今までの職務に焦点をあて、培ってきた経験や成果、スキルなどをアピールする書類が職務経歴書です。採用担当者が参考にする重要な書類なので、伝えたい内容を整理して、簡潔にわかりやすくまとめることが大切です。
ここでは、職歴などのケース別に、作成のポイントなどをわかりやすくご説明します。
職務経歴書を作成する際の基本事項
- 一般的にはA4サイズの用紙を用いて、パソコンで作成します。
- 基本的には1枚、多くても2枚以内にまとめましょう。
- ※2枚にわたる場合は、2枚目の半分以上まで記載し、レイアウトのバランスをよくしましょう。
- 内容は簡潔にし、アピール点が一目でわかるようにまとめましょう。
- 作成し終えたら、誤字・脱字がないように確認しましょう。印刷すると欄外にはみ出したり、レイアウトが崩れることもあるので、必ずプリントアウトして確認してください。
職務経歴書を作成する前に“職歴の棚卸し”を
まず、今までの業務内容を整理して、箇条書きに書き出してみましょう。そこから「定型業務」を、次にプロジェクトや期間限定で対応した「不定型業務」を洗い出します。この中から、応募する企業や業務内容に合う職歴に焦点をあてて、まとめていきます。
この職歴の棚卸しは、面接の際にも役立ちますので、しっかり行いましょう。
職務経歴書の作成方法
職務経歴書を作成するにあたっての全体的な作成のポイントと、ケース別のポイントを、それぞれご説明します。
【ケース別 作成のポイント】
一般事務・営業事務
業務内容を正確に伝えるために、一日の受発注件数や同じ業務を担当していた人数など、業務量の目安を記載することがポイントです。
経理
伝票の起票・分類・仕訳や、入出金管理、月次・年次決算などの具体的な業務範囲はもちろん、会計ソフトなどの使用経験も、忘れずに記載しましょう。
- ※ソフトの使用経験は、「PCスキル欄」に記入しても構いません。
人事・総務
- 採用関連、給与計算関連、労務関連のなかのどの分野の業務かを、わかりやすく記載することがポイントです。
- 従業員数で業務量の目安を提示するとよいでしょう。
- ※この例では、キャリアチェンジを行い、直近の職歴が応募する職種に近いため、年代の新しい順に記載する「逆編年体」を採用しています。
販売・接客
- 店舗の規模や取り扱う商品の記載はもちろん、店舗ごとの売り上げや販売実績は具体的な数字でまとめましょう。
- 接客以外の事務処理やほかのスタッフへのOJTなど、数字で表しにくい業務も忘れずに記載しましょう。
就業経験が浅い方(第二新卒)
就業経験が短い場合は、「自己PR」欄を充実させて、仕事に対する前向きな姿勢を伝えていくことがポイントです。
- 実務や研修を通して学んだこと、またその経験が、希望する職種でどう生かせるかという視点でまとめるとよいでしょう。
- 具体的な成果以外にも、仕事への取り組み方や意欲、今後の目標などは必ずアピールします。
経験がアルバイトのみの方
- 業務のなかで、特に工夫した点や学んだ点は、業務内容などとは別にまとめます。
- 仕事上で心がけていたことや、リーダーシップをもって提案・改善に望んだ点などは、「自己PR」でアピールしましょう。
ブランクのある方(留学を経験)
- 留学から得たものや目標のために実行したこと、留学での勉強の成果だけでなく、アルバイト経験なども記載します。
- 多くの場合、未経験職種への応募となるため、「自己PR」は、これまでの経験と応募する職種の共通項を意識してまとめましょう。
- ※その他の理由(資格取得、育児など)でブランク期間のある方も、ブランクの理由やその間に得たことを記載するとよいでしょう。
派遣での就業経験が多い方
職種ごとにまとめる「キャリア別式」を用いると、経歴が多い場合でも分かりやすくまとまります。また、応募する仕事に近い経歴(職種)の業務内容を詳しく記載することもポイントです。
- 派遣先企業の事業のなかでの担当業務の位置づけを盛り込みましょう。
- 仕事への取り組み方、会社に貢献した点やその成果もアピールしましょう。
- 就業経験が多い場合は特に、「職歴要約」の項目を追加して、経験した職歴を一目でわかるようにまとめます。
- ※「職務要約」は、「自己PR」の上に記載すると効果的です。