新卒採用と異なり中途採用の場合、人材に期待するのは即戦力です。しかし、即戦力となる人材は市場価値が高く、採用には大変な労力とコストがかかります。現場からも求められる即戦力となるような優れた人材は、どのように採用すれば効率が良いのか、即戦力採用のポイントを具体的に一つずつ検証し、解説していきます。
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即戦力とは?企業が求めるようになった時代背景
即戦力とは
業務に対する専門知識や技術、経験を持ち、入社後すぐに現場で能力を発揮することができる人材を即戦力と呼びます。働く上での人間力が高く、教育をあまり必要とせず、就労後すぐに企業に良い影響をもたらしてくれる人材を求め、各企業は昨今、即戦力採用に力を入れています。
企業が即戦力を求めるようになった時代背景
新人の育成コスト圧縮と事業成長のために即戦力を求めて中途採用を積極化しました。世間の転職に対する意識が変わっていき、新卒入社した会社に終身雇用される時代から、転職を経てキャリアアップ、キャリアチェンジするという考え方が広がりました。
企業の中途採用に対する考え方も変化し、単なる人員補充から即戦力人材を採用して企業力を上げようと考えるようになり、一段と転職市場が活性化しました。
現在もその傾向は強まり、ビジネスモデルの短命化や他企業との競争の激化もあいまって、即戦力人材の採用により力を入れるようになっています。
即戦力として活躍してくれる人材を見抜くポイント
即戦力となる人材を採用段階で見抜くポイントはいくつかあります。
大きく分けると、本人の持つスキルそのものと、人柄や考え方のような人間力で判断する必要があります。
必要とされているスキル・能力・経歴を持っている
履歴書やスキルシート、ポートフォリオの確認だけでなく、現場担当者レベルでの面接なども行い、現場の目線でもすぐに活躍してもらえる能力があるかどうかをしっかりと確認します。採用担当者だけの場合、現場で必要な能力がどのようなものかを把握しきれていないことがあるためです。
社風を理解する努力をするか
優秀な人材でも、社風と合わずに能力を発揮できないことがあります。実際の社風は、企業側が説明したとしても正確には伝えきれない部分があります。そういった部分を含めて理解する努力をしてくれるか、きちんと人柄を見極める必要があります。
前職でのやり方にこだわらないか
入社後、今の現場のやり方に合わせて、自分の能力やスキルを発揮してくれるかも大切なポイントです。技術面では優秀な人材でも、前職でのやり方にこだわるあまり現場で摩擦を起こしてしまうようでは、即戦力人材とはいえません。
好奇心が旺盛か
好奇心が旺盛な人材は最新の情報に敏感で、スキルをアップデートし続ける傾向にあります。そのため、入社後も第一線のスキルを維持し続けることが可能で、長く活躍してくれる期待が持てます。
即戦力が活躍するために企業側が行うべきこと
即戦力となる人材を採用するためには、企業側にもしっかりと準備しておくべきポイントがあります。優秀な人材にはオファーも集まるため、採用する側が人材を選ぶという意識を改め、人材に選んでもらうという考えで綿密な採用準備をしましょう。
事前の準備が重要
求める人物像を具体的にイメージしておきましょう。最優先にするべき項目と、可能であれば必要な要素の2つをきちんと切り分け、現場が必要としている人材の要件を定義し、共有します。
それをもとに、現場担当者を交えて即戦力かどうかを判断するための質問事項を用意し、社内で検討、ブラッシュアップします。即戦力に求める期待感が過大にならないよう、現実的な人物像に落とし込み、書類選考から面接、最終選考までのプロセスをダブルチェックする体制を作っておきましょう。
採用後のフォローも大切
即戦力採用は、採用に成功してからが本番といえます。 せっかく採用した優秀な人材を即戦力として活かすには、採用後のプロセスとフォローが大切です。「即戦力なんだから言われなくてもわかるだろう」といきなり仕事を丸投げしたり、組織風土や仕事手順について共通認識を持たないまま放置してしまうと、精神的に消耗してしまったり、周囲との摩擦を招き、即戦力として力を発揮できなくなってしまう可能性があります。
即戦力といっても入社してからすぐに全力で活躍できないと考え、3カ月後、半年後といったスパンで能力を最大限発揮し、定着してくれるイメージを社内で共有しておくことが大切です。
即戦力採用はなかなか難しい場合が多いことも…
さまざまなメリットを持つ即戦力の採用は、多くの企業で積極的に進められています。一方で、即戦力採用はなかなか難しい側面もあります。その原因はいくつかありますが、ここでは企業カルチャーや環境作りといった点について取り上げます。
求めるスキルを満たしている人材でも企業カルチャーに馴染みにくく、すぐに即戦力となりにくい
優れた人材でもすぐに馴染めるとは限りません。特に企業カルチャーは入社して初めて気づく部分が多くあります。馴染めずにいることを周囲が放置してしまうと、即戦力といえども能力を発揮することは難しいでしょう。現場に定着し、スムーズに仕事ができるようになるにはフォローと同時に時間が必要であることを認識する必要があります。
採用した人材の能力を発揮できるような環境作りに時間がかかってしまう
採用した人材が能力を発揮するためには、さまざまな環境作りが大切です。作業環境はもちろん、周囲との良好な人間関係の形成や、上司との信頼関係の構築は一朝一夕にはできません。 周囲は人となりを理解して受け入れる準備が必要です、また採用された側も環境に慣れるまでは、能力を発揮できないと考える必要もあります。即戦力なのにすぐに期待通りの実力を発揮してくれないというプレッシャーは、本人にも周囲にも悪影響を及ぼしますので特に注意が必要です。
まったく新しい環境に入ったとき、すぐにパフォーマンスを発揮できるとは限らないことを採用企業はしっかり意識しておかないと、せっかく採用した優秀な人材に思うように活躍してもらえず、結局は退職してしまうことになりかねません。
求めるスキルがマッチした人材の採用が難しいとき、即戦力を求めて派遣社員を活用する企業も
昨今では即戦力を求めて派遣社員を活用する企業も増加しています。その背景には、即戦力として活躍できる人物かどうかを見極めて正社員を採用することが難しいという事情があります 専門的な知識や技術を持った人材が、即戦力として就労後すぐに活躍するだけでなく、業務量の変化に柔軟に対応できるという点も派遣社員を活用するメリットといえるでしょう。
また、紹介予定派遣サービスを活用すれば、そういった専門的な即戦力人材をまずは派遣社員として採用し、数ヶ月かけて実力や人柄を見極めた上で正社員として採用できるため、即戦力人材の採用方法の一つとして、活用する企業も増加しています。
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Adeccoの人材派遣サービスは、幅広い分野で能力、知識、経験を持つ登録者から、人材ニーズに基づき即戦力となる派遣社員をご紹介します。一般的なオフィスワークだけでなく、バックオフィス業務や金融関連、IT・エンジニア、製造、医療分野など、幅広い分野で非常に多岐にわたる業種、職種に対応できる人材を保有しているため、最適な人材を迅速にご紹介することが可能です。
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自社の採用方法を見直して柔軟な人事戦略を!
即戦力の採用は成功すれば企業にとって大きな人的資産になりますが、一方で採用にかかるコストや受け入れ態勢の準備に時間がかかることがネックでもあります。 すぐに必要な人材を活用したい場合は、通常の正社員採用だけでなく、派遣社員の活用を検討するのも有効な手段です。現場を支えて欲しいという企業の需要に対し、即戦力を必要なとき必要なだけ確保することができて、柔軟な人事戦略が可能となります。
一度今までの採用を見直してみて、自社にあった効率的な即戦力の採用を進めていきましょう。
Adeccoでは、上記のような人事ノウハウをわかりやすくまとめ、定期的に更新しております。
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