2015年9月の労働者派遣法改正によって、企業の雇用契約への対応が大きく変わりました。法改正だけでなく、企業側の採用ニーズの変化や働き方の多様化により、多くの方が派遣という働き方を選択しています。
そこで今回は、派遣社員として働くメリットとデメリットをご紹介します。派遣という働き方について、改めて考えてみましょう。
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アデコに登録して非公開求人も見る派遣社員は雇用主と就業先が異なります
派遣社員の一番のポイントは、雇用主と就業先が同じ直接雇用ではなく、雇用主と就業先が異なる間接雇用である点です。まず派遣会社に登録を行い、就業先が決まった場合に就業先が指定された有期雇用契約を結びます。就業先で業務指示を受けますが、給与は派遣会社から支払われます。社会保険などの福利厚生については、就業先との雇用契約が結ばれている限り、派遣会社から受けることができます。
派遣社員の仕組みや概要について詳しくはこちらでも解説しています。概要を知りたい方は下記ページをご覧ください。
派遣社員の仕組みや概要はこちら派遣社員のメリット・デメリット
派遣社員のメリット |
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派遣社員のデメリット |
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派遣社員のメリット
- 1ライフスタイルに合わせられる
- 2給与が高い傾向にある
- 3キャリアを生かして憧れの就業先で働ことができる
- 4サポート体制が整っている
- 5勤務地を選びやすい
- 6どのくらいの期間働くかを自由に選べる
- 7働き方を発展的に選択できるチャンスがある
- 8未経験職種・業界に挑戦しやすい
正社員と比較されることの多い派遣社員ですが、どちらも「社員」という名称のため、その違いがはっきりとわからないという方も多いのではないでしょうか。正社員と比べて、派遣社員は、自分らしさにこだわり能力を生かして働きたい人、未経験の方など幅広い方に適しており、働き方を自由に選べるといった多くのメリットがあります。
メリット1ライフスタイルに合わせられる
派遣社員は、勤務地や勤務日数、時間、職種、仕事内容など、さまざまな条件をライフスタイルに合わせて自由に選択ができるため、勤務地にこだわりたい方、専門分野のスキルを磨きたい方、プライベートを重視する方におすすめの働き方といえるでしょう。
就業時間が短い仕事であれば、家事や育児との両立や資格取得のためにスクールへ行くことも可能です。仕事に就けない期間があればあらかじめ希望条件に入れることができますので、仕事もプライベートも大切にしたい方にはぴったりです。
メリット2給与が高い傾向にある
派遣社員は、専門性が高い仕事も多く、パートやアルバイトなどと比べると、正社員に近い月収を得られるといえるでしょう。契約内容や派遣会社によっても異なりますが、給与や残業代は時間単位で支払われます。
一般社団法人日本人材派遣協会が2007年より行っている「派遣社員WEBアンケート調査 」によると、2022年の派遣社員の平均時給は1,621円です。時給額で最も多い金額は「1,500〜1,750円未満」(48.6%)。平均時給が高い職種は「IT技術・通信系」で、経験3年未満は1,916円、経験3年以上になると2,108円(東京都、愛知県・大阪府の場合)でした。 仮に、時給1,600円で8時間、21日間働いた場合の月給は、26万8,800円です。このような結果からも、派遣社員の給与は比較的正社員に近い月収を得られているといえるでしょう。
メリット3キャリアを生かして憧れの就業先で働ことができる
今まで経験したキャリアを生かして、大手有名企業で働くことができるのが派遣で働くメリットです。官公庁や外資系企業、マスコミなどで働くことも夢ではありません。
派遣会社には、詳しい仕事内容や必要なスキルなどを踏まえ、一人ひとりのキャリアに合わせた就業プランを提案してくれる担当者がいます。今後のキャリアプアンや希望に合った仕事かどうか、相談しながら決めることもできます。
- ※アデコでは「キャリアコーチ」という担当者が派遣社員の悩みをケアし、スキルアップに向けてコーチングを行います。
メリット4サポート体制が整っている
正社員や契約社員などの直接雇用の場合は、仕事上の悩みや不安は上司に相談することになりますが、派遣社員の場合は、雇用主である派遣会社の担当者に相談することになります。言いづらいことや気になることを気軽に相談できるのも派遣で働くメリットです。就業先への対応や要請が必要な場合には、派遣会社が間に入ってくれるので、一人では解決するのが難しいことでも、働きやすい環境を作るために派遣会社がサポートします。
メリット5勤務地を選びやすい
派遣社員は派遣先企業で働きますが、派遣会社と派遣契約を結ぶ際に、自宅から近い場所や希望のエリアなど、勤務地を選ぶことができます。通勤時間などの負担を軽減したいと考える人にもおすすめといえるでしょう。
メリット6どのくらいの期間働くかを自由に選べる
派遣社員は、派遣契約の期間を自由に選べます。「短期で働きたい」「長期で働きたい」など、自分のライフスタイルに合わせて働きやすい点もメリットのひとつです。
メリット7働き方を発展的に選択できるチャンスがある
派遣社員は、働き方を発展的に選択するチャンスもあります。派遣会社が派遣社員との契約終了期間を決めずに雇用契約を結ぶ「無期雇用派遣」を選択すれば、同じ職場で長期間働き続けることができ、スキルアップや長期的なキャリア形成を図ることができます。
また、派遣先の会社への直接雇用を前提とし、派遣社員から正社員や契約社員を目指す人を中心に注目を集めている「紹介予定派遣」もあります。派遣というと短期的というイメージがありますが、将来的に長期就業という道も用意されているのです。
無期雇用派遣ついて詳しくはこちら 紹介予定派遣について詳しくはこちらメリット8未経験職種・業界に挑戦しやすい
派遣会社はさまざまな企業と提携しており、幅広い求人を扱っています。そのため、未経験職種や業界にも挑戦しやすく、新しいスキルや経験を身に付けることが可能です。また、自分の適性や興味を探るきっかけにもなります。
派遣社員のデメリット
- 1就業の上限は3年
- 2契約更新が必要
- 3正社員との業務範囲の違い
- 4賞与が支給されないことがある
- 5派遣会社によっては福利厚生が整っていないこともある
給与の良さやプライベートの充実など、さまざまなメリットがありましたが、派遣会社の雇用期間は期間が定められた有期雇用契約が基本です。ここでは、派遣で働く上で知っておきたいデメリットをご紹介します。
デメリット1有期雇用派遣の場合、就業の上限は3年
2015年9月に発表された労働者派遣法改正の雇用安定措置によって、派遣労働者が同じ派遣先で就業できる上限が3年に定められました。これは「3年ルール」と呼ばれています。
3年間経過後には、同一の就業先への直接雇用、新たな就業先の提供、派遣元(派遣会社)での無期雇用、その他の安定した雇用継続に向けたいずれかの対応が求められます。
デメリット2契約更新が必要
就業先との契約は自動更新ではなく、その都度契約を結び直します。長期雇用を前提とした場合も、契約自体は3か月ごとに更新を行うことが多く、契約期間終了の30日前までに派遣会社が就業先と労働者に契約更新についての意思確認を行い、双方の合意があれば引き続き就業することになります。1年以上など長期に就業する場合であっても、定期的に契約を更新する必要があります。また就業先において契約が終了する見込みとなった場合、派遣会社が新しい仕事を紹介し、次の仕事が決まれば新しい雇用契約を締結することになります。
デメリット3正社員との業務範囲の違い
派遣社員は、雇用契約で定められた業務のみを行うことになります。決定権などはないことが多く、重要な判断を伴う仕事は任されにくい場合があります。正社員であれば、人事異動で部署や業務が変わることもありますが、派遣社員であれば、急に業務が変わるといったこともありません。責任やプレッシャーをそこまで負わずに、自分の時間やプライベートも優先しながらしっかりと仕事をしたい方には、働きやすいといえるでしょう。
デメリット4賞与が支給されないことがある
派遣社員は派遣元である派遣会社と雇用契約を結ぶため、賞与は派遣会社で定められた規定に則るケースが一般的です。ただし、派遣会社が派遣先均等・均衡方式を採用している場合は、派遣先企業の規定に従って賞与が支給される場合もあります。
なお、アデコでは、無期雇用派遣社員として派遣先企業にて就業する「キャリアシード」や「デジタルキャリアシード」では賞与が支給されます。詳しくは下記ページをご確認ください。
デメリット5派遣会社によっては福利厚生が整っていないこともある
なお、派遣社員は雇用関係にある派遣会社の福利厚生を受けることが可能です。しかし、派遣会社によっては、福利厚生が整備されていない場合も。派遣社員として働く際には、派遣会社が提供する福利厚生について事前に確認しておくことが大切です。安定した実績があり、働くための環境がしっかりと整っている派遣会社を選ぶようにしましょう。
アデコでは、派遣社員のキャリア形成支援やより良い労働環境の確保など、派遣社員と派遣先双方に安心できるサービス基準を満たした派遣事業者である、厚生労働省の「優良派遣事業者」に認定されています。派遣でのご就業をご検討されている方は、ぜひアデコへご登録ください。
アデコは「優良派遣事業者」に認定されました派遣会社の選び方
- 1求人数や職種
- 2キャリアアップ支援制度
- 3担当者やサポート内容
- 4福利厚生の充実度
2015年の労働者派遣法改正に伴い、労働者派遣事業は厚生労働省への許可が必要となりました。
2016年度に厚生労働省が発表した派遣事業者の数は81,530カ所。これだけの数があると、どのような派遣会社を選べば良いのか悩んでしまうのではないでしょうか。ここでは、自分に合った派遣会社を選ぶためのポイントを解説していきます。
より詳しくは下記のページでも解説しています。気になる方はこちらもご覧ください。
1万3,525人に聞いた!派遣会社を選ぶ際にチェックするポイントとは?選び方1働きたい職種で選ぶ
大手派遣会社や大企業の子会社として運営される資本系派遣会社は、業界とのつながりがあるなどのメリットがありますが、中には専門分野への派遣を得意としている職種特化型の派遣会社も存在します。
働きたい職種が限定されている場合には、特化した派遣会社を選ぶのがおすすめです。派遣会社の担当者も、その職種に関する知識が豊富のため、職種特有の悩みや、キャリアプランについても相談することができます。
選び方2キャリアアップ支援制度
労働者派遣法改正により、派遣会社には専門性の向上や職務の拡大を行っていくことが求められ、キャリアアップ支援が義務付けられました。
キャリアアップ支援には、派遣労働者として働くうえで大切な、ビジネスマナー研修やパソコンなどの専門知識、資格や免許の取得などが対象となっています。専門性の高い知識が取得できるカリキュラムが用意されている派遣会社もあるため、身に付けたいキャリアによって派遣会社を選んでみてもいいかもしれません。
選び方3担当者やサポート内容
派遣社員として安心して働くためには、担当者の対応やサポート体制も重要なポイントです。親身に対応してくれる担当者の場合、自分の希望や条件に比較的マッチした仕事を探してくれます。
なお、仕事に関する悩みや困り事があったときの相談相手は、派遣会社の担当者です。派遣会社の対応やサポートが不十分では、不安や不満を抱えたまま就業しなければいけない可能性がありますので、長く派遣社員として働くためにも、信頼できる派遣会社を選ぶ必要があります。
選び方4福利厚生の充実度
派遣会社の福利厚生の充実度は、就業後に最も感じやすいポイントのひとつです。派遣会社選びでは、求人にばかり目が行きがちですが、福利厚生についてもしっかりチェックしておくことをおすすめします。
例えば、社会保険の加入時期、定期健康診断の実施、有給休暇が付与されるタイミングと日数、特定のサービスや施設の優待利用など、派遣会社によって福利厚生の内容はさまざまです。内容の充実度と併せて、自分が利用したい制度が用意されているかどうかも確認しておきましょう。
自分らしい働き方について考えてみよう
派遣社員は、正社員と比べて働き方が自由です。そのため、「自分の好きな職種や業界で働く」「プライベートを重視しながら働く」「自分のスキルを生かして新しいことにチャレンジする」など、さまざまな働き方が可能です。仕事における自分の目標を明確にし、自分の強みや弱みを理解したうえで、派遣社員としての働き方について考えてみてはいかがでしょうか。