Q13 育児休業復帰後の有休残日数

育児休業を取得して1年以上休んだ社員が職場復帰するのですが、復帰時点の有給休暇付与はどのようになるのでしょうか。

育児休業期間中も出勤したものとして有給休暇を付与します。
有給休暇は、入社年度に6カ月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤、その後は継続勤務1年ごとに全労働日の8割以上出勤している場合に付与されますが、出勤率の算定に際して産前産後休業と育児休業は「出勤したもの」として計算します。そのため育児休業期間中でも有給休暇を付与することになります。また、付与された有給休暇は2年間有効です。例えば2015年4月に有給休暇を16日付与された後に育児休業取得、2016年10月1日職場復帰の場合、以下のように復帰時点で34日の有給休暇を使用できる状態になります。

2015年4月1日 有休付与 16日 前年繰越 0日 | 合計 16日
11月1日 ■育児休業開始
2016年4月1日 有休付与 18日 前年繰越 16日 | 合計 34日
10月1日 ■育児休業終了

育児休業中に有給休暇を付与しますが、労働義務のある日にしか取得できないため、休業期間中に取得することはできません。しかし、例外的に取得できるケースが2つあります。一つは育児休業申請前に請求した有給休暇が育児休業期間中となってしまう場合です。例えば9月に12月の有給休暇を申請し、その後で育児休業を申し出た場合は、育児休業中でも有給休暇として取り扱われます。次に労使協定による計画付与が行われている場合も有給休暇を取得したことになります。ただし、育児休業申出前に決まっている計画付与だけが対象となります。

POINT出勤とみなされるお休み

有給休暇付与の出勤率計算に当たり出勤とみなされる日は、育児休業以外にも産前産後休暇、介護休業、労災による休業日等があります。一方、会社都合による休業は出勤率の算定に当たり労働日から除外して計算します。

Profile

答える人
社会保険労務士 中宮 伸二郎 (なかみや しんじろう)

立教大学法学部卒業後、流通大手企業に就職。2000年社会保険労務士試験合格し、2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。労働法に関する助言を通じて、派遣元企業、派遣社員双方に生じやすい法的問題に詳しい。2007年より派遣元責任者講習講師を務める。

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