テレワークにより、生産性があったという声もあれば、下がったという声もあります。
効率よく業務を行うために必要となる、テレワークならではのスキルをご紹介します。
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テレワークスキルとは何か?何故必要なのか?
そもそも何故「テレワークスキル」が必要なのか?
それを考えるには、「テレワークと出社の違い」を考えてみるといいかもしれません。
テレワークと出社の大きな違いは何か?
主には「”目と耳からの情報”の“量と質”が変化する」ことが挙げられます。
出社すると自然に“目と耳”に入ってくる同僚や上司の会話や仕事状況、
同様にあなたの状況も周囲に伝わりやすいと思います。
テレワークで出社と同じように業務を進めると、表情や状況が見えない分、認識のGAPが生まれる可能性があります。
“お互いの状況がわかっていない状態”で、いきなりコミュニケーションが発生することになり、
状況によっては“お互いの状況把握の為の時間”が多くかかる、“ベストなタイミング”でのコミュニケーションにならない、など。
テレワークスキルとは「自分の考え・状況」や「業務進捗」等をできるだけ相手に負担の少ない形で共有し合うことで、 お互いの業務効率を上げ、その結果、チーム全体の生産性を上げていくスキルと定義できるのかもしれません。
発展編
集中力を持続させるには?
基本編1情報共有スキル
出社時は、“なんとなくわかっていたこと”をテキスト・ルール化することが有効
Point自分の業務状況を発信して、テレワークの“お互いの状況がわかりにくい”を解消しましょう
- 業務開始・終了時にチャット等で報告することをルール化する
- 朝一に当日の業務スケジュールを立て、関係者へシェア。夕刻には進捗報告をする。(チャット・メール等で簡単に)
進捗報告時に、業務の不明点・ちょっとした相談をすることも有効です。 - チーム作業の場合、グループチャット等で進捗報告する。(誰がボール持ちかもわかりやすい)
- 自身のMTG予定や業務予定は共有スケジュール表に入力し、関係者へシェアする。
実施しないと…
- お互いの業務状況がわからず、緊密な連携がしにくい
- チーム作業の場合、ボールがどこあるかわかりにくい
上司・マネージャーの視点から
- メンバーの勤怠や業務状況を把握したい
- チーム作業の進捗状況を把握したい
基本編2連絡手段を使い分けるスキル
目的にあった連絡手段を使いましょう、連絡手段を併用することも有効です
電話、WEB会議など
○:議論しやすい、細かいニュアンスが伝わる
×:お互いが一定の時間を拘束される
メール、チャットなど
○:自分のタイミングで対応可能、対応に準備時間がある
×:タイミングが相手任せなので進行管理が難しい
Pointどのように連絡すると相手が仕事しやすいか?連絡手段の使い分けは相手への思いやり
- 共有/報告のような情報伝達が主の場合は、メール/チャットで行いましょう(相手がメモを取らなくてよい&聞き間違いがない)
- 電話する場合は、先にチャットで「〇〇のことでお話したい。●時に電話可能ですか?」と頭出しするのも有効(相手が準備できる)
- 時には雑談ベースの相談も。報連相は大事ですが、 “雑相”も有効です。雑談から、いいアイデアが生まれることもあります
実施しないと…
- 不必要な電話の行き違いが発生するかも…
- いきなり電話だと状況理解に時間がかかるかも…
上司・マネージャーの視点から
- 会議が多いので、テキスト連絡はありがたい
- 気軽に相談ができる環境にしたい
基本編3自発的に質問を行うスキル
誰も察してくれない状況では、自ら質問することが大切
Point自分から質問する癖をつけましょう、”あなたが困っていること“を”周囲がわからない“のがテレワーク
- 業務指示を受けた際は、早いタイミングで”疑問点”“納期””成果物イメージ“を確認しておくと、その後がスムーズです。
「わかりません」「どうすればいいですか?」よりも、「こういう理解でいいでしょうか?」と”自分の理解”を伝える聞き方がベターです。
全体像が見えないときは“業務の目的”を確認するようにすれば、その業務の方向性がわかり理解が深まります。 - 自分で調べてわからないことは、チャットなどで周囲に相談しましょう。早め早めがベターです
- 1日の業務終わりに”その日にわからなかったこと”を洗い出し、その日のうちに周囲へ確認する癖をつけるのも有効です
実施しないと…
- 気づいたら仕事(周り)から取り残される
- 思い込みで進めてしまい修正が増える
上司・マネージャーの視点から
- 理解度を知り、的確な指示をしたい
- 声をあげてくれたら、フォローしやすい
基本編4自分のレスポンス速度をあげるスキル
メールやチャットは小まめに確認し、できるだけ即レスを意識しましょう
Pointできる限り”仕事の流れを止めない”ことを意識しましょう、スピードは信頼にも繋がります
- 何でも即レスの必要はありません。まずは“自分が返信しなければ仕事の流れが止まるのか”を考えましょう。
- 2分以内で完了できそうな業務”を受けた際は、即実行するのも効果的です。
※時間効率は、「すぐやる」>「タスク化する→タスク確認する→実行する」のことが多いです。 - 対応に時間がかかる事案は「受領しました。ご依頼の内容は〇日までにお送りします。」と、まず一次返信するのが有効です。
- いつでも即レスはできない。そんな時は“自分のWEBステータス”を取り込み中にする等しておければベターです。
実施しないと…
- 自分のところで仕事をとめてしまう
- 小さいタスクが溜まりすぎてしまう
上司・マネージャーの視点から
- “確認できているか”がわかり安心
- できる限り仕事を速くまわしたい
基本編5相手のレスポンス速度をあげるスキル
相手も返信しやすいような文面を心がけましょう
Pointそのメールはあなたなら、すぐに返信できそうですか?ちょっとした気遣いが大切です
質問は、相手も返信しやすいような文面(=見やすい文面)を心がけましょう。
- 返信しやすい文面=「YES/NOで答えられる」「選択肢から返答できる」など
- 見やすい文面=改行や余白を多用して内容ごとに文章の塊にする、箇条書き、文章は横にではなく縦に長く(特に相手がスマホの場合)
OK例
来週にMTGをお願いします。
▼候補は下記の通りです
・9/10 11:00~/16:00~
・9/11 14:00~
NG例
来週にMTGをお願いしたいのですが、
ご都合のいい日時があれば教えてください。
実施しないと…
- 返信がもらえず自分の仕事に支障がでることも
- やりとりが複数回になってしまい非効率になる
上司・マネージャーの視点から
- 忙しいので、すぐ返信できる形式で助かる
- スマホでも見やすい文面でありがたい
基本編6WEB会議ツールスキル
Zoom、Microsoft TeamsなどのWEB会議ツールの操作スキルをマスターしましょう
Point会議メンバーのWEB会議ツール習熟度があがると、WEB会議の時間効率があがります
- 会議のスケジュール設定、参加方法、ミュートON/OFFなどの基本的な操作は確実に習得しましょう。
- 会議中の画面チャット、画面共有などもマスターしておけば、いざというときに役立ちます。
- 会議中はメンバーのチャット書き込みや、“挙手機能”にも注意を払い、ファシリテーターのサポートができればベターです。
まずは、会議前に親しいメンバーと練習して一通りの動作確認すると安心できます。
動画ONで会議をする際はバーチャル背景等の機能を活用するのも有効です
実施しないと…
- WEB会議が不安になる、ついていけなくなる
- 急な対応(チャット返信・画面共有など)ができない
上司・マネージャーの視点から
- 会議は時間に限りがあるのでスムーズに行いたい
- 急な画面共有依頼にも対応してもらえてありがたい
- ZoomおよびZoom(ロゴ)は、Zoom Video Communications, Inc.の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
- マイクロソフト製品の名称および製品名は、米国 Microsoft Corporation の、米国およびその他の国における商標または登録商標です。
発展編1脳内情報をテキスト化するスキル
テキストコミュニケーションが増えるため、考えていることを端的に文章化することが重要です
Pointそのメールで“何が言いたいか?”(=結論)は、自分自身で整理できていますか?
- できる限り、「結論(要求)」→「理由・経緯」の順で書くと相手も読みやすい。数字や箇条書きを用いるのも有効です。
- 質問(要求)をする場合は、「何故その質問(要求)をしたか」の背景も書くと、相手も的確な回答をしやすくなります。
- 作成したテキストを相手目線で読んでみて、“相手側の質問”が少なくなるように心がけると、チャットのラリー回数が減り効率的です。
OK例
本日納期のタスクは、順調に完了見込みです。
・残案件は1件(優先度:低の案件)
・残案件は締切1時間前には完了予定
NG例
優先度が高い案件から進めており、まだすべて完了してませんが、締め切りまでに終わらせます。
今日完了させるタスクは順調に進んでいます。
実施しないと…
- 想定外の伝わり方をしてやりとりが増える
- “こちらの意図と異なる回答”が返ってきてしまう
上司・マネージャーの視点から
- 忙しいことも多いので“わかりやすい報告”が欲しい
- 質問(要求)の意図がわかると回答しやすい
発展編2可視化資料作成のスキル
可視化資料を作成することで、伝わりやすさや相手の理解度がアップします
Point可視化して共有することで”周囲との認識のズレ”が減り、GOALへの最短距離を進めます
テキストのみでは伝えづらい内容の場合、図・グラフ等をいれた簡単なPP資料1枚などを作成すると、一目でわかるようになり有効です。
※あくまでイメージの共有が目的ですので、粗々の資料でOKです。
OK例
資料は下記の構成イメージでよいでしょうか。
NG例
下記のような資料作成でよいでしょうか。
左上からタイトル・説明の順番に記入していき、情報に基づいたグラフを挿入します。
実施しないと…
- 成果物完成時まで認識GAPに気づけない
- 意思疎通の為のやりとりが長くなってしまう
上司・マネージャーの視点から
- メンバーとの認識GAPを減らしたい
- 成果物のイメージを理解しておきたい
テレワークで集中力を持続させるには?
よくあげられるテレワーク環境での課題
以下のような課題がよく聞かれます。
- 仕事のオンオフが切り替えにくい
- オフィスのように集中できない
- 長時間の作業で肩こりや腰痛が悪化する
どのように解決すればいいのか?
そもそもオフィスは、初めから仕事をするための場所なので、設備面ではストレスなく仕事ができます。
それに対し、自宅は仕事に最適化された場所ではないので、在宅勤務を開始するとストレスを感じる場合もあります。
また、今までは何気なくしていた”出勤”というルーティン(いつもの電車に乗り、いつもの駅で降り、会社で同僚に挨拶をする)が、
仕事モードに切り替えるスイッチになっている場合もあります。
在宅勤務で集中できないのは、”在宅” が問題ではなく、”新しいルーティン”を作れていないことが問題なのかもしれません
そのため、最適化要素の1つ(デスク&チェア)を工夫する、仕事に集中できる環境づくりが必要になってきます。
仕事のオンオフを切り替える
テレワーク用の新たなルーティンをを決め、脳の切り替えを促進しましょう
Point在宅勤務は、出社時よりもオンオフをはっきり区別するのが効果的です
- 部屋まで用意しなくても、仕事専用のスペース”定位置”を決めておく。
- 仕事を始める前に着替える、軽くメイクをする。
- 仕事開始前に数分でも外に出て朝日を浴びる。
- 昼休みはPC前から離れて休憩をとる。(天気が良ければ外に出て日光を浴びるのも有効)
- 作業を始める時、終了して休憩に入る時のルーティンを決めるとメリハリがつくのでおすすめです。
また、終業後・休日はオンオフを区別する為に”PCを片付ける”などでメリハリをつけて、 しっかり休みをとることもテレワークを安定させる重要な要素です。
集中できる環境をつくる
環境の整備と、集中とリラックスのメリハリが大切です
Point働きやすい環境とルーティンを作り上げていくことで、テレワークでも集中力を維持できます
- 定期的に換気をして、室内の二酸化炭素濃度を低くする。
- テレビ、スマホなどが視界に入らないようにする。
- 音で切り替える。(耳栓、集中できる音楽、オフィスのような雑音を聴くのも有効)
- 1時間に1回は手を止める。(トイレに行く、お茶を入れる、ストレッチなど立ち上がることを意識)
- 不規則な生活になると集中力も低下するので、睡眠を7~8時間きちんととることも心がけましょう。
同居人がいる場合
会議スケジュールを共有し、その時間は邪魔しないようにするなど、お互いがストレスなく働けるようにしましょう。
ポモドーロ・テクニック
「25分集中+5分休憩」の繰り返しが、仕事の生産性をあげると言われています。
25分は何も考えず1つのことだけに集中するというやり方です。
弊社では、上記のような人事ノウハウをわかりやすくまとめ、定期的に更新しております。
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