事務職を目指す際は、そもそも自分が「向いている人の特徴に当てはまるか?」という点を考えることが大切です。事務職が向いているかを事前に考えることで、就業後に後悔するという事態を防げます。このページでは、事務職に向いている人・向いていない人の特徴などについて解説します。
事務職に「向いている人」の特徴
事務職に向いている人の特徴としては以下が挙げられます。
- 毎日の定型業務にコツコツと取り組める人
- 他の人のサポートに徹することが好きな人
- 臨機応変に対応できる人
- 自分の気分に関係なく、淡々と業務をこなせる人
- スケジュール管理をして期日までにお仕事を遂行できる人
- 最低限のコミュニケーション能力がある人
毎日の定型業務にコツコツ取り組める人
毎日の定型業務にコツコツ取り組める人は事務職に向いています。事務のお仕事内容は、以下のような定型業務が多いです。
- 書類作成
- データ入力
- 備品管理
- ファイリング
- 伝票処理
- 郵送対応
- 来客対応
- 電話対応
もちろん「月末は処理枚数が増える」「業務上のトラブルに伴い緊急対応が必要になる」などのケースもあります。しかし、基本的には毎日決まった業務をこなすことがメインです。
地道にコツコツ進めるお仕事がほとんどであるため、飽きることなく一定のペースで取り組める人なら事務職に向いているでしょう。
細やかな部分に気づいて正確に作業できる人
事務職では、細やかな部分に気づいて正確に作業できる人が向いています。
事務職のお仕事では、書類の入力漏れチェックやデータ入力、資料作成など細かい業務をメインに行います。こうした細かい業務では、以下のようなミスが起きやすいです。
- 契約書類の記載漏れに気が付かなかった
- 発注データの数値を一桁間違えた
- 顧客に渡す資料に誤字脱字があった
- 作成したファイルの保管場所を忘れてしまった
そのため、細かい部分までチェックできる人には事務職がぴったりといえます。
他の人のサポートに徹するのが好きな人
他の人のサポートが好きな人も事務職に向いています。
事務職では、営業やマーケティング、企画など幅広い職種のサポートを行う機会が多いです。事務作業自体が直接売上につながることはありませんが、事務処理をスムーズに遂行できれば他のお仕事にポジティブな影響を与えます。例えば、顧客から受領した契約書のチェックを迅速かつ正確に行えると、営業担当者が顧客対応により多くの時間を費やせるでしょう。
このような、他の担当者の活動をサポートすることが好きな人には、事務職が向いています。
臨機応変に対応できる人
事務職のお仕事では、臨機応変な対応が求められることもあります。
上記で解説したように、事務作業は定型業務がメインです。しかし、場合によっては以下のように突発的な対応を求められることもあります。
- 月末に営業担当者がまとめて案件を獲得してきたことで処理する契約書が一気に増えた
- 顧客への提出資料にミスが見つかり急遽ページを差し替えて印刷が必要になった
- 顧客からのクレーム処理を行うことになった
こうした突発的な事態に対応しながら、日常の業務も滞りなく進めなければなりません。そのため、緊急の業務が発生した際に、落ち着いて臨機応変に対応できる人は事務職に向いています。
自分の気分に関係なく一定のペースで業務をこなせる人
毎日のお仕事を一定のペースでこなせる人も事務職の適性があるでしょう。
事務職のお仕事は、企業活動の遂行に必要なものばかりです。事務職に限りませんが、自分の気分によってお仕事のクオリティに差が出ることは避けなければなりません。また、緊急で業務を依頼された際に不機嫌な対応をしてしまうと、職場の雰囲気も損なうことになり、周囲の従業員にも気を遣わせてしまいます。
上記を考慮すると、自分の感情をコントロールし一定のペースでお仕事をこなせる人は事務職に向いています。
スケジュール管理をして期日までにお仕事を遂行できる人
スケジュール管理を行い、期日までに業務を遂行できる人も事務職に向いています。
事務処理の中には、以下のように期日が設けられている業務が多いです。
- 契約書類の作成
- 顧客へのプレゼンで使う資料の作成
- 月末の経費精算処理
- 年次の決算業務
- 新年度に向けた新入社員の入社手続き
上記のような事務処理が遅れると、顧客や社員に影響を与えることもあります。とくに突発的な業務が発生した際は、一段と事務職としてのスケジューリング能力が求められるでしょう。
企業活動をスムーズに進めるために、どのような状況でも正確かつスピード感を持って、期日までに業務を遂行できる人が理想であるといえます。
最低限のコミュニケーション能力がある人
事務職として就業するうえでは、最低限のコミュニケーション能力も必要です。
事務職は社内勤務がメインとなるため、職場の人と接する機会が多くあります。接する相手が限られるため、働きやすい環境を整えるには日頃から人間関係に気を配ることが欠かせません。働く環境が快適であれば、緊急で業務の協力を依頼したり疑問点を気軽に聞けたりするでしょう。
また、事務職の種類によっては、顧客からの問い合わせに対する回答や窓口対応など、社外の人物とコミュニケーションを取ることもあります。
上記のように、社内外に関わらず良好な人間関係を構築するには、最低限のコミュニケーションスキルが必要です。とはいえ、難しく考える必要はありません。「挨拶をする」「相手の目を見て接する」「ハキハキ喋る」といった基本的なコミュニケーションができれば大丈夫です。
事務職に向いていないかも?不向きだと感じてしまうポイント
事務職として働く上で、以下のポイントに当てはまっている場合は、もしかすると就業する上で苦労することもあるかもしれません。ただどの項目も改善が可能なものばかりです。もし事務職への挑戦を検討している場合は、ぜひ改善できるポイントとしてチェックしてみてください。
- 数字に苦手意識がある人
- 人とのコミュニケーションをなるべく避けたい人
- 同じ作業の繰り返しに飽きてしまう人
- 細かい部分が気にならない人
- 業務を定量的に評価してほしい人
- じっとして作業するのが苦手な人
数字に苦手意識がある人
数字に苦手意識がある場合は事務職で働くのに苦労するかもしれません。
事務作業では、「毎月の収支を入力する」「会議の資料用にグラフを作成する」など、数字を扱う機会が多いです。数字を間違えてしまうちと、決算の数値やプレゼン資料の内容が変わるため、入念にチェックしなければなりません。
しかし数字への苦手意識は、経験や訓練によっても緩和されるものです。実際に資格取得やスクールに通うことも検討し、数字への苦手意識を克服するためにできることはないか検討してみましょう。
人とのコミュニケーションをなるべく避けたい人
人とのコミュニケーションをなるべく避けたい人も、苦労するかもしれません。
「事務は黙々と作業するお仕事」というイメージを持つ人も多いでしょう。しかし実際は、業務の分担を相談したり社内の人と連携する場面も多いです。もし緊急対応があれば、チームで連携することも必要です。
さらに、「営業担当者に変わって顧客に商品説明をする」「顧客からの問い合わせに回答する」など、社外の人物とコミュニケーションを取る機会もあります。業務で必要なコミュニケーションスキルも、日々の積み重ねで伸ばしていくことができます。またプライベートではあまりしゃべらないからといって業務上のコミュニケーションがうまくできないというわけではありません。
もしもコミュニケーションスキルについて不安を感じる場合は、ぜひ意識的にスキルを高める方法を検討してみてください。
同じ作業の繰り返しに飽きてしまう人
事務職は基本的に、書類作成やファイリング、データ入力などの定型業務がメインです。そのため毎日の業務内容がほぼ決まっているため、同じ作業の繰り返しに飽きてしまう人は業務自体が辛く感じてしまうかもしれません。
しかし単調だと思われる定型業務も、実は工夫次第で楽しくなるものです。「業務効率化できるポイントを探してみる」「少しでも早くできるやり方を模索する」「仕組み化して自動化できないか検討する」など、工夫の余地はたくさんあります。
実際にアデコで就業中の方の中でも、「業務効率化できたこと」や「以前よりも早く業務ができるようになったこと」を仕事の中でのやりがいに感じている方が多くいらっしゃいます。
そのため、もしも今、事務職に興味を持っている場合は一度チャレンジしてみることをおすすめします。定型業務に飽きてしまうという方も、実際にお仕事をしていく中で、自分だけの楽しさを見つけられるかもしれません。
細かい部分が気にならない人
細かい部分に注意をむけられない人も、事務職のお仕事が大変に感じるかもしれません。
事務職のお仕事では、資料の誤字脱字や書類の入力漏れ、入力したデータの数値など、細かい部分のチェックを求められます。
「細かい部分が気にならない」「チェックする習慣がない」という人は、処理上の見落としが多くなります。
しかしこれは習慣やチェックするポイントの見極めの問題でもあります。ケアレスミスやチェックの習慣などはスキルとして身に付けられると言えるでしょう。
業務をしていくうちに、どういった点に気を付ければよいかはわかってくるはずです。
未経験OKのお仕事の場合は、こういった注意すべき点や業務の進め方をしっかりと研修で教えてもらえる職場が多いです。そのため「ケアレスミスが多い」、「チェック作業が苦手」と不安を抱えている方も、ぜひチャレンジしてみてください。
業務を定量的に評価してほしい人
自分の業務を定量的に評価してほしいという方は、もしかすると事務職として働く中で不満を感じるかもしれません。
事務職は営業やマーケティングと異なり、「営業件数を◯件獲得した」「施策によってサイトのアクセス数を◯倍まで伸ばした」など、成果を定量評価するのが難しい職種です。
自分の働きが明確に数値化されないため、「成果が見えないとモチベーションが上がらない」と感じるかもしれません。
じっとして作業するのが苦手な人
事務職は、基本的に座ってPCで作業を行うお仕事です。一日を通して自席を離れる機会が少ないため、じっとして作業するのが苦手な人はお仕事が辛く感じるかもしれません。
これからの時代に事務職で活躍できるのはどんな人?
事務職に挑戦する際は、上記の「向いている人・向いていない人」の特徴をチェックして、自分の適性を確認しておきましょう。
また、「これからの時代に事務職で活躍できる人物像」も把握しておくと、より自分にあったお仕事の選択につながります。
事務職で活躍できる人の具体的な特徴は以下の通りです。
- 変化に対応して能動的に動ける人
- 一定のPCスキルがある人
- 事務職の実務経験がある人
変化に対応して能動的に動ける人
今後は、事務職でも時代の変化に対する対応が求められます。
上記で解説したように、事務職は定型業務が多いです。しかし現在は、AIやRPAなどの登場によって、一部の事務作業が自動化されています。作業が自動化される中で、「毎日の定型業務だけをこなせばよい」という考え方では、いずれ自分のお仕事が減るかもしれません。
変化に対応して企業から求められる事務職になるには、「どうすれば業務を効率化できるか?」「自分の業務がどれほど企業活動にインパクトを与えているのか?」という広い視点で考え、能動的に動くことが必要です。例えば「新しく知識を身に付けたほうが事務職として企業に貢献できる」と考えたのであれば、積極的に資格を取得するのもよいでしょう。
このように、今後の変化を予測して柔軟に行動できる人は、事務職として求められ続けます。
一定のPCスキルがある人
事務職では、以下のような一定のPCスキルがあると引き続き重宝されるでしょう。
- PowerPointで見やすくわかりやすい資料を作成できる
- Excelで関数やマクロを使いこなせる
- ショートカットキーを使いこなして事務作業を効率化できる
PCスキルを勉強するには、「MOSなどの資格を取得する」「スクールに通う」などの方法が有効です。
派遣会社の中には、提携している資格スクールを特別価格で利用できることもあるので、積極的に活用しましょう。アデコでも、Winスクールやアビバ、KENスクールといった大手スクールを特別価格で利用できます。他にも提携スクールがあるため、こちらからご確認ください。
事務職の実務経験がある人
すでに事務職の実務経験がある人であれば、今後も活躍できます。また、研修や教育コストを削減できるため、企業としても積極的に採用したいでしょう。
事務職の中には、専門性が高い職種(経理事務・貿易事務・人事労務事務など)があります。こうした専門性が高い事務職はとくに教育コストがかかるため、すでに実務経験を積んでいる人はこれからも需要が高いでしょう。
「向いていなかった」と後悔しないために事務職との相性をチェックしよう
事務職は「毎日の定型業務を正確にこなせる」「細かい部分をチェックして修正できる」といった人に向いているお仕事です。また、コミュニケーション能力も必要なため、最低限社内外の人物とやり取りできるスキルを身に付けておきましょう。
万が一、自分に向いていないにも関わらず事務職を選んでしまうと、働き始めてから後悔することになるかもしれません。悔いのないキャリアを歩めるよう、まずは自分が事務職に向いているかをチェックすることが大切です。
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