ミドル世代・シニア世代とは?
定義や採用するメリット、雇用上の注意点などを解説

近年の少子高齢化の影響もあり、ミドル世代・シニア世代が活躍する職場が増えています。豊富な経験を持つミドル世代・シニア世代は、即戦力としての活躍が期待できるため、注目を集めています。

しかし、ミドル世代・シニア世代とはどの年代をさすのか、採用するメリットはあるのかなど、詳細が気になる方もいるでしょう。

本記事では、ミドル世代・シニア世代の定義、採用するメリットや注意点を解説します。ミドル世代・シニア世代の採用方法も紹介するので、参考にしてください。

人事に関するお役立ち情報をお送りいたします。
メールマガジン登録

ミドル世代・シニア世代の違いとは?

ミドル世代・シニア世代は、東京しごとセンターによると、以下に定義されます。

  • ミドル世代:30歳から54歳
  • シニア世代:55歳以上

ミドル世代・シニア世代の特徴を詳しく解説します。

参考・出典:東京しごとセンター

ミドル世代

一般的にミドル世代は、30歳から54歳までをさします。1970年から1994年に生まれ、バブル崩壊後の就職氷河期や長期的な経済停滞期で、厳しい雇用環境を経験しています。

ミドル世代は節約志向で不要な出費をしないよう努める傾向にあり、堅実な思考の人材が多いです。また、デジタル技術の急速な進歩をリアルタイムで経験しています。

ミドル世代はまだまだ働き盛りの世代なため、フルタイム勤務の求人が多い傾向にあり、未経験の業界でも正社員として転職しやすいでしょう。

なお、一般的に1990年代半ばから2010年に生まれた「Z世代」の親世代がミドル世代に当たります。

あわせて読みたい
Z世代とは?特徴や仕事への価値観、定着率向上のコツも紹介

Z世代は独自の価値観を持っているため、今までの新入社員とは傾向が異なり、戸惑っている方もいるのではないでしょうか。本記事では、Z世代の定義や特徴、仕事への価値観を解説します。

シニア世代

一般的にシニア世代は55歳以上とされています。

1965〜1969年生まれのシニア世代はいわゆる「バブル世代」で、バブル景気の最中に社会人になったため、勤務時間外での付き合いをはじめ、意欲的に働いてきた人材が多いです。

1955〜1965年生まれは「新人類世代」、1947~1949年生まれは「団塊世代」と呼ばれています。

新人類世代は高度成長期に子ども時代を過ごしているため、消費意欲が高い傾向にあり、ベビーブーム期に生まれた団塊世代は人口が多く、昨今の医療や介護業界に影響を与えています。

シニア世代はフルタイムよりも短時間勤務の求人が多い傾向にあり、正社員の求人もあるものの、業種が限られています。ミドル世代よりは正社員での求人が減少するため、契約社員や派遣社員として働く方も多いです。

ミドル世代・シニア世代が注目される背景

ミドル世代・シニア世代はなぜ注目されているのでしょうか。背景として以下があります。

  • 少子高齢化による働き手不足
  • 定年の引き上げ
  • 人材の早期離職が深刻化している

それぞれ詳しく解説します。

少子高齢化による働き手不足

昨今の少子高齢化により、若い働き手を確保しにくい状況が続いており、企業の成長面でも課題は多いです。

総務省が発表している「我が国における総人口の長期的推移」を見ると、日本の総人口は2004年をピークに急激に減少しています。2050年には総人口が9,515万人となり、高齢人口が約1,200万人増加する一方、若年人口は約900万人減少すると予想されています。

総務省「我が国における総人口の長期的推移」

引用:総務省「我が国における総人口の長期的推移」

上記の表からもわかるとおり、2004年に19.6%だった高齢化率は、2050年に39.6%に上がっています。今後さらに少子高齢化が進むと考えられており、働き手を確保するためには、ミドル世代・シニア世代の雇用が鍵です。

定年の引き上げ

高年齢者雇用安定法により、定年年齢は60歳以上とする必要があるほか、平成25年の法改正で、就業希望者は65歳まで雇用するよう義務化されました。

加えて、令和3年の法改正で、70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となっています。

参考・出典:厚生労働省「高年齢者の雇用」

人材の早期離職が深刻化している

昨今では、雇用してもすぐに辞めてしまう「早期離職」が増えており、企業は早期離職への対策を行わなければなりません。

時間やコストをかけて採用しても、早期離職してしまう確率が高いと企業の損失につながります。雇用する年齢層を広げた労働力の確保が、早期離職の対策のひとつにもなっています。

ミドル世代・シニア世代を採用するメリット

ミドル世代・シニア世代とは?定義や採用するメリット、雇用上の注意点などを解説

企業がミドル世代・シニア世代を採用するメリットには、以下があります。

  • 経験豊富な人材を確保できる
  • 就労意欲の高い人材を確保できる
  • 人材のネットワークを活かせる
  • 企業のイメージアップにつながる
  • 教育にかかるコストを削減できる

それぞれ詳しく解説します。

経験豊富な人材を確保できる

ミドル世代・シニア世代は、若手人材にはない豊富な経験が魅力です。専門的な分野でも、活躍できる人材を確保しやすい点がメリットに挙げられます。

中には、現役時代に新人育成や社員教育の経験がある人材も多いため、企業も人材育成のクオリティ向上に期待できるでしょう。

就労意欲の高い人材を確保できる

内閣府の調査によると「65歳を超えても働きたい」と希望する高齢者は全体の65.9%、「働けるうちはいつまでも」と回答した人の割合は29.5%と高く、高齢者の就労意欲の高さがわかります。

早期離職が増えている昨今、就労意欲の高い人材を確保できるのは、企業にとって大きなメリットです。意識的にミドル世代・シニア世代を採用候補に加えると、働くことに意欲的な人材を確保しやすくなるでしょう。

参考・出典:内閣府「平成25年度高齢者の地域社会への参加に関する意識調査(全体版)」

人材のネットワークを活かせる

ミドル世代・シニア世代は経験豊富な人材が多く、築いてきた人脈やネットワークがあります。業種や企業によっては、人材のネットワークを活かして、さらなる展開が期待できる場合もあるでしょう。

経験豊富なミドル世代・シニア世代の中には、事業運営やマネジメントなどに強い人材も多いです。自社になかったネットワークが加わると、新規事業を進めやすいケースもあります。

企業のイメージアップにつながる

働き方改革でも、働く世代の多様性は推進されています。積極的にミドル世代・シニア世代を雇用すると、企業のイメージアップにもつながるでしょう。

ミドル世代・シニア世代が多く働いていると、多様な働き方を推進する企業である証明になり、社会的信頼にもつながりやすいです。

教育にかかるコストを削減できる

経験が豊富なミドル世代・シニア世代を採用すると、新人育成・教育にかかるコストを削減できるメリットがあります。

新人を雇用しても早期に離職してしまうのではないかとの不安がある場合や、過去にそうした例がある場合も、リスクを抑えて人員確保が可能です。

ミドル世代・シニア世代を採用する場合の注意点

ミドル世代・シニア世代を採用する場合、いくつかの注意点があります。

  • 環境に馴染めるよう配慮が必要な場合もある
  • モチベーションの維持が難しい
  • リスキリングへのサポートが重要

続いて、採用時の注意点を詳しく解説します。

環境に馴染めるよう配慮が必要な場合もある

ミドル世代・シニア世代の中には、新しい環境に馴染めない方もいるでしょう。作業の仕方や機械操作が以前の職場と異なると、柔軟な対応が難しい場合もあります。

また、ミドル世代・シニア世代は、短時間勤務を希望する人材も多いです。テレワークの導入や短時間勤務など、働き方の多様性を認め、サポート体制を充実させると働きやすい環境になります。

モチベーションを支えるサポートが重要

ミドル世代・シニア世代の再雇用では、前職よりも給料が下がるケースもあり、給与面から仕事へのモチベーションが低下する可能性がある点に注意が必要です。

同じ年代でも、キャリアに差が開き、周囲と比較してモチベーションが下がるケースもあるでしょう。当人と十分に話し合い、モチベーションを高く保てる給与、待遇などの提案が大切です。

リスキリングへのサポートが重要

リスキリングとは、業務上必要な新たなスキルを身に付けるための学び直しです。ミドル世代・シニア世代の中には、リスキリングに対して負担を感じる人もいるため、必要なサポートの提供が重要です。

また、リスキリングの必要性を感じていても、時間や精神的に余裕がなく取り組めないケースもあります。ミドル世代・シニア世代が十分リスキリングに取り組めるよう、サポートする企業体制を整えましょう。

ミドル世代・シニア世代の採用方法

ミドル世代・シニア世代を採用したい場合、以下の採用方法が代表的です。

  • 求人サイト
  • シルバー人材センター
  • 人材紹介

それぞれ詳しく紹介します。

求人サイト

一般的な求人サイトでも、ミドル世代・シニア世代の採用は可能です。ミドル世代・シニア世代も積極的に雇用しているとアピールしたり、ミドル世代・シニア世代への待遇を記載したりすると、多くの応募が見込めるでしょう。

中には、ミドル世代・シニア世代向けの求人サイトもあります。より条件を絞って募集をかけたい場合は、専用サイトの利用も視野に入れると理想の人材に出会える可能性が高いです。

シルバー人材センター

シルバー人材センターとは、ミドル世代・シニア世代をはじめ、高年齢者が働くことを通じて生きがいを得られるようサポートする組織です。フルタイムでの勤務希望者ではなく、定年退職後に臨時的または短期的な就労を望んでいる方たちが登録しています。

シルバー人材センターを利用すると、就労意欲の高い方を採用できるでしょう。センターは、原則として市区町村単位に置かれているため、地域ごとに就労意欲の高い人材を探すことが可能です。

人材紹介

効率的に自社にあったミドル世代・シニア世代を探したいなら、人材紹介の利用がおすすめです。人材紹介を利用すると、希望の人材を厳選して紹介してもらえるため、効率的な採用ができるでしょう。

人材紹介なら、アデコの人材紹介をぜひチェックしてください。アデコは全国に拠点をもっており、主要都市には人材紹介の専門チームを配置しているため、きめ細かなサポートが可能です。

短期間での大規模な採用ニーズにも対応しており、課題や要望、プロジェクトの大きさなどに合わせた人材紹介やサポートを行います。対象職種も幅広く、効率的で生産性の高い採用が叶います。

アデコ 人材紹介について詳しくはこちら

また、アデコでは人材派遣も行っています。就業中の派遣社員が34,000名以上在籍しており、さまざまなニーズに対応できる人材の確保が可能です。経験豊富なミドル・シニア人材も多数登録しており、その専門性や実務経験を活かして企業の多様なニーズに対応しています。「有期雇用派遣」と「無期雇用派遣」を選択できるため、一時的な人材補充から長期雇用まで幅広く活用できます。

アデコ 人材派遣について詳しくはこちら

まとめ

少子高齢化が進んでいる昨今、ミドル世代・シニア世代の雇用が推進されています。ミドル世代・シニア世代を採用するメリットとして、豊富な経験からの即戦力、人材のネットワークを活かせる、新人育成にかかるコストの削減などが挙げられます。

しかし、モチベーションを維持する難しさや、リスキリングへのサポートが重要になる点には注意が必要です。

ミドル世代・シニア世代を雇用したい場合、一般的な求人サイトの利用もひとつの手ですが、効率的に雇用を進めたいなら人材紹介や人材派遣の利用もおすすめです。

アデコの人材紹介・人材派遣は、ニーズに合う人材を効率的に採用したい場合に向いているサービスです。人材を効率的に採用したい場合は、チェックしてみてください。

アデコ 人材紹介について詳しくはこちら

アデコ 人材派遣について詳しくはこちら

あわせて読みたい
再雇用制度とは?定年を迎えたシニア人材の活用方法のポイントを解説!

再雇用制度は、定年を迎えた社員が引き続き企業に貢献できるよう再雇用する仕組みです。本記事では、再雇用制度とは何か、導入前に知っておきたいことや導入の流れを解説します。人材不足解消の一助として、ぜひ参考にしてください。

最新のセミナー情報、コラムなどを受け取りたい方は、下記からメールマガジンを登録してください。

ご案内

無料セミナーのご案内
アデコの人材サービスラインナップ

関連記事

お役立ち情報 に戻る

人材に関するお悩みがございましたらお気軽にご連絡ください