやアルバイトに比べて時給が高い傾向があるため、「しっかり収入を得ながら自分の都合に合わせて働きたい」という人に多く選ばれています。「仕事でどれくらいの収入を目指したいか」ということも考えながら、自分に合った働き方を選びましょう。