アウトソーシングを利用している企業の窓口担当者・業務の管理(業務指示)者を対象に、アウトソーシングの導入状況に関するインターネット調査(2020年9月28日(月)~2020年9月30日(水))を実施しました。
調査結果まとめ
アウトソーシング導入率が最も高かった業務は《IT・運用保守・web》で、54%と半数を超えました。また、企業規模が大きくなるにつれ、導入率も高くなる傾向があるようです。アウトソーシング利用年数は多くの業務で7年以上と長く、かつ一度決めた提携先と長く関係を維持していることがわかりました。
実際に利用して効果が出た項目は、「人材不足を解消できた」「コストを削減できた」「業務を効率化できた」が上位にあがり、各種改善ができたことがうかがえます。一方で、「担当者が指示待ちが多い」「柔軟性がない」「提案が少ない」という提携先企業への不満の声もみられました。
在宅型(テレワーク型)コールセンターの認知度は半数を超え、近年のテレワーク推進の影響もあり、約3割の担当者で利用意向がありました。
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業務別導入状況
どの業務でアウトソーシングを利用しているか伺ったところ、《IT・運用保守・web》が54%と半数を超えました。次いで、《データ入力・マニュアル作成・翻訳》(40%)、《事務・総務・人事等のバックオフィス》(39%)、《ヘルプデスク》(33%)、《コールセンター・テレマーケティング》(29%)が続きます。
一方、《営業代行》(14%)、《採用代行・就業支援》《教育(学校事務)・試験運営・図書館運営》(共に19%)は低い結果となりました。
業務別導入状況
(単一回答)
企業規模が大きくなるにつれ、アウトソーシングの導入率も高く、大企業では《データ入力・マニュアル作成・翻訳》《ヘルプデスク》《コールセンター・テレマーケティング》《受付》《教育(学校事務)・試験運営・図書館運営》の業務で、導入率が特に高いようです。
業務別導入状況(企業規模別)
(単一回答)
稼働場所
アウトソーシングを活用している場合、社内/社外のいずれで業務を行っているかについては、業務内容によって傾向が分かれました。
《受付》《工場ライン》《事務・総務・人事等のバックオフィス》は「社内常駐のみ」が40%以上と特に高く、一方、《IT・運用保守・web》は44%が「社内と社外の両方」となりました。
稼働場所
(単一回答)
利用年数
アウトソーシングを利用している企業へ利用年数を伺ったところ、多くの業務で「7年以上」と長く、特に《IT・運用保守・web》《工場ライン》《受付》は7年以上が約50%と特に高い傾向が出ました。
一方、《採用代行・就業支援》《営業代行》《イベント・店舗運営》は3年未満が約30%であり、アウトソーシング歴は浅いようです。
利用年数
(単一回答)
提供先の変更について
アウトソーシング利用企業では、提供先企業の変更は多くの業務で「変更していない」が「変更あり」を上回っており、流動性があまり高くないようです。ただし、《営業代行》《工場ライン》は、変更した割合が約50%と高い傾向にあります。
提供先の変更について
(単一回答)
利用したメリット
アウトソーシング利用者に効果が出た項目を伺ったところ、多くの業務で「人材不足を解消できた」「コストを削減できた」「業務を効率化できた」が上位にあがりました。
ただ、《教育(学校事務)・試験運営・図書館運営》は、「ノウハウを獲得できた」「社内の人材が、コア業務に集中できるようになった」、《営業代行》は「社内の人材が、コア業務に集中できるようになった」が最も高いことから、アウトソーシング利用のメリットが業務により異なることが分かりました。
利用したメリット
(複数回答)
利用におけるデメリット
実際にアウトソーシング利用している担当者へデメリットを伺ったところ、多くの業務で「コストが高い」が上位にあがりました。他にも「担当者が指示待ちが多い」「柔軟性がない」「提案が少ない」など提携先企業が受け身であることに不満を感じる声がありました。
ただ、アウトソーシング利用者が多い《IT・運用保守・web》では「業務の一部がブラックボックス化している」が2番手となり、他とは異なる結果となりました。
利用におけるデメリット
(複数回答)
利用のきっかけ
アウトソーシング利用者や利用予定者の「利用検討きっかけ」を見てみると、多くの業務で「コスト削減」「業務の効率化」「人材不足・社内で対応できる人材がいないため」が上位にランクイン。上記の「利用したメリット」で「効果が出た項目」と一致しており、利用理由と結果が合致していることがうかがえます。
なお、《採用代行・就業支援》《データ入力・マニュアル作成・翻訳》《受付》は、「社員をコア業務に集中させるため」が3番手にあがりました。
利用のきっかけ
(3つ回答)
提携会社の検索方法
アウトソーシング利用者や利用予定者が提携会社を探す方法は、「自社と取引実績のある企業」がいずれの業務においても最も高くなりました。次いで「グループ会社を利用」が2番手に、「インターネット検索」は3番手となりました。
提携会社の検索方法
(複数回答)
在宅型コールセンターの認知度・利用意向
在宅型(テレワーク型)コールセンターサービスの認知度は全体で54%と半数が知っていました。業種別にみると、ソフトウェアで認知率は70%と特に高く、企業規模が大きくなるにつれ、認知率も高くなる傾向がみられます。
在宅型コールセンターの認知度
(単一回答)
在宅型コールセンターの利用意向は「利用したい」「やや利用したい」の合計が全体で37%と、4割弱を占めました。
利用したい理由として、「テレワークを推進できる」が43%と最も高く、次いで「ポストコロナ時代、社員の健康を配慮できる」とコロナ渦の影響がうかがえます。それ以外では、「全国から人材を確保できるため、安定的に運営できる」「全国から人材を探せるため、優秀な人材に会える」が3割台後半と人材確保に関してメリットを感じているようです。
在宅型コールセンターの利用意向
(単一回答)
在宅型コールセンターのを利用したい理由
(複数回答)
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【調査概要】
- 調査対象: 全国の企業の「アウトソーシング会社との窓口担当」「アウトソーシング業務管理(業務指示)担当」
- サンプル: 600名(窓口担当者300名、業務管理担当者300名)
- 調査方法: インターネット調査
- 調査実施時期:2020年9月28日(月)~2020年9月30日(水