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永住権と帰化の違いとは?永住者許可申請のポイントや注意点を解説!

人材不足が深刻な日本国内では、外国人材を積極的に雇い入れる企業が増えています。

外国人材を雇い入れる際に、「在留期間」が気になる企業担当者もいるのではないでしょうか。どれだけ優秀な人材でも、外国人材の場合「在留期間」に制限があるため、在留期間が切れてしまうと雇用契約も見直さなければなりません。

外国人材が、できるだけ長く在籍する企業で働き続けたいと考え、企業側も長期雇用を希望するケースでは、外国人材の「永住権」の取得を検討する企業も存在します。

本記事では、外国人材の「永住権」に関して、日本における「永住権」とはどのようなものか、「帰化」との違いはどこにあるのか、永住権の申請方法などを解説します。

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目次
永住権とは 帰化と永住者の違い 特別永住者とは 永住者の在留資格の取得に必要な条件 素行が善良であること 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること 永住が日本国の利益に合すると認められること 10年在留に関する特例 永住者の在留資格の申請方法 永住許可申請の対象者 申請提出者 申請書類・申請先 審査期間 まとめ

永住権とは

日本で活躍する外国人材を対象として使用される「永住」とは、「外国籍を有したまま日本に住み続けること」をさし、「永住権」とはその権利を意味します。

このような外国人材が在留期間と職業の制限を受けずに、長く日本に住み続けるための方法のひとつに「在留資格」の「永住者」があり、この「永住者の在留資格」が日本における「永住権」と同義の資格となっています。

帰化と永住者の違い

外国人の方が、日本国内に永住が可能となる制度に「帰化」があります。「帰化」は、外国籍の方が日本国籍を取得するための制度です。

在留資格の永住者を取得して日本国内に永住するケースと帰化して日本国籍を取得するケースの違いは、国籍変更の有無です。

永住者の在留資格を取得して日本に永住するケースでは、出身国の国籍から変更せず、外国籍のままであるのに対して、帰化の場合は出身国の国籍を手放して、日本国籍に変更が必要です。

特別永住者とは

在留資格には、永住者とは別に「特別永住者」の資格もあります。

「特別永住者」の在留資格は、1991年に設立された資格で日本に住む韓国籍や朝鮮籍などの方とその子孫に対して与えられる永住資格です。

1945年に終戦を迎え、日本の敗戦により朝鮮半島が独立を取り戻し、日韓併合以降から日本国内に住んでいた朝鮮半島出身者は韓国籍や朝鮮籍に戻されました。

その後、日本に残った朝鮮半島出身者は日本人に帰化した人も多くいましたが、それぞれの出身国の国籍を維持したまま、日本国内に住み続けることを選択した人も少なくありませんでした。

このように国家併合と戦争の影響で、日本国内に住むこととなった在日韓国・朝鮮人などに対して設立された永住資格が「特別永住者」の在留資格です。

永住者の在留資格の取得に必要な条件

永住者の在留資格を取得すると在留期間を気にせずに外国人材をより長く、安定して雇い入れることが可能となります。

外国人材の永住者の在留資格に関しては、「永住許可に関するガイドライン」が設定されており、永住許可申請の要件が規定されています。

具体的には以下の3つです。

  • 素行が善良であること
  • 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
  • 永住が日本国の利益に合すると認められること

また、10年在留に関する特例もあります。

それぞれ順に解説します。

素行が善良であること

永住許可に関するガイドラインでは「法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること」と記載されています。

独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

永住許可に関するガイドラインでは「日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること」と記載されています。

永住が日本国の利益に合すると認められること

ガイドライン上では、以下の4項目をクリアしていることが永住者の資格取得に必要とされています。

  • 原則として10年以上日本国内に在留していること
  • 罰金刑や懲役刑などを受けていないこと
  • 現有の在留資格で規定された最長期間の在留をしていること
  • 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと

10年在留に関する特例

永住者の在留資格取得に関して、許可の要件に「原則として10年以上の日本での在留」が定められていますが、この条件には特例があり、10年以上の在留期間がない場合でも永住者の在留資格が認められるケースがあります。特例要件は以下のとおりです。

  • 日本人、永住者資格の保有者、特別永住者資格の保有者の配偶者の場合は、実体を伴った婚姻生活を3年以上継続し、かつ1年以上日本に在留していること
  • 「定住者」の在留資格を保有して5年以上日本に在留していること
  • 難民の認定を受けている者で、認定後5年以上継続して日本に在留していること

このほかにも10年在留に関する特例が認められるケースがあります。

  • 日本への貢献が認められること
  • 「高度人材外国人」として規定のポイント計算により高得点を維持していること
  • 「特別高度人材」として規定する基準を満たしていること

詳しい得点や基準に関しては、永住許可に関するガイドラインをご確認ください。

永住者の在留資格の申請方法

在留資格の「永住者」取得のための申請は「永住許可申請」と呼ばれています。

永住許可申請は、「在留資格を有する外国人で、在留資格の変更を希望する者又は出生等により在留資格の取得を希望する外国人が、永住者の在留資格への変更又は永住者の在留資格の取得を希望する場合に行う申請」です。

永住許可申請について、以下の4つの項目に分けて詳しく解説します。

  • 永住許可申請の対象者
  • 請提出者
  • 申請書類・申請先
  • 審査期間

永住許可申請の対象者

永住許可申請の対象者に関しては、入管法第22条に以下のように規定されています。

  • 永住者の在留資格に変更を希望する外国人
  • 出生等により永住者の在留資格の取得を希望する外国人

現有の在留資格から永住者へ資格を変更する場合

現有の在留資格から永住者へ資格変更を希望する場合、在留期間が満了する日以前の申請が必要です。

また、永住許可申請中に在留期間が経過する場合は、在留期間の満了する日までに別途在留期間更新許可申請が必要となります。

なお、永住許可申請が認められた場合は手数料として8,000円が必要となる点にも注意しましょう。

出生等により永住者の在留資格を取得する場合

出生等の理由から永住者資格を取得する場合、出生その他の事由発生後30日以内の申請が必要です。この場合、手数料は不要となります。

申請提出者

永住許可申請は、申請人本人以外でも可能です。具体的には以下に該当する方となります。

  • 法定代理人
  • 取次者
  • 地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けている次の者で、申請人から依頼を受けたもの
      申請人が経営している機関又は雇用されている機関の職員
      申請人が研修又は教育を受けている機関の職員
      外国人が行う技能、技術又は知識を修得する活動の監理を行う団体
      外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員
  • 地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士で、申請人から依頼を受けたもの
  • 申請人本人が16歳未満の場合又は疾病その他の事由により自ら出頭することができない場合には、その親族又は同居者若しくはこれに準ずる者で地方出入国在留管理局長が適当と認めるもの

申請書類・申請先

永住許可申請には、申請人の在留資格等により必要となる書類を用意しなければなりません。また、申請に関しては住居地を管轄する地方出入国在留管理官署にて行うか、外国人在留総合インフォメーションセンターに問い合わせましょう。

申請書類の一例として、就労関係の在留資格所有者のケースで必要な書類を紹介します。

  • 永住許可申請書 1通
  • 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
  • 理由書 1通
  • 身分関係を証明する次のいずれかの資料(申請人の在留資格が「家族滞在」の方の場合)
    (1)戸籍謄本(全部事項証明書) 1通
    (2)出生証明書 1通
    (3)婚姻証明書 1通
    (4)認知届の記載事項証明書 1通
    (5)上記(1)~(4)に準ずるもの
  • 申請人を含む家族全員(世帯)の住民票 1通
  • 申請人又は申請人を扶養する方の職業を証明する次のいずれかの資料
    (1)会社等に勤務している場合
       在職証明書 1通
    (2)自営業等である場合
       確定申告書控えの写し 1通
       営業許可書の写し(ある場合) 1通
       ※ 自営業等の方は、自ら職業等について立証が必要
    (3)その他の場合
       職業に係る説明書(書式自由)及びその立証資料 適宜
       ※ 申請人及び配偶者の方お二方とも無職の場合についても、その旨を説明書(書式自由)に記載して提出
  • 直近(過去5年分)の申請人及び申請人を扶養する方の所得及び
    納税状況を証明する資料
  • 申請人及び申請人を扶養する方の公的年金及び
    公的医療保険の保険料の納付状況を証明する資料
  • 申請人又は申請人を扶養する方の資産を証明する次のいずれかの資料
  • 申請人のパスポート(旅券)又は在留資格証明書 提示
  • 申請人の在留カード 提示
  • 身元保証に関する資料
  • 我が国への貢献に係る資料(※ある場合のみ)
  • 身分を証する文書等 提示
  • 了解書 1通

審査期間

申請から許可までの審査期間は、概ね4ヶ月程度とされています。

まとめ

深刻な人材不足への対策として、外国人材を雇い入れる企業が増えてきています。

外国人材の雇用において、課題となる点に「在留期間」の問題があります。今後も人材不足は継続することが予測されるため、優秀な外国人材をより長期的に安定して継続雇用することが重要です。

在留資格のひとつである「永住者」は、日本での永住を希望する外国人に認められる事実上の永住権として見なされています。永住者の資格は、在留資格を保有している外国人の方が、一定の条件を満たし、永住許可申請を行うことで認められる資格です。

外国人材の積極的な活用を検討している企業担当者の方は、永住者資格に関する理解を深めることで、日本への永住を希望する外国人材の長期雇用につながるでしょう。

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