業務委託を活用するメリットとは?
業務委託に適した業務や注意点を解説

「業務委託」は、雇用契約を締結せずに企業が作業者に業務を依頼する方法です。

昨今の日本社会では、慢性化する労働力不足や働き方の多様化など、対応すべき社会課題や急速な社会変化を背景に、業務委託を活用する企業が増えています。多くの企業が実際に導入し、今後の導入を検討する企業が増えている業務委託を活用するメリットとは何でしょうか。

本記事では、業務委託を活用するメリットと業務委託に適した業務、業務委託の注意点などを解説します。

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業務委託とは

業務委託とは、成果物や役務に対して報酬を支払う仕組みの契約です。

業務委託は一般的な呼称で、民法では「請負」「委任」「準委任」3つに分類されており、業務委託の呼称と考え方は3つの総称として一般的に使用されています。

請負

「請負」は、発注者から作業者に業務遂行を依頼し、依頼された作業が完了し、成果に対して報酬が支払われる仕組みです。

参考・出典:国土交通省「請負契約とその規律」

委任

「委任」は、依頼業務の成果ではなく、業務の実施に対して報酬が支払われる仕組みです。

法律行為が行われる場合の契約形態で、具体的には、弁護士や税理士への業務依頼する場合に用います。

参考・出典:民法 第六百四十三条

準委任

「準委任」は、委任と同様に業務の成果ではなく、業務の実施に対して報酬が支払われる仕組みのなかで法律行為ではない業務に対する契約形態です。

参考・出典:国土交通省「請負契約とその規律」

業務委託が注目される理由

業務委託が注目され、活用する企業が増えてきている背景には「人材不足」と「働き方の多様化」などの社会問題や社会の変化が存在しています。

少子高齢化に伴う労働人口の減少により、多くの企業が人材不足に直面しています。不足する人材を補うために、業務効率化や生産性向上に取り組む企業が増えてきており、業務委託の活用が増えました。

一方で、労働者の観点からも働き方が多様化しており、フリーランスや副業として業務委託形式で仕事を行う労働者が増えています。

企業が業務委託するメリット

業務委託を活用する主なメリットには、以下があげられます。

人材不足に対応できる

先述したとおり、昨今の日本では、深刻な少子高齢化が社会問題となっています。労働人口が減少するなかでの人材確保が困難なため、正社員採用以外の人材確保の手段を広げた人材確保が求められます。

業務委託を活用する場合、フリーランスや副業人材を活用できるため、自社の人員に限らず、さまざま人材に業務を依頼できる点がメリットです。

業務効率化が期待できる

少子高齢化に伴う労働人口の減少により、人材確保が難しくなるなか、限られた人材リソースを有効活用するためには業務効率化が避けられません。

社員の業務効率を悪化させている雑務や定型業務を業務委託へ移管すると業務効率の改善が期待できます。

生産性向上が見込める

人材不足のなかで、より高い成果の創出を目指す場合には、社員個々の生産性をアップさせなければなりません。

事業活動のなかで発生する業務は、営業活動に利益に結びついた「コア業務」と経理や人事など事業運営に欠かせない業務でも利益には直結しない「ノンコア業務」の2つに分類できます。

業務委託を活用し、より多くの社員や作業工数をコア業務に注力させ、ノンコア業務に関しては外部企業に委託ができると生産性の改善にも繋がります。

特定時期のみ人材を活用できる

雇用関係を結ばない業務委託の場合、社員を直接雇用する場合に比べて、繁忙期などの季節的な業務量変動への対応が可能です。

専門性の高い人材が確保できる

業務を細分化し、高い専門性が必要となる一部業務を切り出すと、特定の業務に対する専門性の高い人材を低コストで活用できる点も業務委託を利用するメリットです。

アデコのアウトソーシング

アデコでは、業務委託の方法として外部企業に業務全体もしくは一部業務を委託するアウトソーシングサービスを提供しています。

アデコのアウトソーシングサービスでは「事務全般」「コールセンター」「営業代行」「BPO」など企業課題にあわせてさまざまなタイプのアウトソーシングに対応が可能です。

経営課題の改善に、業務委託を検討されている企業担当者様は以下のリンクよりアデコのアウトソーシングサービスの内容をご参照ください。

企業が業務委託する際の注意点

では、実際に企業が業務委託する際に注意しなければならない点を紹介します。

委託する内容と範囲を明確にする

業務上の問題点や課題、委託する内容や範囲を明確にした上で業務委託の導入を検討しましょう。

業務委託を活用する目的や対象業務を明確にせず業務委託を導入しても、費用対効果などの効果測定が難しく、成果に結びつきません。

業務委託では、契約業務外の内容は一切依頼できません。実質的に、自社の社員と変わらない勤務実態がある場合は偽装請負とみなされる恐れがあるため、委託する業務の内容は明確にする必要があります。

場合によっては、業務の棚卸や仕分けも必要になるでしょう。

業務の質が低下する可能性がある

業務委託には、適した業務と適さない業務があり、委託する業務次第では業務の質の低下を招くリスクに注意が必要です。

業務委託には、マニュアル化しやすい業務や定型業務、ノンコア業務などが適しており、反対に、専門性の高い業務や非定型でマニュアル化が難しい業務は適していません。

業務委託先を慎重に選定する

業務委託先には個人、法人のケースがあり、委託先の選定する際には過去の実績を確認し、専門領域や得意分野、業務遅延などがないかなどの判断基準からしっかりと選定しましょう。

企業で業務委託に向いている業務

業務委託の方法には、業務全体を委託するケースと、業務の一部を切り出して部分的に外部委託するケースがあります。業務委託する範囲や業務によって、業務委託が向いている業務も変化します。

業務全体を委託するケースでは、自社社員による業務への関与が少なくなるため外部企業単独で判断できる業務や企業ごとの特殊性や訓練が必要ない業務が適しています。

具体的には事務作業やコールセンターなどの「マニュアル化しやすい業務」や「定型業務」です。

一方、業務の一部分を切り出して委託するケースでは、自社の部署や社員との協業が多く、自社業務のサポートや自社で対応が難しい業務への専門的な対応への適応も可能なため「専門性の高い業務」や「非定型業務」の委託が可能です。

具体的には、法務や税務など専門性が必要な業務などです。

企業で業務委託を導入する流れ

業務委託を活用して生産性の向上などを目指したいと考えている企業が業務委託を実際に導入する場合、どういった流れになるか紹介します。

委託する業務範囲と期間、予算を検討する

業務委託を利用する際は、自社の現状分析を行い、課題や問題点の整理からはじめましょう。

現状分析の結果、明確となった自社の課題を解決するために、どういった業務改善が必要か判断し、業務委託を活用する目的や業務範囲、期間と予算などを検討します。

委託先企業の選定

自社の現状分析をもとに、自社の課題や問題点に対する最適な業務委託先を選定します。

委託先企業を選定する際には、過去の実績や提供しているサービス内容などを判断基準にして、自社の課題や問題点の解決に適した委託先を選びます。

委託先を決定する際は、複数の委託先候補から具体的な業務改善案の提案と費用に関する見積書を取得し、比較検討の上で費用対効果が高い委託先を選定しましょう。

業務委託の条件交渉

業務委託先を選定した後は、契約締結に向けた条件交渉を行います。より最適な条件で業務委託を活用するために、複数の委託先候補からの提案内容や見積書、条件案などをもとに交渉を進めましょう。

また、業務委託の成立条件や中途解約に関する条件なども契約締結前に相違がないよう確認が必要です。

契約締結

事前の提案内容や見積書、交渉内容を踏まえて委託先と妥結に至った内容をもとに業務委託契約の締結を行います。

まとめ

業務委託とは、雇用契約を締結せずに業務を依頼する方法で成果物や役務に対して報酬を支払う契約形態です。

業務委託が注目され、活用する企業が増えてきている背景には、日本の労働環境が直面する「人材不足」と「働き方の多様化」など多くの社会問題や社会の変化の影響があります。

業務委託には、多くの企業が経営課題として抱えている慢性的な人材不足などを解決する可能性があり、業務委託を活用することで「業務効率化」や「生産性向上」などさまざまな経営上の課題を解決できる可能性が期待できます。

業務委託を利用する場合には、委託業務の内容や範囲を明確にし、最適な委託先の選定が大切です。

アデコでは、事務全般やコールセンター、営業代行やBPOなど業務課題に応じたさまざまなアウトソーシングサービスを提供しています。

アデコは、長年人材を軸とした経営課題の改善に対するサービス提供を行っており、業務委託の領域での豊富な実績と多彩な派遣人材による高品質なアウトソーシングサービスの提供が可能です。

人材不足や業務改善に向けた業務委託を検討している企業担当者の方は下記リンクから、アデコのアウトソーシングサービスの内容をご確認ください。

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