一般事務と営業事務では、お仕事内容や求められるスキルなどに違いがあります。自分にマッチするお仕事を選ぶためには、こうした違いを把握することが大切です。このページでは、一般事務と営業事務の違いを「お仕事内容・平均時給・有効求人倍率・求められるスキル」の観点から解説します。
一般事務と営業事務の違い
今回のページ全体で紹介する「一般事務と営業事務の違い」を一覧表にまとめました。
一般事務 |
営業事務 |
|
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お仕事内容 | 「部署内」における書類整理やファイリング、データ入力などの事務作業を行う | 「営業部署に特化」した事務作業を行い、営業担当者をサポートする |
平均時給 | 1,157円 | 1,192円 |
有効求人倍率 | 0.35倍 | 1.07倍 |
必要なスキル | 最低限のPC操作やコミュニケーションができたうえで、日々のお仕事を淡々と遂行できるスキル | より深いコミュニケーションを意識し、営業担当者がスムーズに活動できるようサポートするスキル |
一般事務と営業事務のお仕事内容の違い
一般事務 | 「部署内」における書類整理やファイリング、データ入力などの事務作業を行う |
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営業事務 | 「営業部署に特化」した事務作業を行い、営業担当者をサポートする |
それぞれの違いを詳しく解説します。
一般事務:部門を問わず事務作業を行う
一般事務では、各部署内における書類作成やデータ入力、ファイリング、備品管理、来客対応など、幅広い事務作業を行います。
基本的には専門スキルや資格を必要としないため、未経験でも挑戦しやすい点が特徴です。ただし、その分人気も高いため、採用されやすくするには、PC操作の経験はもちろん、MOSや秘書検定、簿記などの資格を取得してスキルをアピールすることもおすすめです。
企業によっては、人事や経理、労務など専門領域の事務作業をサポートすることもあるため、事前に担当する業務範囲を確認しましょう。
一般事務の具体的なお仕事内容や向いている人の特徴などについては下記のページもご覧ください。
一般事務について詳しくはこちら営業事務:営業部署に特化した事務作業を行う
営業事務では、営業部署に特化した事務作業を行います。具体的には、契約書や顧客に提出するプレゼン資料の作成、納品管理、売上管理など、営業担当者をサポートする作業がメインです。
営業担当者の代理として顧客の問い合わせに対応したり、簡単な商品機能を説明したりする機会もあります。そのため、幅広い相手とコミュニケーションを取る能力や自発的に商品について学ぶ姿勢などを持っていることが理想です。一般事務と同じく、未経験OKの求人も数多く存在します。
営業事務の具体的なお仕事内容や求められるスキルなどについては下記のページもご覧ください。
営業事務について詳しくはこちら一般事務と営業事務の平均時給の違い
一般事務と営業事務の平均時給に大きな違いはありません。
一般事務 | 1,157円 |
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営業事務 | 1,192円 |
上記は、月給制が多い「一般労働者」の賃金額を時給換算した場合の数値です。そのため、厳密にいえば「一般事務や営業事務として就業する派遣社員」の平均時給とは異なります。
しかし、現在は「同一労働同一賃金制度」の施行によって、正社員と派遣社員の待遇格差が解消されているため、上記の数値が派遣社員の時給にも反映されていると考えて問題ありません。同一労働同一賃金の詳細については下記のページもご覧ください。
同一労働同一賃金について詳しくはこちら具体的な時給は派遣会社の求人ごとに異なるため、まずは実際のお仕事情報をチェックすることが大切です。
一般事務
一般事務の平均時給は1,157円ですが、派遣社員の時給はこれより高くなる傾向にあります。
例えば、アデコで「23区内・職種未経験歓迎・業界未経験歓迎」を含めた条件で検索すると、1,668件の求人(2023年12月時点)がヒットし、時給も「1,271〜2,700円」と平均を大きく上回っています。このように、派遣会社によっては時給2,000円台も目指せるため、いくつかの求人サイトをチェックしてみましょう。
営業事務
営業事務の平均時給は1,192円ですが、こちらも一般事務と同じく、派遣社員は時給が高くなる傾向にあります。
同じくアデコで「23区内・職種未経験歓迎・業界未経験歓迎」を含めた条件で検索すると、603件の求人(2023年12月時点)がヒットし、時給も「1,300〜2,000円」という結果になりました。
一般事務と営業事務の有効求人倍率の違い
一般事務 | 0.35倍 |
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営業事務 | 1.07倍 |
上記は「正社員有効求人倍率」ですが、一部派遣社員も含まれています。
有効求人倍率が1倍を上回っていると、求人数が求職者数よりも多い状態を表しています。そのため、両者を比較すると営業事務のほうが若干就業のハードルは低いといえるでしょう。
ただし、他は有効求人倍率が2〜4倍程度のお仕事も多いことから、「事務職」という括りでみるといずれも人気は高いといえます。そのため、一般事務と営業事務のどちらを選ぶにしても、求められるスキルを把握したうえで適切にアピールして、採用の可能性を高めることが大切です。
一般事務
一般事務の有効求人倍率は「0.35倍」です。1倍を下回っているため、他の職種と比較して人気が高いお仕事といえます。人気が高い理由として、「定型業務メインでお仕事に慣れやすい」「ワークライフバランスを大切にしやすい」などが挙げられます。
人気が高い一般事務で就業するには、「派遣会社で未経験OKの求人を探す」などのコツを押さえることが大切です。例えばアデコでは、上記で解説したように「職種未経験歓迎・業界未経験歓迎」を含めても1,668件の求人がヒットします。こうした幅広い選択肢の中から、担当者のサポートも受けつつお仕事を探せるため、未経験で挑戦する余地は十分にあるでしょう。
営業事務
営業事務の有効求人倍率は「1.07倍」です。一般事務よりは就業しやすい傾向にありますが、他の職種と比較すると、依然として人気は高いでしょう。
先ほど解説したように、アデコで「職種未経験歓迎・業界未経験歓迎」を含めて検索すると603件の求人がヒットします。
一般事務と営業事務で求められるスキルの違い
一般事務 | 最低限のPC操作やコミュニケーションができたうえで、日々のお仕事を淡々と遂行できるスキル |
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営業事務 | より深いコミュニケーションを意識し、営業担当者がスムーズに活動できるようサポートするスキル |
それぞれについて詳しく解説します。
一般事務
一般事務は、同じ職場内で毎日定型業務に取り組むことが多いです。そのため、最低限PCで文字を入力できたり資料を作成できたりすれば問題ありません。コミュニケーション相手も職場内の従業員がメインになるため、「わからないところはしっかり確認をする」「早めの報告を心掛ける」など、業務に必要な基本的なやり取りができれば大丈夫です。
営業事務
営業事務は顧客とやり取りするケースもあるため、よりコミュニケーションやビジネスマナーに気を配る必要があります。例えば、営業担当者の代理で顧客対応を行い、要望や意見をヒアリングすることもあるでしょう。その際には、じっくり耳を傾けて相手の考えを正確に引き出すことが大切です。
また、営業担当者の動きを先読みすることも必要になります。例えば、契約間近の顧客がいた場合、事前に必要書類を準備しておくことでスムーズに契約を締結できるでしょう。
共通で求められるスキル
上記で解説した内容も含めて、程度の差はありますが、以下のスキルは一般事務と営業事務の両方で求められます。
- PCスキル
- ビジネスマナー
- コミュニケーション能力
ほとんどの事務作業はPCで行うため、必ず使えるようにしましょう。とはいえ、日頃からPCやスマホを使っている方であれば基本的に問題ありません。不安であれば、PCスクールで勉強しましょう。派遣会社の中には、アデコのように「登録している派遣社員は提携スクールを割引価格で利用できる」という制度を設けていることもあるため、積極的に活用すべきです。
また、頻度の差はありますが、いずれも社外の人物とやり取りすることがあるため、ビジネスマナーを身に付けておきましょう。とくに社外とのやり取りが多い営業事務であれば、秘書検定の資格勉強をすすめると、より実践的なビジネスマナーを身に付けられます。
さらに、社内外問わず相手とスムーズにコミュニケーションが取れることも大切です。とくに事務職は社内にいることが多いため、日常的に従業員と適切なコミュニケーションを取れているかで、職場での働きやすさが変わってきます。
自分に向いている事務の種類を確認してから挑戦しよう
同じ事務職ですが、お仕事内容や求められるスキルなどは若干異なります。興味や業務経験などを考慮して、自分に合っているほうの事務職を選びましょう。
自分にマッチするお仕事を選ぶためには、派遣会社を活用するのもおすすめです。派遣会社であれば、事務職の知識が豊富な担当者からアドバイスを受けつつ、自分の希望条件を踏まえてぴったりのお仕事を紹介してくれます。また、アデコのように「提携スクールを特別価格で受講できる」など、派遣社員のステップアップを支援してくれる派遣会社も存在します。
このような派遣会社を上手に活用して、自分のスキルを高めつつ納得できるお仕事を探しましょう。