今回は、電話応対の流れを学びます。お客さまから電話がかかってきてから応対を終えるまで、どのような流れでやりとりを進めていけばよいのでしょうか。ここでは、応対時にマスターしておきたい基本を、問題形式で学んでいきます。では今回も、さっそく、問題にトライしてみましょう。
できていますか? 正しい電話の受け方
コールセンターにおける電話応対で、Q1~Q3の___(下線部分)について、それぞれ正しいものを(ア)~(ウ)の中から選んでください。
解答と解説をチェック!
電話応対は、挨拶から始まり、どんな用件で電話をかけてきたのか正確に理解する→内容を確認する→挨拶をして電話を切るという一連の流れがあります。このうち、電話応対の基本というべきものが、Q1~Q3になります。
現在、ほとんどのコールセンターでは、自動応答による音声ガイダンス(IVR)を導入しています。ですから、コールセンターに電話をかけたお客さまは、まず、IVRを聞き、それに沿って自分の用件に該当する番号をプッシュ回線で選んだあと、私たちオペレーターにつながって話をするしくみになっています。
IVRでは、第一声で、「いつも、ありがとうございます。○○会社でございます」と社名を名乗る場合が多いので、通常はオペレーターにつながったあとの第一声は、(ウ)の「○○担当の○○です」と、自分の名前を名乗るのが挨拶代わりになります。
いっぽう、家族や親しい人と話すときならまだしも、(ア)の「もしもし」はビジネスマナーとしてNG。例えば、いったん保留にしたあとに電話に出る場合、つい、「もしもし」と言ってしまうようなケースも多いので注意しましょう。
- ※会社によっては、オペレーターの第一声が、社名を名乗るようにしているところもあります。
コールセンターに電話をかけてきたお客さまは、オペレーターとの電話のやりとりだけで会社の良し悪しを判断します。なかでも、オペレーターがはじめに電話に出たときに受ける印象、つまり、(ア)第一印象が重要になるのです。ですから、「○○担当の○○です」と言う第一声は、明るく、爽やかに話すことを心がけましょう。このとき、前回、お伝えした、「笑声(えごえ)」(通常、話すときよりも、声のトーンをやや高めに意識して、笑顔で話すこと)を意識すると、より、相手に与える印象は良くなります。
(イ)てきぱきとした話し方は、時と場合に応じて、良くも悪くもなります。急いでいるお客さまにとっては、要点のみをてきぱきと話す方が喜ばれますが、丁寧に説明してほしいと思っているお客さまにとっては、冷たい、分かりにくいなど、あまり良くない印象を与えてしまいます。
(ウ)楽しく会話するは、明るい雰囲気は出ますが、馴れ馴れしい印象を与えやすい点でマイナスです。ただし、例えば、通販のコールセンターで商品の受注を受けるときなどは、ある程度、「楽しい」雰囲気もあった方がベターな場合があります。欲しい商品が購入できたと喜んでいるお客さまに対し、相手のテンションに合わせて、こちらも楽しそうな雰囲気で、明るく答える方が、お客さまが気分良く商品を買えるからです。このあたりの対応は、コールセンターで扱う商品やサービスによって異なりますが、OJTなどを通してきちんと指導してもらえるので安心してください。
お客さまと電話応対をするときは、用件を聞いて、理解する。ここが肝心です。お客さまの聞きたいこと、知りたいことがAなのに、オペレーターが誤ってBだと理解してしまうと、途中でやりとりにズレが生じ、結果、振り出しに戻って、ゼロから用件を聞き直すことになります。これは、お客さまにとって時間のムダになるだけでなく、不快な思いをさせてしまうので、絶対に避けたいことです。
用件を確定させるうえで重要なのが、(ア) 復唱することです。「○○の用件ですね」と復唱して確認することで、お互いに相違がないか確認でき、用件を確定できるからです。
【コールセンターにおける電話応対の流れを理解しておきましょう】
挨拶は上のA1、A2を参照、問い合わせ内容の確認はA3にあるように、復唱して間違いのないようにすることが大切です。さらに、必要事項の確認、電話を切る前の挨拶では、以下の2点に注意しましょう。
曖昧な回答に注意
用件を確定したあとは、それについて回答していきますが、ここで心がけたいのは、「曖昧な答えをしないこと」です。確実に答えられるものは、その場で的確に答えますが、少しでもうろ覚えのもの、曖昧なものに関しては、なんとなく答えてしまうのではなく、いったん保留にして、SVなど上の者に確認してから答えます。また、調べなければ分からないものについては、「お調べするのにお時間がかかるので、確認して、○分後に、折り返ししてもよろしいですか」とお伝えするようにします。
電話を切る前の挨拶
最後、電話を切る前に挨拶するときは「ありがとうございます」と、電話をかけてくれたことに対するお礼を述べて、明るく終えるのが基本ですが、電話の内容によっては、お客さまにお詫びをしなければならないこともあります。このときは、「ありがとうございます」ではなく、「このたびは、ご迷惑をおかけしました。申し訳ございませんでした」という一言が必要です。このように、最後の締めくくりは、お客さまの用件や状況に応じた配慮が必要になると心得ておきましょう。
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