女性の社会進出が一般化し、仕事と育児を両立させるワーママ(ワーキングマザー)の数も増えてきました。しかし、いくらワーママの数そのものが増えたとしても、仕事選びや働き方など、その境遇には子供のいない働く女性とは違った制約があります。希望する条件の仕事がなかなか見つからなかったり、今まで積み上げてきた能力や経験を生かすことが難しかったりする場合もあるかもしれません。
そんなとき、働き方の選択肢として考えてほしいのが「派遣」です。なぜ、ワ―ママには派遣がおすすめなのか、そのメリットについて詳しく解説していきます。
ワーママの仕事探しはたいへん?
育児と子育てを両立するワ―ママ。その言葉を聞いて、どんなイメージを持つでしょうか。育児には時間と体力が必要で、子供の要求は待ったなしですから、どうしても最優先で取り組む必要があります。出産前と同じように働くことは、現実的に不可能といっても過言ではありません。
実際、産休・育休の取得後に職場復帰したものの、働き始めると育児との両立がうまくできず、転職や離職せざるをえなかったという話もあります。加えて、育児と両立できる職を探しても、保育園のお迎えの関係などで勤務地が制限されたり、面接時に子供がいることを伝えると「急なお休みは困る」などと言われてしまうことも珍しくないようです。
ワーママが派遣を利用するメリット
ワ―ママならではの苦労や課題が数多くある中で、なぜ派遣という働き方がおすすめなのでしょうか。ここからは、ワ―ママが派遣を利用するメリットについて解説していきます。
1 スキルや希望条件に合った仕事を派遣会社が紹介してくれる
仕事探しは、勤務地や勤務時間など、希望条件に合った募集企業を探して応募、面接へという流れが一般的です。しかし、育児しながらでは、仕事を探す時間があまり取れなかったり、希望条件に合った職場が見つけられなかったりする場合があります。
また、ワーママの募集に積極的かどうかといった情報は、通常は実際に面接や入社をした後でないとわからないこともあります。面接を受けた会社が思っていた環境と違ったり、実はワーママの採用に積極的でなかったりすれば、時間をロスしてしまいます。
派遣であれば、希望条件や持っているスキルをあらかじめ登録しておくことで、派遣会社がおすすめの仕事を探してくれます。通常なら1社1社に問い合わせなければならないところを、派遣会社の担当者一人に確認するだけでいいのは、時間のないワ―ママにとって便利なポイントでしょう。すでに派遣実績がある会社の場合は、職場の雰囲気や周囲の環境などについても教えてもらえる点もうれしいですね。
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2 条件交渉を派遣会社に任せられる
給与や待遇など、転職時の条件交渉は自分で切り出しにくいことがあり、それなりにストレスを感じるもの。特にワーママであれば、時短勤務などといった勤務条件もあるでしょう。
そのような条件交渉がうまくいかずに、希望の仕事に就けないということも少なくありません。派遣であれば、派遣会社に細かい条件交渉を任せることができるので、こうした部分に対する手間や不安、ストレスを感じる必要がないでしょう。仕事を始めてから万が一トラブルが起きたときも、派遣会社が派遣先と自分のあいだに入って調整してくれます。
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3 パートやアルバイトで働くより時給が高い場合が多い
職種や業種によって多少の差はあるものの、派遣社員の時給は全国平均で1,400円程度といわれており、一般的なパートやアルバイトに比べると高めに設定されていることが多いです。専門的なスキルを持っている場合は、さらに高時給の仕事が見つかることもあります。
賃金が高いことだけが良いことではありませんが、少しでも多くの蓄えを持っておくことにデメリットはないでしょう。また、出産までに培ったスキルを生かして働ける可能性が高いことも、ワーママが派遣で働くメリットといえます。
4 仕事内容が決まっている
正社員や契約社員として働いたり、アルバイトやパートなどでもある程度経験を積んだりすると、いろいろな仕事を任されるようになります。それ自体はたいへんすばらしいことですが、その影響で業務量が増え、仕事のストレスが大きくなったり、退社時間が遅くなったりしてしまうケースも少なくありません。
派遣で働く場合は、事前にやるべき仕事内容が契約でしっかりと定められており、それ以上の働きを強制されることはありません。もし、契約外の仕事をするよう命じられた場合は、派遣会社に相談して調整してもらうことができます。時間の制約があるワ―ママにとって、仕事内容が決まっているのは大きなメリットではないでしょうか。
5 福利厚生が充実している
大手の派遣会社では、福利厚生が充実していることが多いです。ベビーシッターや病児保育などが利用できたり、レジャー施設や宿泊施設の割引が受けられたりといった、ワーママにうれしい特典がたくさんあります。
また、育児中は仕事をセーブしていても、一段落したらまたしっかり働きたいと考えるワーママも多いでしょう。キャリアアップのために、スキルアップセミナーを開催したり、資格取得を支援したりしている派遣会社もあります。
ワーママが派遣を利用するデメリット
ワ―ママにとって、さまざまなメリットがある派遣という働き方。同時に、デメリットについても知っておかなければなりません。
ここからは、ワ―ママが派遣を利用する際のデメリットをご紹介します。
1 必ずしも契約更新されるわけではない
派遣のデメリットのひとつが、契約期間が定められていて、それが必ずしも更新されるものではないということです。場合によっては、職場になじんだり、仕事に慣れてきたりしたタイミングで契約が終了となる場合もあるでしょう。
ただし、契約が切れれば、再度、派遣会社が新しい仕事を探してくれるため、そこまで気に病む必要はありません。また、仕事内容や職場が「自分と合わない」と感じたときに、契約を更新しない選択肢があるという、メリットととらえることもできるでしょう。
2 契約期間中の退職は基本的にNG
2つ目のデメリットとして挙げられるのが、派遣は派遣会社と受け入れ先企業の契約の基に進められるものなので、派遣スタッフの個人的な理由で退職することができないという点です。アルバイトやパートであれば、仕事を辞めるのもある程度自由がききますが、派遣ではそうもいきません。
ただ、自分の状況や希望をしっかりと派遣会社に伝えるようにすれば、可能な範囲で対応はしてもらえます。派遣されている職場に問題があったり、労働状況に変化があったりしたときは、派遣会社に相談するといいでしょう。
派遣のメリットを活用して仕事と育児を両立するワ―ママを目指そう!
ワ―ママが派遣として働くメリットや、気を付けておきたいデメリットについて解説してきました。特に時間の融通が利く面で、派遣はワ―ママにとってのメリットが非常に大きいことがわかっていただけたと思います。
また、デメリットに関しても、事前にしっかりと準備をしておくことや、派遣会社に相談することで解決するケースがほとんどです。仕事と育児を両立するワ―ママを目指し、派遣という働き方に一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。