「こころの健康」のお悩み・ご質問

Q.【NEW】仕事と子育ての両立において、ゆとりが全く持てません。要領が悪く器用にできないにも関わらず、どこか完璧を求めがちだと思っています。家事と仕事と子育ての上手な向き合い方を知りたいです。
A.
アイコン
益子先生からの回答

<相談者の背景>
常に何かに追われているようにバタバタと過ごしています。そのため3歳になる子どものイヤイヤ期にも優しくなれないのです。さらに子どもから「ママ嫌、あっち行って」「パパが良い」と言われてしまうと、「こんなにやっているのに!」と、切なさゆえに優しく接してあげられていないことが多いです。1日の大半を保育園で過ごしているので、朝と夜のたった数時間しかない子どもとの時間を、本当はもっと笑顔で過ごせるようになりたいです。現在子どもの成長が大きく、色々なことができるようになったりと、褒めてあげたいのにキツく当たってしまい、毎日寝顔を見て反省しています。

<回答>
完璧を求めがちながんばり屋さんなのですね。自分の思い描く「100点」をとろうとすることは決して悪いことではありませんが、「ここまでやりたい」という気持ちが、「ここまでやらねば!」と義務感になってしまうと自分を苦しめてしまいます。
ゆとりが全く持てないためにお子さんに優しくなれない、と考えているのであれば、どのようにゆとりを持てるようにするか、ですね。一言でゆとりといってもさまざまです。例えば、時間が1時間あってもゆとりを感じられないこともあれば、1分でも感じられることもあります。場所によって、あるいは誰かと会うことで感じられることもあるでしょう。つまり、自分が感じられるかどうかであり、ゆとり、さらにはその根底にある「安心」を感じようとする意識がなければ、どんなに条件がよくても感じられないということです。
では、ゆとりがあればすべて自分の思うようにいくのか、というと、そうではありませんよね。自分が思うような結果を得られないのは、ゆとりが持てない環境、すなわち「自分以外」に原因があるという考え方に立ってしまうと「こんなにやっているのに……」という言葉が出てきます。結果にこだわると、評価が気になるものです。結果を期待せず、ただひたすらに必要であること、自分がやりたいと思ってやっているという視点に立つと、周囲からの評価を期待することは薄れてきます。

まず、がんばっている自分をあなた自身が認めてあげてください。本来のあなたは、仕事も子育てもイヤイヤやっているなんて思っていないはずです。こうありたいという自分になれていないこと対して、ダメ!と否定してしまうことでさらにがんばってしまうというループができてしまう。すなわち、自分の「設定」に追われてしまうのです。そうしなければと思っているのは他でもない「自分」であり、自分でその設定を変えることができれば、追われていることから簡単に解放されるものです。
子育ては仕事以上に、自分の思うようにいかないものです。うまくいかないとモヤモヤを抱えながら自分を縛ってしまい、どうにもならなくなってしまう。思うような結果を得ることにこだわっていると、何を言われても納得できずに撥ねつけてしまい、周囲からのサポートを素直に受け入れることもできません。自分自身が自分を認められていないことが根底にあることがすべての発端であるということを理解しましょう。

世の中は、自分では思うようにいかないもの、基準があいまいなもの、日々状況が変化するものばかりです。自分ができることに目を向けて、結果に期待しない、結果で評価しない、という在り方でいきましょう。それでも結果が気になってしまうのであれば、自分のできること、やったことについて、ここまでできていればとりあえず合格といえる60点を設定してみてください。100点を取れていない!というストロークが自分を苦しめることになり、そのようなお母さんをお子さんはみていますので、お母さんが設定した100点の子どもにならないと認めてもらえないとお子さんは敏感にキャッチします。イヤイヤ期は「自分はこうだ!」という自我の目覚めであり、ただでさえ何に対してもイヤ!なのに、こちらが思うようにしようとすればするほど反抗が強くなるのはなおさらです。子どもの成長としては喜ばしいことなのに、それを喜べないのは切ないですね。
でも、お母さんが自分のために必死になっていること、自分を愛してくれていることをお子さんは感じていて、ちゃんとわかっています。だからイヤイヤできるのです。そのようなお子さんに対して、一人の人間としてどう接していくか?を考えてみてください。そして、愛情が芯にあるか。その愛情とは、他人よりもまず自分を愛することができているかが重要なのです。シャンパンタワーのように、まず自分が愛情で満たされていないと、他の人に愛情を注ぐことはできません。自分で自分を大事にすること。そのために借りられる力は何でも借りて、周囲にも助けてもらいましょう。お母さんの笑顔で子どもは安心できるのです。

お悩み解決!人気Dr.の読む保健室 に戻る

アデコへの登録はWebで完了!4~6月スタート、人気のオフィスワーク、在宅勤務ありのお仕事など多数!