少子高齢化による労働人口の減少など、社会環境の変化に対応した業務改善に迫られる企業が増えるなかで「事務のアウトソーシング」が注目されています。
直接利益に結びつかない事務業務の工数削減は、多くの企業が抱える経営課題のひとつです。事務のアウトソーシングは、人材不足や業務改善に対して有効な解決策のひとつになり得るサービスとして注目されています。
本記事では、事務のアウトソーシングの概要や対応可能な業務、活用するメリットなどを解説します。
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事務のアウトソーシングとは
「事務のアウトソーシング」とは、事務業務の全てもしくは一部を外部企業に委託することです。
昨今の日本社会では、少子高齢化による労働人口減少が大きな社会問題となっており、多くの企業が人材確保に苦慮しています。
事務のアウトソーシング導入により、不足する人材リソースを補うほか、生産性向上を図る目的でも活用する企業が増えています。
事務のアウトソーシングが可能な業務
事務業務は幅が広くさまざまな職種が存在しますが、どういった事務職がアウトソーシングに適しているでしょうか。
バックオフィス業務などのノンコア業務
アウトソーシングが可能な主な業務として、バックオフィス業務などのノンコア業務があげられます。
バックオフィス業務とは、人事や経理、総務など顧客対応のない業務をさします。バックオフィス業務は事業運営を行う上で必要な業務ですが、売上や利益を創出する業務ではなく、利益に直接結びつかないノンコア業務に該当します。
反対に、営業職など企業を代表して顧客と接するフロント業務は、顧客対応を通じて売上と利益を創出するコア業務に分類されます。
生産性を向上させるには、多くの人材をコア業務に従事させる必要があるため、バックオフィス業務などのノンコア業務は、アウトソーシングを活用して外部企業の人材に一任すると良いでしょう。
具体的なバックオフィス業務には以下の職種が該当します。
購買事務
購買事務は、企業の仕入れ業務を担当する購買部に所属する事務職です。主な業務は、発注業務や仕入れた物品の検収、請求書や納品書等のファイリングなどがあります。
営業事務
営業事務は、営業部門に所属する事務職で営業担当のサポート業務や部門内の事務処理などを行います。
一般事務、庶務
データ入力や書類作成など事務処理全般を行う一般事務や庶務も事務のアウトソーシングが可能な業務です。
総務、人事、採用
人事部門や総務部門に所属する事務職で、人事管理や福利厚生の管理、新卒採用や中途採用の対応などを行います。
秘書
企業や団体の役員や社長などの幹部が、職務に専念できるよう補佐する職種です。
会計経理
経理部や財務部に所属する事務職で、会社全体の会計処理や経理業務を行います。
マニュアル化しやすい業務
アウトソーシングが可能な業務の特徴に「マニュアル化しやすい業務」もあげられます。
専門性の高い業務は、アウトソーシングした場合に教育や研修に時間がかかるため、実際の業務開始までに時間が掛かりますが、ヘルプセンターやコールセンターなどのマニュアル化しやすい業務は、少ない研修期間でも高い業務品質が期待できるためアウトソーシングに向いているでしょう。
事務のアウトソーシングを活用するメリット
事務のアウトソーシングは、人材不足や生産性の改善などの経営課題に取り組む企業が多く導入しているとわかりましたが、活用するメリットはどういったものがあるか解説します。
コア業務への注力による生産性改善
事務のアウトソーシングを活用するメリットのひとつは「生産性改善」の効果です。
事業運営に関わる業務のなかで、利益に直結するコア業務により多くの人材を従事させ、利益に直結しないノンコア業務への負担軽減が生産性改善には必要です。
事務のアウトソーシングを活用し、ノンコア業務の負担を外部企業からの人材支援で賄い、貴重な社内人材のコア業務への注力が可能です。
定型業務の工数削減による業務効率化
取引先や顧客とのメールや電話対応など、ノンコア業務に費やしている作業工数を削減できると業務効率化に繋がります。
事務のアウトソーシングを活用し、業務効率上の課題となっている定型業務の負担を削減し、業務効率化が実現できます。
コスト削減
事務のアウトソーシングを活用するメリットのひとつとして「コスト削減」の効果もあげられます。
自社採用の社員には、採用費や教育費、社会保険料の企業負担など、さまざまな人件費が発生しますが、アウトソーシングを活用すると、人件費を削減できる場合があります。
アデコのアウトソーシング
アデコでは、企業の課題に対応したさまざまなアウトソーシングサービスを提供しています。事務業務のアウトソーシングにも対応しており、現状の課題分析から課題解決提案までワンストップで対応可能です。
事務のアウトソーシングを利用する際の注意点
事務のアウトソーシングは、業務改善や生産性向上などの効果が期待できますが、注意点も存在します。
アウトーシングの活用により、業務を外部人材に委託すると社員の業務機会が削減され「社員のスキルアップ」に影響が出るケースがあります。社員育成などの観点も踏まえて、委託する業務内容や範囲の検討が必要です。
また、経理や人事など社内の機密情報に触れる機会がある職種を外部委託する場合は、個人情報などの機密情報の漏えいリスクが高くなるため、情報管理に注意しましょう。
事務のアウトソーシングの依頼先の選び方
事務のアウトソーシングを活用する際は、自社の現状分析を行い、課題や問題点の整理からはじめましょう。
現状分析の結果、明確となった自社の課題を解決するために、どういった人材戦略が必要かを判断し、アウトソーシングを利用する目的や対象範囲などを決定します。
そして、以下のポイントをおさえて依頼先企業を検討すると良いでしょう。
委託先企業の得意分野や過去の実績
アウトソーシングを依頼する企業を選ぶ際に重視するポイントに「得意分野と過去の実績」があります。
自社の課題に対して最適な企業を選ぶためにも、過去の実績や提供しているサービス内容などを判断基準にして企業を選びます。
アウトソーシングに向けた提案内容
候補企業を複数選定した段階で、各社からアウトソーシングに関する具体的な提案を受けましょう。
提案を受けるなかで、候補企業の自社課題に対する理解度や、解決の可能性などを検討します。
また、提案までのやり取りから担当者との相性やレスポンス速度など、アウトソーシングの利用開始後にも関係する企業間でのコミュニケーションに問題がないかなども実際の対応を見て判断します。
人材やサービスの品質
アウトソーシング事業を提供する企業が確保している人材や提供するサービスの質も重要な判断材料です。
人材ごとに経験やスキルにばらつきがあると、アウトソーシングで得られる成果にもムラがでます。
人材のレベルや提供されるサービスの品質維持に向けた取り組みなどをしているか、ホームページや担当者への確認などから情報収集し、判断材料にしましょう。
まとめ
事務のアウトソーシングは、少子高齢化による労働人口減少が社会問題となっている日本社会で業務効率化や生産性改善を実現する課題解決策のひとつとして、多くの企業が注目し、活用している人材サービスです。
事務のアウトソーシングは、利益に直結しないノンコア業務や、マニュアル化がしやすい業務との相性が良く、主に対象となる業務には、営業事務、一般事務、人事総務、会計経理など多岐に渡ります。
事務のアウトソーシングを活用するメリットには、ノンコア業務の外部委託によるコア業務への注力による生産性改善や業務効率化があげられます。さらに、自社社員の雇用で必要となる採用費や教育費、社会保険料の企業負担などが不要となる点からコスト削減効果も期待できます。
アデコでは、事務業務のアウトソーシングに対応しており、現状の課題分析からサポートし、課題解決に向けたアウトソーシングの提案とサービス提供を行っています。
人材不足や業務効率、生産性などの経営課題の改善を検討されている企業担当者様は、下記のサイトからアデコが提供するアウトソーシングサービスの内容を確認し、参考にしてください。
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