「こころの健康」のお悩み・ご質問

Q.【NEW】私には日々の生活の中でふと思い出す、嫌な思い出があります。現在は安定した生活を送れていますが、フラッシュバックするきっかけのものがあると憂鬱な気分になってしまいます。何か方法はあるでしょうか…。
A.
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益子先生からの回答

過去の出来事で嫌な思いがよぎるのは誰でもあることです。人間の頭には記憶という引き出しのような倉庫があるので、そこに入っているものがふっと出てくることは異常ではありません。ある出来事が嫌な思い出として記憶されているとすれば、それは起こった事象自体ではなく、それが起こった時に自分が「嫌だな」と感じたから。つまり、自分が抱いた感情が処理されていないと、出来事を想起したときに甦ってしまうわけで、言い換えれば、感情が処理できていれば、思い出したときにフラッシュバックとして感じることは少なくなるわけです。
感情を手放すにはコツが必要です。ある事象は、塗り絵のように本来は色がついていないはずなのに、自分がそれに色を付けている。色を変えてみれば事象も変わって見えるものです。そういう捉え方があると認識するのがまず一つ。
とはいえ、ある事象を青色に見ていたとしたら、その色がいきなり変わることはありません。でも、青い世界に浸かるのではなく、青い色を塗っていたから、あるいは、色のついた眼鏡をかけていたからこう見えたのだと、ちょっと離れて意識してみてください。別の色を塗れば、眼鏡を変えれば、別のように見えるものなのだ、と気づくことができます。「わたしはあの時、悲しかったから青色で塗りたかったんだ、青色の眼鏡をかけていたんだ」と、自分の感情を認めてあげると、感情がスーッと離れていくことを感じることができると思います。
抑圧された感情がベッタリこびりついた状態で引き出しに入っているので、引き出しが開くたびにベタっと出てくる。出てきたときに感情に向き合って、整理したり、感情という色を塗り直したり、別の視点で眺めたりして、丁寧に入れ直してあげてください。少しずつでよいのです。時間をかけて何度でも、根気よく感情を手放していくことで見え方が変わってきます。そうすると過去が変わって見えてきます。
抑圧された感情をいかに解放できるか、ある意味で「感情を成仏させる」ということです。クリアでニュートラルな状態であれば、新たな体験への不安や恐怖も感じにくくなります。自分の意識次第で、さまざまなことを楽しむことができる、より豊かなこころでいることができるでしょう。

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