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特定技能ビザとは?在留資格の取得方法や申請手続きをわかりやすく解説
特定技能ビザとは?在留資格の取得方法や申請手続きをわかりやすく解説

高齢化、過疎化、後継者不足などを背景に人材不足が特に深刻化している特定の産業分野で、労働力を確保するために創設されたのが「特定技能」と呼ばれる制度です。

特定技能は複数ある在留資格の一種ですが、一定の知識やスキルがなければ資格を取得できない特徴をもっています。早急に人手不足を解消するべき分野で、即戦力の人材として活躍が期待でき、国も受け入れを促進しています。

受け入れが可能な分野は16分野です。うち4分野は2024年3月に追加が閣議決定されました。受け入れの拡大も発表されており、特定技能外国人材の活用には注目が高まっています。

本記事では、特定技能外国人材の受け入れを検討されている事業者様に向け、制度の概要をはじめ、特定技能の在留資格の取得方法を解説します。

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目次
特定技能制度とは 在留資格とビザ(査証)の違い 特定技能の受け入れ分野 特定技能1号と2号の違い 特定技能所属機関が満たすべき基準 特定技能の在留資格の取得方法 特定技能外国人の基準 技能実習を良好に修了する 各分野の技能や日本語の検定に合格する 特定技能外国人材の受け入れ手順 ステップ1:採用活動 ステップ2:労働契約の締結 ステップ3:「在留資格認定証明書交付申請」または「在留資格変更許可申請」 ステップ4:ハローワークへの届出 特定技能受け入れ支援業務は登録支援機関に委託できる まとめ

特定技能制度とは

外国人が日本で働くためには、就労できる在留資格が必要です。特定技能は、就労が認められている在留資格の一種で、1号と2号の区分が存在します。

特定技能は、人手不足が特に深刻化している特定産業分野での人材確保を、国が支援する目的で創設された制度です。

厚生労働省のデータによると、特定技能外国人材の受け入れ人数は令和6年4月時点で約22万人です。政府は、受け入れ人数の上限を令和6年度からの5年間で82万人に拡大する方針を発表しており、今後も国内で就労する特定技能外国人材はさらに増加する見込みです。

特定技能の在留資格は、一定の水準以上の知識やスキルがなければ取得できません。採用すれば即戦力として期待できる点が、受け入れ側のメリットです。

特定技能1号の在留期間は通算5年まで、2号は一定期間ごとの更新の必要こそあるものの、在留期間の通算上限がなく、長期就業が見込める点も大きな特徴です。2号は条件を満たせば配偶者や子の帯同も許可されるため、外国人にとってもメリットがあります。人材の長期定着は、結果として採用コストの削減にもつながります。

在留資格とビザ(査証)の違い

在留資格と間違われやすい言葉に「ビザ(査証)」があります。日常会話のなかで同義語として扱う人もいます。

しかし、ビザと在留資格は性質が異なる別のものです。

ビザは日本に入国するため推薦書であり、海外の日本大使館や総領事館(在外公館)が発行します。在留資格は日本に在留するための資格であり、出入国在留管理庁(入管)が許可します。新たに海外から日本に入国する外国人は、先に入管へ在留資格を申請し、在留資格認定証明書の交付(≒在留許可)を経て、在外公館でビザの発給を受ける必要があります。

外国人労働者を受け入れる事業者は、在留資格とピザの違いを正しく把握しておかなければ諸手続きに支障が出る可能性が考えられるため、混同しないよう注意しましょう。

特定技能の受け入れ分野

特定技能外国人材の受け入れが可能な分野は、以下のとおりです。

  • 介護
  • ビルクリーニング
  • 工業製品製造業(旧:素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)
  • 建設
  • 造船・舶用工業
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業

1号は上記に挙げた分野の全てで特定技能外国人材の受け入れが可能です。2号は介護以外の分野が対象です。介護の場合は、1号からの移行先の在留資格として「介護」が既に存在するためです。

また、上記12分野と同様に人手不足が深刻であるとして、政府は新たに「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の4分野も追加する方針を発表しました。追加される業種は以下のとおりです。

  • 自動車運送業:タクシー・バス・トラックなどのドライバー
  • 鉄道:駅員や運転士・車両整備士等
  • 林業:育林等
  • 木材産業:木材加工等

自動車運送や鉄道分野では、接客や適切な安全管理が必要とされる業務の特性上、ほかの分野より高い日本語能力が求められる見込みです。

特定技能1号と2号の違い

特定技能は1号と2号に分類されますが、前述の受け入れ分野以外にも異なる点が存在します。

特定技能1号は、特定技能評価試験と日本語能力試験N4に合格するか、技能実習2号を良好に修了し取得できます。在留期間は通算で5年までです。なお、現行の技能実習制度は廃止が決定し、新しく「育成就労」制度に移行が予定されています。今後、政府が発表する情報に注意してください。

1号特定技能外国人が扶養者となる「家族滞在」の在留資格が認められていないため、配偶者・子の帯同や、新たに本国から配偶者・子を呼び寄せることが基本的にはできないことにも注意が必要です。

ただし、1号特定技能外国人の配偶者や子が、日本で既に「家族滞在」の在留資格を持っている場合は、「特定活動(1号特定技能外国人の被扶養者/告示外)」の在留資格へ変更できる可能性があります。

また、特定技能1号の在留資格を持って働く外国人労働者は、所属機関または登録支援機関が、法務省令似て定められた10項目の義務的支援を実施しなければならない対象です。

特定技能2号は、1号より高い技術力や実務経験が求められます。在留期間は無期限となり、要件を満たす場合には「家族滞在」の在留資格で配偶者・子の帯同や海外からの呼び寄せが許可されます。1号と異なり、所属機関または登録支援機関による義務的支援の対象外です。

特定技能所属機関が満たすべき基準

特定技能外国人材を受け入れる事業者を「所属機関」といいます。

下記に挙げる基準を満たさなければ、所属機関としては認められません。特定技能外国人材の採用を検討している場合は、まずは基準をクリアする準備から始めましょう。

  1. 外国人と締結する雇用契約が適切である
  2. 所属機関自体が適切である(法令順守・欠格自由に該当しないなど)
  3. 外国人を支援する体制がある
  4. 外国人を支援する計画が適切である

出典:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック

特定技能の在留資格の取得方法

特定技能の在留資格の取得方法

外国人が特定技能の在留資格を取得するための条件を解説します。

特定技能外国人の基準

特定技能の在留資格を取得するためには、外国人本人も基準を満たしていなければなりません。

外国人本人が満たすべき要件は以下のとおりです。

  • 18歳以上である
  • 健康状態が良好である
  • 退去強制の円滑な執行に協力する国が発行した有効なパスポートを所持している
  • 保証金を徴収されていない
  • 外国の機関に費用を支払っている場合は、内容に合意している
  • 送り出し国で遵守すべき手続が定められている場合、必要な手続を経ている
  • 食費・居住費など外国人が定期的に負担する費用の内容に合意している。また、該当の費用の額が実費相当額その他の適正な額であり、明細書その他の書面が提示されている
  • 分野特有の基準に適合している(※分野所管省庁の定める告示で規定)
  • 特定技能1号の場合、特定技能1号での在留期間が通算5年に達していない

技能実習の修了や検定の合格を経ていても、上記の要件を満たさない外国人は特定技能の資格を取得できません。

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受け入れる際のポイント」

技能実習を良好に修了する

技能実習とは、外国人が日本で得た知識や技術を自国に持ち帰って活用するための制度です。開発途上地域への技術移転による国際貢献を目的に、国によって創設されました。

技能実習で認められている在留期間は最長5年で、1年目が技能実習1号、2~3年目が2号、4~5年目が3号に該当します。

技能実習2号以降を良好に修了した外国人は、特定技能の要件に定められている、日本語の検定が免除されます。さらに、従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性が認められる場合は特定技能1号評価試験も免除されます。

現行の技能実習制度は、転職が規制されているなどの理由で外国人労働者の立場が弱くなりやすい点が問題視されています。制度を悪用する事業者が不当に低い賃金で働かせたり、本来の目的である技術移転ではなく単純労働力として酷使したりするケースが存在するためです。

こうした技能実習生問題を解消するため、政府は現行の技能実習を廃止し、それに代わる制度として「育成就労」制度の新設を予定しています。技能実習生本人の都合による転職制限の緩和や、特定技能への移行がしやすくなる改正がなされる見通しです。

各分野の技能や日本語の検定に合格する

技能実習を修了する以外に、特定技能1号評価試験と日本語能力試験にN合格して特定技能1号を取得する方法も存在します。

特定技能1号評価試験は、分野ごとに必要な知識やスキルを有しているかを確認するため、筆記試験と実技試験が設定されています。特定技能の資格を取得するには、両方の試験の合格が必要です。

日本語能力は、「JFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)」または「(JLPT)日本語能力試験」のいずれかで基準以上の成績を証明し条件をクリアできます。JFT-BasicであればA2レベル、JLPTではN4レベル以上の成績が必要です。

どちらの検定でも、ある程度の日常会話ができるレベルが求められます。

特定技能外国人材の受け入れ手順

特定技能外国人材を受け入れる際の手順を解説します。前提条件として、外国人本人が資格取得のための要件を満たしている場合を想定しています。資格取得のための要件は、前項の「特定技能の在留資格の取得方法」をご確認ください。

ステップ1:採用活動

まずはハローワークや学校・国内外の人材紹介機関などを通じて採用活動を行いましょう。
SNSや自社ウェブサイトでの発信も活用できます。

民間の人材紹介機関を利用する場合、トラブルを避ける手段として厚生労働大臣の許可を受けた企業を利用することをお勧めします。また、ベトナム・フィリピン・ミャンマーなど送り出し国によっては、その国の認定送り出し機関の利用を義務付けている場合があるため、事前の確認が必要です。

ステップ2:労働契約の締結

採用が決定したら、労働契約を締結しましょう。特定技能の雇用契約が満たすべき基準は次項を参照してください。

特定技能1号の外国人を受け入れる場合は支援計画を作成し、事前ガイダンスや健康診断を行います。支援計画に記載するべき事項は以下のとおりです。

  • 支援責任者の氏名および役職
  • 事前ガイダンス
  • 出入国の際の送迎
  • 住居確保や生活に必要な契約支援
  • 生活オリエンテーション
  • 公的手続などへの同行
  • 日本語学習の機会の提供
  • 相談や苦情への対応
  • 日本人との交流促進
  • 転職支援(人員整理等の場合)
  • 定期的な面談や行政機関への通報
  • 支援を委託する場合は登録支援機関名

出典:出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」

特定技能雇用契約が満たすべき基準

特定技能の雇用契約は、下記の基準を満たす内容でなければなりません。

  1. 分野省令で定められた技能を要する業務に従事させる内容である
  2. 所定労働時間が、特定技能外国人材以外の通常の労働者と同等である
  3. 報酬額が日本人と同等以上である
  4. 外国人である旨を理由とした不当な条件が記載されていない
  5. 一時帰国を希望した場合の休暇取得の規定がある
  6. 派遣の場合は派遣先や派遣期間が明確に定められている(※農業・漁業のみ)
  7. 外国人が帰国旅費を負担できない場合、所属機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑に進むよう必要な措置を講ずる内容が記載されている
  8. 外国人の健康状態や生活状況を把握するために必要な措置を講ずる内容が記載されている
  9. 分野特有の基準に適合している(※分野所管省庁の定める告示で規定)

出典:出入国在留管理庁「特定技能外国人受け入れる際のポイント」

ステップ3:「在留資格認定証明書交付申請」または「在留資格変更許可申請」

海外にいる外国人を採用する場合、所属機関または登録支援機関、申請取次弁護士・行政書士が地方入管に在留資格認定証明書の交付を申請します。取得した証明書を国外にいる外国人本人に送り、本人が在外公館でビザを申請し、ビザが取得できれば来日が可能になります。

日本に在留している外国人の場合、地方入管に在留資格変更許可申請を行います。手続きを行うのは原則として外国人本人ですが、申請取次資格を有する弁護士・行政書士や、登録支援機関職員による申請取次も可能です。申請内容に問題がなければ新しく特定技能の在留カードが発行され、就労が可能になります。

ステップ4:ハローワークへの届出

特別永住者や在留資格が「外交」「公用」以外の外国人労働者を雇用した際は、ハローワークへの届出を行わなければなりません。

外国人労働者が雇用保険の被保険者の場合は、届け出先は雇用保険の適用を受けている事業所の管轄です。提出期限は雇い入れ日の翌月10日までです。

特定技能は原則としてフルタイム雇用のため届け出方法は上記の通りですが、特定技能以外で雇用保険の対象外の外国人を雇用した場合は、当該労働者が勤務する事業所の管轄のハローワークに、雇い入れの翌月末日までに届け出ます。

また、離職の際も所定の届出が必要なので注意してください。届出の義務に違反すると30万円以下の罰金が科される対象となるため忘れずに届け出ましょう。

特定技能受け入れ支援業務は登録支援機関に委託できる

特定技能外国人材の所属機関が実施しなければならない支援は項目が多く、内容も複雑です。初めて外国人労働者を受け入れる事業者の方は戸惑うかもしれません。

支援計画は、一部または全部を外部の登録支援機関に委託できます。

登録支援機関は、出入国在留管理庁長官の登録を受け認定されます。登録支援機関に支援の全部を委託した場合、所属機関は満たすべき基準をクリアしたものとみなされます。

特定技能外国人材を受け入れられる分野は慢性的な人手不足に陥っているため、支援計画の作成まで手が回らずお困りの事業者様も多いのではないでしょうか。

支援計画作成にお悩みの場合は登録支援機関への委託も検討してみてください。

まとめ

特定技能は在留資格の一種で、労働力の低下が著しい特定産業分野の人材確保を目的として国が創設した制度です。

ビザは入国するための推薦書で、日本に在留するための在留資格とは異なるため混同しないよう注意しましょう。

特定技能外国人材は、一定水準以上の知識やスキルを有する点がメリットです。1号と2号の分類があり、技能実習の修了もしくは分野ごとの技能や日本語の検定に合格すれば取得できます。

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