
アデコでは、キャリアコーチや担当者が派遣社員の皆さまのご就業中のフォロー、キャリアサポートを行っています。キャリアコーチや担当者は派遣社員の皆さまがご自身のありたい姿(キャリアビジョン・ライフビジョン)を描けるようにサポートし、そのビジョンに基づき就業中のキャリアカウンセリング、コーチングなどを行っています。「働く」という体験をより良いものにしたい、やりがいをもっていきいきと働いてもらいたい、そのような想いから、一人ひとりの声に耳を傾け、寄り添いながら日々のサービス向上や改善に努めています。
今回は、キャリアコーチがどのような想いをもって働く派遣社員の皆さまと伴走しているのかをご紹介します。ぜひご覧ください。
話を聞いたキャリアコーチ
佐々木 麻衣(ささき まい)
キャリア開発本部 西日本キャリアマネジメント部
支社のアシスタントを経てキャリアコーチへ。派遣社員の皆さまのキャリアビジョンを聴き、ライフプランと合わせてどんな仕事が適しているかを考えることを意識している。その責任の重さと、やりがいの高さを感じながら奮闘している。

原 和美(はら かずみ)
キャリア開発本部 首都圏キャリアマネジメント部
前職も人材関連の企業に勤務していたが、顧客と直接関わる業務をしたいと思い、アデコに入社しキャリアコーチとなる。決して急かさず相手の気持ちに寄り添うようにしている。

アデコが大事にしていること
―― アデコは、派遣社員の皆さま一人ひとりが「キャリアビジョン」を描けるようにサポートし、その方のライフプランの一部にある「将来どんな仕事をしたいか」を明確にイメージできるよう、伴走しています。そういったかかわりを築くうえで意識していることはありますか?
佐々木:
キャリアコーチをやっているなかで感じることは、最初から明確なキャリアビジョンを持っている方は少ないということです。多くの方は、変化が激しい時代のなかで、目の前の生活に向き合っていらっしゃるので、キャリアビジョンをご自身のなかで思い描くのは難しいものかと思います。それでも、それぞれに、「こうなっていきたいな」という、ぼんやりとした想いはお持ちです。お話させていただくことで、「自分はこうなってみたかったんだ」と気づいていただけるので、皆さまの気づきにつながっていくことにやりがいを感じ、日々接しています。
原:
アデコでお仕事を探している方の多くは、お仕事を「継続していきたい」という想いを持っていらっしゃいます。一方で、キャリアビジョンについては、すぐに思いつかないという方も少なくありません。だからといって私は、結論を急がせることはしないように気をつけています。お仕事を続けていく過程で、3カ月後や半年後、1年後にキャリアビジョンを描けるようになる方も多くいらっしゃるからです。お仕事探しやご就業をサポートしていくなかで、やりたいことが見つかったら、そのときを起点に、目標に向けてどのように動いていけると良いかを一緒に考えていくことを心がけています。
佐々木:
素直に聴くことがキャリアコーチの仕事かもしれませんね。皆さまの気持ちは一人ひとり異なりますので、まずは聴いてみなければ分からないですし、そのとき出た言葉のなかにキャリアビジョンを描くためのきっかけとなる言葉があると思っています。
原:
私もお話をじっくり聴くところから始めています。着任のタイミングでお話を聴き、例えばお仕事が始まって3カ月過ぎたところで、改めて近い将来についてお聴きするようにしています。
佐々木:
キャリアコーチは、ご就業中の皆さまのフォローを行っています。お仕事をするうえで大変なことについても聴く役割です。でも、キャリアコーチの役割はそこに留まってはいけないと思っています。その会社で長くご就業いただくだけでなく、その方の人生にとってベストな選択を一緒に考える必要があるからです。現状の悩みから一歩踏み出して、一人ひとりが主体的にアクションを起こせるように促していくことを意識しています。
聴くこと、感じることが次の行動につながる
―― アデコでは、派遣開始前、終了後などにサービスを利用した体験を振り返っていただき「(ご友人や知人に)アデコをお勧めできますか?」と聞くアンケートを実施しています。一般的な言葉では「NPS®(ネット・プロモーター・スコア®)」といわれており、お勧めできるかを11段階(0~10のスコア)で回答していただくと同時にフリーコメントの記入もできます。どういった活用の仕方をしているのでしょうか?
佐々木:
対面でご自身の気持ちを伝えにくい方でも、NPS®アンケートではコメントを書いてくださることがあります。こちらからは同じサービス、同じ支援を提供している一方で、喜んでくださる方もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。低いスコアをいただくこともありますが、アデコのサービス内容に対して無関心であれば、回答そのものをしていただけないと思います。スコアは低くても、アデコに期待していただいているからこそ回答していただけると思いますし、その方に寄り添った対応をすることが大切で、その声を聴けるということが私たちにとって大切です。
原:
キャリアコーチに対して、直接は思っていることを言いづらい方もいらっしゃいます。そうした方がNPS®アンケートのコメントに書いてくださったら、それだけでありがたいことだと私は思っています。厳しいことでも、感謝の気持ちを持って読ませていただいています。
気持ちをうかがうことで、もっと寄り添える
―― 一人ひとりとのきめ細やかなコミュニケーションを繰り返すなかで、NPS®アンケートという機会を通じて、キャリアコーチとしての考え方が変わった経験はありますか?
原:
皆さまとのさまざまなコミュニケーションのなかで素直に嬉しかったことは、「キャリアコーチがいたから頑張れました」といったコメントです。やはりポジティブな言葉を伝えていただくのは本当に嬉しいです。私たちもこれで良いのかなと迷うこともありますので、ポジティブなコメントは励みになります。
NPS®のスコアは、私たちが良いサービスを提供できていると思っただけでは上がりません。私が経験したケースをご紹介します。製造業務で現場作業を担当していた方なのですが、手首に痛みを感じるようになり、業務継続が難しくなったのです。ところが、派遣先の企業では評価が高く、営業担当者と相談して、同じ企業で体に負担のない別の業務で就業を継続することができました。企業さまにとってもその方にとっても、双方にプラスになる未来を描けたのです。その後のNPS®アンケートには「一人ひとりに向き合ってくれるキャリアコーチや営業担当者がいる」と、とても嬉しいコメントをいただき、今も印象に残っています。
佐々木:
私は西日本エリアの担当なのですが、NPS®アンケートに、「拠点が少なく、対面ですぐに対応してくれない」というコメントがあり、低いNPS®のスコアをいただいたことがありました。
そこで早速、その方に何ができるだろうかと考えました。遠距離のため対面でお話しできなかったので、まず初めに行ったことは、メールではなくあえて電話をかけることでした。結果として、コミュニケーション量だけでなく、話していただく内容についても幅が広がりました。
そして、比較的高齢の方でしたので、60歳を超えてからの5年後、10年後にどうしたいかというキャリアビジョンについても話題にすることができる土壌ができました。定年で終わりではなく、その先を考えたコミュニケーションです。そうしているうちに、何を話しても良いと感じていただけたようで、仕事とは関係ない話もするようになり、連絡も密になりました。結果として、NPS®アンケートでも高いスコアをいただけました。
原:
関係性が熟成していく体験は励みになりますよね。私もとっておきの経験があります。コロナ禍で新しい仕事に着任した方が、次の仕事として選んだのが、アデコのキャリアコーチへの転身だったのです。私がキャリアコーチとしてお話をさせていただいたことについて「あのとき、じっくり聴いてくれたことで、自分の気持ちを整理できました。キャリアコーチとして同じ体験を提供したくて新しい一歩を踏み出したいと思います」とご連絡をもらったときは、本当に良かったと思いました。これがアデコに入社して以来一番嬉しかったことですね。
- 注:ネット・プロモーター、ネット・プロモーター・システム、ネット・プロモーター・スコア、NPS、そしてNPS関連で使用されている顔文字は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、NICE Systems, Inc.の登録商標又はサービスマークです。
NPS®におけるアデコの取り組みや想い
登録いただいている皆さまに寄り添い、声を聴き、声を生かす
新規登録からお仕事紹介に至るまでのフローにおいて、アデコではどのような思いで皆さまの声に向き合い、サービス向上に向けて取り組んでいるのかについて、ご紹介します。