2017年10月1日から育児休業制度が改正されますが、新しい制度で育児休業を延長できるのはどのような対象者になるのでしょうか。
育児・介護休業法の改正により、育児休業の期間を子が2歳になるまで延長することが可能となります。一般的に保育園は年度ごとに園児を募集することが多く、入所時期が年度初めである4月になり、育児休業の取得期間が最長「1歳6カ月まで」だと、保育園入所まで子を保育園に預けることもできず、育児休業も取得できない空白期間ができる可能性があるためです。
育児休業の期間は原則として子が1歳までのまま変更はありません。子が1歳になる時点で保育園に入れない等の場合、子が1歳6カ月になるまで育児休業を延長、改正後は子が1歳6カ月になる時点で保育園に入れない等の場合、さらに子が2歳になるまで育児休業を再延長できるようになります。
- 育児休業を「子が2歳になるまで」延長できる人
- 労働者またはその配偶者が、平成28年3月31日以降に生まれた子の育児休業を取得中で、子が1歳6カ月になる時点で保育園に入れない等の状況にある労働者
- 育児休業を「子が2歳になるまで」延長できない人
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- 平成28年3月30日以前に生まれた子の育児休業をしている場合
- 平成28年3月31日以降に生まれた子がいる場合でも、子が1歳6カ月になる時点で、労働者およびその配偶者が既に職場復帰している場合や、子が保育園に入れる場合
今回の改正にあわせて、雇用保険の育児休業給付金の支給期間も最長2歳までに改正されます。ただし、自動的に延長されるものではありません。対象者が育児休業給付金の支給を受けている場合は、子が1歳になる時点、子が1歳6カ月になる時点の2回、ハローワークに保育園の入園不承諾の通知を提出する等の延長手続きを行う必要があります。また、社会保険料の免除も延長が必要な場合は申請を行ってください。
POINT育児・介護休業法のその他改正事項
- 1.妊婦・配偶者、介護者に対し休業関連の諸制度の周知(努力義務)
事業主は、労働者やその配偶者の妊娠・出産、介護を知ったときには、個別に育児・介護休業の制度や休業後の待遇などについて、知らせる努力義務規定が創設されました。 - 2.育児のための休暇制度の創設(努力義務)
未就学児を育てながら働く労働者に対し、子育てしやすいよう育児に関する目的で利用できる休暇制度を設けるよう努める規定が創設されました。
- ※上記努力義務は、企業の任意的・自発的な取り組みに期待するものです。
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答える人
社会保険労務士 中宮 伸二郎 (なかみや しんじろう)
社会保険労務士 中宮 伸二郎 (なかみや しんじろう)
立教大学法学部卒業後、流通大手企業に就職。2000年社会保険労務士試験合格し、2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。労働法に関する助言を通じて、派遣元企業、派遣社員双方に生じやすい法的問題に詳しい。2007年より派遣元責任者講習講師を務める。