Q49 深夜勤務と有給休暇

変形労働時間制による夜勤で始業が夕方16時、終業が翌朝9時(休憩1時間)の1勤務16時間の隔日勤務で働く者が有給休暇を取得する場合、取得日数は何日になるのでしょうか?

2日の有給休暇を取得したことになります。労働基準法第39条の有給休暇は労働日を単位としています。有給休暇の労働日は暦日計算によるとされていることから暦日をまたぐ勤務の場合、2労働日の有給休暇を取得したことになります。

10月1日16時からの勤務で有給休暇を取得すると、10月1日、2日の2日労働日を取得することになります。また、10月3日の0時まで有給休暇中となるため10月2日16時から勤務させることはできません。

しかし、所定労働時間がいつも22時から翌朝7時までの場合や、8時間3交替制勤務のシフトが日をまたぐ場合のように、1勤務が8時間以内の勤務でも2日取得とすることは不合理であることから以下の通達により1労働日として取り扱うことも認められています。「交替制における2日にわたる1勤務及び常夜勤勤務者の1勤務については、当該勤務時間を含む継続24時間を1労働日として取り扱って差し支えない」(昭和63年3月14日基発150号)

POINT労働時間と有給休暇の違い

有給休暇は原則として暦日管理をしますが、労働時間は始業時刻の属する日で管理します。そのため、午前0時に労働時間を分けて勤務を10月1日8時間、2日8時間とするのではなく、10月1日に16時間勤務したものと扱います。

Profile

答える人
社会保険労務士 中宮 伸二郎 (なかみや しんじろう)

立教大学法学部卒業後、流通大手企業に就職。2000年社会保険労務士試験合格し、2007年社会保険労務士法人ユアサイド設立。労働法に関する助言を通じて、派遣元企業、派遣社員双方に生じやすい法的問題に詳しい。2007年より派遣元責任者講習講師を務める。

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