- Q.8月にコロナに罹患しました。その後、後遺症というものを感じていなかったのですが、11月半ばから、 平熱が36.0℃から37.0℃前後に上がり、同時に髪の毛が異常に抜けるようになりました。リビングにも沢山落ちており、1番はお風呂で洗髪した際大量に抜けるのです。何か対策や処方はあるのでしょうか。
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A.
益子先生からの回答
脱毛や蕁麻疹など皮膚の症状は、心身に何らかの負荷がかかったときにみられることがあります。体力や気力をたくさん消耗した時にオンタイムで出現するだけでなく、ちょっとタイムラグがあって出ることも多いです。それがなぜなのかは明確にはわかっていませんが、おそらく人間の体はどんな刺激に対しても適応しようとし、そこにたくさんのエネルギーを使い、常に体をベストな状態にしていますが、その瞬間は何とかなっても、ずっとその状態が続いたり、エネルギーを使った後のケアが十分でなかったりすると、疲労が蓄積して体がアラートを出します。スマホが「充電してください」となるような状況です。電池マークなら残量の減り具合がわかりますが、人間には電池マークがありません。症状として、時として突然出現する……ということではないかと考えます。水滴がコップに溜まって表面張力が崩れた瞬間にこぼれるように、体内に溜まったストレスが一気に流れ出るようなイメージです。
ストレスによると思われる脱毛であれば、物理的には髪の毛はまた生えてきます。医師に相談して、薬などとりあえず処置をおこなうことも必要でしょう。その前提として、起こってしまったことに対して否定的なイメージを持ってしまうとさらにストレスになってしまいます。症状に対して「あぁ、わたしの体はこれまでがんばっていたんだ」と、体からのサインを受け止め自分を認めてあげることです。「今アラートを出せてよかった」「アラートが出せるなら大丈夫」という受け止め方が大事だと思います。皮膚症状は見るたびに心が痛みますが、今はウィッグも素敵なのが揃っていますから、どうせなら楽しみながら活用して、気長に回復を待ちましょう。
コロナ後遺症についてはいろいろな見解がありますが、確実な根拠はありません。「後遺症」に縛られるのは回復を遅らせることになりかねません。コロナに罹患した時にそれだけ体が消耗したということであり、不具合は残っていたとしても、熱も下がりご飯も食べられるようになるところまで回復しているわけです。さらに回復するためには何が必要なのか、体が楽になるためにはどうしたらよいのかを想像してみましょう。
ダメージを受けた後、回復するには栄養が基本です。体は食べたものでできています。体をつくるための材料が十分にあるか、作れる状態があるか、体に不都合な負担がかかるような食べ方をしていないか、そういうことを点検するだけでも違うと思います。特に亜鉛不足は皮膚の症状に出やすいです。たんぱく質も十分に摂取しましょう。栄養バランスや食べ方を見つめ直す機会にしてみてください。