Z世代と呼ばれる若者が、社会に出はじめています。Z世代は独自の価値観を持っているため、今までの新入社員とは傾向が異なり、戸惑っている方もいるのではないでしょうか。
新入社員が活躍する職場を作るには、Z世代の価値観を理解してマネジメント方法を変えていくことが大切です。
本記事では、Z世代の定義や特徴、仕事への価値観を解説します。Z世代の育成方法もまとめているので、新入社員が強みを発揮して働ける職場を作り、社内の人材育成を活性化させたい方はご覧ください。
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Z世代とは
Z世代とは、1990年代なかばから2010年代序盤生まれの、2024年時点で20代後半~10代半ばの若者をさす言葉です。ミレニアル世代の次に当たる年齢層で、ポストミレニアル世代とも呼ばれます。
Z世代の言葉の由来や、ゆとり世代との違いを見ましょう。
Z世代の由来
Z世代の言葉は、アメリカで使われはじめました。アメリカの世代分類をさす言葉であるジェネレーションZが由来と言われています。
なお、Z世代より若い世代はα(アルファ)世代と呼ばれます。ほかに、Z世代前の世代はX世代、Y世代と呼ばれており、各年代と価値観の特徴は以下のとおりです。
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X世代
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Y世代
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Z世代
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年代 | 1960年代なかば~ 1980年代初め |
1980年代初め~ 1990年代なかば |
1990年代なかば~ 2010年代序盤 |
時代背景 | バブル経済の形成期 | 就職氷河期、インターネットが普及 | 不況、IT化の進展 |
消費行動 | ブランド品や高品質なものを好む | ライフスタイルに基づいて消費する | 環境や価値観を重視する |
主なメディア | 新聞・雑誌・テレビ | テレビ・インターネット・SNS | SNSが中心 |
コミュニケーション | 対面、電話、メール | メール、SNS | SNSやメッセージアプリ |
仕事への価値観 | 長期的なキャリア志向 | ワークライフバランスを重視 | 多様性や柔軟さを求める |
Z世代とゆとり世代の違いは?
ゆとり世代は、ゆとり教育を義務教育で受けた世代です。具体的には、1987年〜2003年度生まれの世代が該当します。
ゆとり世代とZ世代は年齢が重なっている部分もあり、共通点が多いです。ゆとり世代は日本だけで用いられる概念ですが、Z世代は全世界共通の概念である点が異なります。
Z世代の特徴
Z世代の特徴として、以下の点が挙げられます。
- インターネットの情報収集がメイン
- コスパ、タイパを重視する
- ブランドへのこだわりが低い
- 環境問題や社会問題に関心がある
Z世代は幼い頃からインターネットに触れており、従来の世代とは異なる価値観を持っています。具体的な特徴を解説します。
インターネットの情報収集がメイン
Z世代は幼少期からデジタル機器が存在する環境で育っており、ネットメディアを使うことに抵抗がありません。情報発信や交換、収集の多くはWeb経由で、SNSネイティブな世代です。
スマートフォンの活用にも慣れており、インターネットで情報を収集して、購入まで完結する割合が高いと言われています。
コスパ、タイパを重視する
Z世代は不確実性の高い時代に育ってきたからこそ、コスパ(コストパフォーマンス)やタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する点が特徴です。限られた時間と費用の中で効率よく満足したい価値観を持っています。
情報があふれている時代に生まれているからこそ、情報を取捨選択する意識も高めです。
動画や音楽を倍速再生して時間を有効活用したり、必要な情報だけを効率的に得るために要約サイトを利用したりするなど、情報収集でもタイパを意識しています。
お金は消費より貯蓄に回す傾向があり、高価なものより低価格で必要な機能を満たしたものを選ぶところも特徴です。投資に興味を持つ人も多くいます。
ブランドへのこだわりが低い
Z世代はブランド品へのこだわりが比較的低いです。変化が早く、新しいものを求める傾向が強いため、ブランドの乗り換えもよく起こります。
また、知名度の高さより、ブランドが持つ価値観を重視し、価値観に共感できるものを選ぶところも特徴です。「モノ」への執着は薄く、「コト」に消費する傾向があり、体験を重視する傾向が強いと言われています。
環境問題や社会問題に関心がある
Z世代はSDGsで掲げられている環境問題や国際問題などの社会課題に関心があります。
東日本大震災の体験やさまざまな問題の情報取得により、幼い頃から課題意識を持つ環境にいたことが要因でしょう。寄付やボランティアなどの活動にも抵抗がない人が多いです。
また、バブル景気が崩壊して不況下で育ってきたZ世代は、リアリストが多く、多様性と公平性を重視する傾向があります。ジェンダーや人種問題への関心も深いです。
Z世代の仕事への価値観
Z世代を採用、教育するには、仕事の価値観への理解が重要です。Z世代が持つ仕事への価値観を解説します。
- 貢献や自己成長を重視する
- 自分らしさや自分に合う仕事を選ぶ
- チャレンジを好まない
- ワークライフバランスを重視する
貢献や自己成長を重視する
Z世代は仕事を通して貢献し、やりがいを感じたい、さらに自分自身の成長につなげたい価値観を持つ傾向があります。ただ業務を指示するだけでなく、依頼した仕事がどう役立ち、成長につながるかを伝える姿勢が大切です。
一方で、報酬の高さや承認欲求はそれほど強くない傾向もあります。競争を好まないため、他者と比較して奮起させる教育方法は合わないでしょう。
自分らしさや自分にあう仕事を選ぶ
Z世代は自分らしく働けることを重視する傾向があり、職場に不満があれば転職も厭いません。従来の世代と異なり、給与や安定性だけで仕事を選ぶのではなく、興味関心があり、自分に合う仕事を選びたい価値観があります。
多様な働き方や副業にも関心があるので、柔軟な制度を整えると魅力を感じてもらえるでしょう。
チャレンジを好まない
Z世代は堅実で現実主義で、リスク回避型の傾向があります。安定志向が強く、失敗する可能性があるチャレンジは好みません。
慎重で段階的な成長を求めるので、適切なサポート体制を整える姿勢が重要です。チャレンジや試行は苦手なため、内発的動機を引き出せるフィードバックを意識しつつ、安全な挑戦の場を提供すると良いでしょう。
柔軟な働き方を重視する
仕事もプライベートも重視したいと考える人が多く見られる点が、Z世代の特徴です。ワークライフバランスを重視するのは必須条件で、柔軟な働き方ができる企業を選びます。
副業や起業にも興味があるのも特徴です。
Z世代の育成方法
Z世代の育成で意識すべきポイントは以下です。
- 安心できる環境を作る
- 強みをフィードバックする
- 職場全体で育成する
- フラットなコミュニケーションを心がける
- 成長を実感させる
リスク回避型のZ世代が活躍するには、安心できる環境を整え、良い点を褒めて伸ばしていく取り組みが大切です。
自然な会話が生まれる職場の雰囲気を意識して、職場全体で育成する意識を持つこともおすすめします。安定志向が強いため、多くの人と関わりながら具体的なキャリアを想像できると効果的でしょう。
成長や貢献を求めるZ世代には、リスキリングの機会を与えてスキルアップしていると実感させたり、キャリア自律できるよう意識変革させたりするのも重要です。
Adecco Academy
Adeccoでは、研修やキャリア支援も提供しています。キャリアを考える機会を与えてモチベーションを高めるプログラムや、現場で役立つDX研修も用意しているので、ぜひご活用ください。
まとめ
Z世代は、1990年代なかばから2010年代序盤生まれの若者をさす言葉です。
Z世代はリスク回避型の思考が強く、コスパやタイパを重視します。デジタルネイティブでインターネットによる情報収集に長けているところも特徴です。
仕事に関しては、貢献や自己成長を重視する価値観を持っています。チャレンジを好まず、自分らしく活躍でき、柔軟な働き方ができる職場を求めているので、特徴を意識した環境づくりをすると良いでしょう。
Adeccoは、リスキリングの機会としてレベル別の研修を提供しています。6つのテーマと9つのプログラムを設計し、望むキャリアを将来にわたって実現するためのスキルを身に付ける支援を行います。
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