連休明けは「今日から仕事」とわかっていても「やる気が出ない」「体が重い」などと、なんとなく不調を感じる人が多いようです。ようやく本調子になったころには仕事が山積していたり、ミスの対応に追われたりということも。
連休明けにやる気が出ない原因を探り、予防や対策方法を考えてみましょう。
なぜ連休明けはやる気が出ない?
連休明けにやる気が出ず、「仕事に行きたくない」と感じることは、誰にでもあることです。連休最終日から翌日の仕事のことを考えて、憂鬱になる方も多いでしょう。このやる気が出ない原因は何なのでしょうか。単純に「仕事をしたくない」という理由も考えられますが、それだけでは仕事を辞める以外に解決策が見当たりません。連休明けにやる気が出ない原因を探ってみましょう。
1 自律神経が乱れている
休みの日は昼過ぎまで寝ていたり、夜更かししたりと、不規則な生活を送ってしまいがち。その影響が、「自律神経の乱れ」として表れることがあります。
自律神経は、人間が生命を維持するためのあらゆる活動を司っていて、私たちが意識せずに呼吸したり消化したりできるのも、自律神経の働きによるものです。しかし、自律神経は強いストレスや不規則な生活によりバランスを崩すことがあります。
休みだからと不規則な生活を送っていると自律神経が乱れ、休み明けにやる気が出ない、仕事に行くのがだるいといった不調が起きる原因となります。
2 リラックスしすぎている
しっかり休息して、リラックスして連休を過ごせたのに、それでも休み明けはやる気が出ないという場合、「リラックスしすぎ」の可能性があります。こちらも、自律神経が関係するものです。
人間が眠っているときやリラックスしているときは、自律神経の「副交感神経」が優位に働いています。一方、活動しているときやストレスを感じているときは、「交感神経」が優位になっています。リラックスしすぎて副交感神経と交感神経の切り替えがうまくできず、結果としてやる気が出ない、仕事に集中できない状態になることがあるのです。連休明けにやる気が出ない原因を理解することで、効果的な仕事術を取り入れ、次回の連休明けもスムーズに仕事に取り組む手助けになります。
3 疲労がとれていない
せっかくの休みだからと、出掛けたり遊んだり、アクティブに過ごす方も多いでしょう。これは「アクティブレスト」といい、軽い運動は疲れをとるために有効といわれています。しかし、あまりに体を使いすぎたり、休息が足りなかったりすれば、連休明けに疲れを残す結果となってしまいます。疲れが残っていれば、なかなかやる気は出ませんよね。
反対に、連休中たくさん寝たのに、疲れがとれないという方もいます。平日に睡眠不足の場合、休日の「寝溜め」で解消しようと考えることがありますが、慢性的な睡眠不足は普段より数時間多く寝たくらいでは解消されません。かえって休日の朝寝坊で生活リズムが乱れ、たくさん寝ているのに睡眠の質が下がり、連休明けに疲れがとれないまま平日を迎えてしまい、仕事するにはだるいという状態を引きずってしまうおそれがあります。
4 体内時計が乱れている
連休中に夜型の生活をしてしまうと、いざ連休明けで朝型の生活が始まったときに、「時差ぼけ」のような状態になってしまうことがあります。
体内時計を正常に動かすためには、規則正しい生活を3~4週間続けなければならないとされています。休日と平日で、数日ごとに夜型と朝型の生活が繰り返されれば、体内時計が乱れてしまうでしょう。連休明けの仕事を始める日に、午前中は頭と体がうまく動かなかったり、夜眠れずに寝不足になったりして、結果的にやる気が起きない状態になってしまいます。これらの原因に対して効果的な仕事術を取り入れ、やる気が出ない原因を徐々に解消していくことも大切です。
5 仕事でストレスを抱えている
休み中でも仕事のことが気になって、ゆっくりできないという方もいるようです。連休前に何かやり残していたり、連休明けにすべきことが溜まっていたりする場合、「今日から仕事が始まる」ことに気が滅入ってオフィスに向かう足が重くなってしまうこともあるでしょう。
また、どうしても気の合わない上司がいたり、今の仕事が好きになれなかったりといった場合も、連休明けにやる気が出ない原因となりそうです。
連休明けにやる気が出ないと感じたときの対策方法
では、実際に連休明けにやる気が出ないと感じたとき、どうしたら良いのでしょうか。簡単にできる仕事術としての対策方法をご紹介しましょう。
1 朝日を十分に浴びる
やる気が出ない原因に自律神経の乱れがありましたが、これは規則正しい生活を送ることで整えることができます。しかし、もっと簡単なのは、朝に太陽の光を浴びること。朝に15分程度太陽光を浴びることで、自律神経のバランスが整い、仕事に向かうやる気を起こしてくれます。
日焼けが気になるという方もいるかもしれませんが、連休明けにやる気を出すためにも、たまには日焼け止めなしで太陽の光を浴びてみてはいかがでしょうか。
2 To Doリストを作る
「今日から仕事」とわかっているけれどやる気が出なくても、オフィスに着いたら仕事を始めなければなりません。そんなときは、まず仕事の「To Doリスト」を作りましょう。やらなければならないタスクを書き出し、優先順位をつけます。このとき、できるだけ頭を使わず、短時間で終わるタスクを優先するのがポイント。やる気が出ないときに複雑なことを行っても、時間ばかり過ぎて非効率になってしまいます。メールチェックやデスクの整理など、簡単なルーチンワークから始めましょう。
手を動かしているうちに連休前の感覚が少しずつ取り戻せますし、クリアしたタスクが増えていくことで、自信にもつながります。
3 カフェインをとる
カフェインは適度な摂取ならやる気を起こさせたり、疲労を回復させたりする効果があります。連休明けに「どうにもやる気が出ない」と思ったときは、カフェインを含む物を摂取してみてもいいでしょう。
ただし、カフェインは過剰に摂取すると、めまいや心拍数の増加、下痢といった副作用もあります。欧州食品安全機関(EFSA)の発表によると、成人が1日に摂取しても安心なカフェインの量は400mgまでだそうです。100ml中にコーヒーなら60mg、紅茶は30mg、煎茶は20mg程度のカフェインが含まれています。とりすぎには注意が必要ですが、やる気の出ない連休明けは、うまく活用してみてください。
4 アロマを使う
好きな香りをかぐと、リラックスしたり気分転換できたりしますよね。なんだかやる気の出ない連休明けには、アロマを利用してみてはいかがでしょう。
例えば、柑橘系の「グレープフルーツ」の香りは交感神経を刺激するとされていて、頭が回らないときや、頭と体を活動モードにしたいときにぴったりです。同じく柑橘系の「ベルガモット」も、ストレスを鎮めて気分を明るくする効果があるとされ、やる気の出ない連休明けにおすすめです。ほかにも、憂鬱な気分を払ってくれる「ローズマリー」や、頭をすっきりさせる「ペパーミント」なども良いでしょう。
香りには好みがあるので、オフィスで使うときは周りに配慮してください。ティッシュやコットンにアロマオイルを数滴垂らしてデスクに置けば、周囲に香りが拡散しすぎずに楽しめますよ。マスクにアロマオイルを垂らして利用する人もいるようです。
やる気を出すには規則正しい生活がカギとなる
連休明けは、仕事に行くのが面倒になったり、デスクに向かっても集中できずにミスしてしまったりすることがあります。こういったやる気が起きない理由は、連休中の過ごし方に原因があるかもしれません。
休日でもできるだけ規則正しい生活を送り、しっかり疲労を解消して連休明けの仕事に備えましょう。それでもやる気が出ないという場合は、ご紹介した仕事術を試してみてくださいね。
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