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技能実習生とは?制度の概要や問題点を解説!新設される「育成就労」の情報も紹介
技能実習生とは?制度の概要や問題点を解説!新設される「育成就労」の情報も紹介

技能実習生は、技能実習制度を通じて専門的な知識やスキルを習得するため日本国内で就労する外国人材です。技能実習生は、定められた期間の実習を終えると、日本で得た技術を自国に持ち帰り活用します。

技能実習は本来、発展途上地域に技術を移転し国際的な協力を行うために創設された制度です。しかし、実態として受け入れ企業による目的外の利用や、悪質な仲介業者の存在が問題となっています。

技能実習生に関する諸問題を是正するため、現行の技能実習制度は新制度「育成就労」への移行が予定されています。

新制度では在留資格「特定技能」への移行もしやすくなる見通しで、人材の流出を防ぎ、中長期的な雇用に向けた取り組み内容である旨がわかります。

本記事では、技能実習制度の概要や育成就労の情報を解説します。

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目次
技能実習生とは? 技能実習制度の概要 技能実習生を受け入れる方法【企業単独型】と【団体監理型】 技能実習生の在留資格と区分 技能実習生と特定技能外国人との違い 技能実習生問題 制度目的外の利用 劣悪な労働環境 悪質な送出機関 技能実習生問題解消のため新設される「育成就労制度」 技能実習生を受け入れる際の注意点 在留期間に注意する 実習実施者が果たすべき義務 技能実習生の受け入れ上限人数が設定されている 技能実習生になれるのは海外にいる外国人のみ まとめ

技能実習生とは?

技能実習法に基づく技能実習制度を利用し、就労を通じて知識や技術を得るため来日して働く外国人が技能実習生です。

法務省の公表するデータによると、技能実習生として日本に在留している外国人の数は令和5年末時点で404,556人です。

職種別にみると、建設関係が最も多く21.9%を占めます。次いで多い職種は食品製造関係の19.0%と、機械・金属関係の14.4%です。

国籍別のデータでは50.2%のベトナムが最多です。二位はインドネシアで18.4%、三位はフィリピンで8.9%でした。

在留資格別にみた場合、人数が一番多いのは永住者ですが、技能実習生は二番目に多く404,556人です。我が国では、現在多くの外国人が技能実習生として就労している実態がわかります。
出典:法務省「外国人技能実習制度について」
出典:出入国在留管理庁「令和5年末現在における在留外国人数について」

技能実習制度の概要

外国人技能実習制度は、技術や知識の移転により開発途上地域の経済発展に協力する国際貢献を目的に創設されました。先進国として、国際社会のなかで調和ある発展に寄与する効果を期待し設けられた制度です。

技能実習生は実習が修了すると、日本で獲得したスキルを自国に持ち帰って活用します。在留期間は、最長の場合で5年まで認められます。

技能実習生を受け入れられる職種・作業は国によって明確に定められています。決められた範囲外の事業者は、技能実習制度の利用ができません。

技能実習生の受け入れが可能な業種は以下のとおりです。

  • 農業関係(2職種6作業)
  • 漁業関係(2職種10作業)
  • 建設関係(22職種33作業)
  • 食品製造関係(11職種18作業)
  • 繊維・衣服関係(13職種22作業)
  • 機械・金属関係(17職種34作業)
  • その他(21職種38作業)
  • 主務大臣が告示で定める職種および作業(2職種4作業)

出典:厚生労働省「技能実習計画審査基準・技能実習実施計画書モデル例・技能実習評価試験試験基準」

技能実習生を受け入れる方法【企業単独型】と【団体監理型】

技能実習生を受け入れる方法には、「企業単独型」と「団体監理型」の2種類が存在します。

企業単独型は、日本の事業者の海外法人や合弁企業・取引先の従業員を受け入れる方式です。

団体監理型は、非営利の「監理団体」が技能実習生を受け入れ、傘下の事業者が「実習実施者」と呼ばれる実際の就労先となる方式です。

法務省の公表する令和5年6月末時点のデータによると、技能実習生は団体監理型による受け入れが全体の98.3%を占めます。

団体監理型で技能実習生を受け入れる場合、まずは監理団体と契約し、採用活動を行います。採用が決定したら技能実習計画認定申請を外国人実習機構に行い、認定されたら出入国在留管理庁へ在留資格認定証明書交付申請を行いましょう。

在留資格認定証明書が発行されたら本人が自国でビザ(査証)を申請します。申請内容に問題がなくビザがおりれば、日本での就労が可能になります。
出典:法務省「外国人技能実習制度について」

技能実習生の在留資格と区分

日本に滞在するための資格を在留資格といいます。技能実習生は、「技能実習」の在留資格をもって日本で就労します。

技能実習の在留資格には区分があり、企業単独型で1号の場合は「技能実習第1号イ」、2~3年目が「技能実習第2号イ」、4~5年目は「技能実習第3号イ」です。

団体監理型も企業単独型同様、入国からの年数により「技能実習第1号ロ」「技能実習第2号ロ」「技能実習第3号ロ」に分かれます。

2号または3号に移行できる職種・作業は主務省令で定められており、移行には所定の試験の合格が必要です。職種・作業によっては3号に移行できないため注意しましょう。

また、第3号の技能実習が実施できるのは、定められた基準に適合する優良な監理団体・実習実施者のみとされています。

技能実習生と特定技能外国人との違い

技能実習と混同されやすい制度が「特定技能」です。

特定技能は在留資格の一種で、人材不足が特に深刻な状況にある特定産業分野で即戦力となる外国人材の確保を支援する目的で国が創設した制度です。受け入れ分野の追加が発表され、政府も積極的に受け入れる方針である旨がわかります。

特定技能制度は人手不足の解消が目的であるため、技術移転・国際貢献を目的とする技能実習制度とは性質が異なります。

特定技能は技能や日本語の検定に合格して取得できますが、該当分野の技能実習2号を良好に修了すれば受験は免除されます。ただし、特定技能に新たに追加された以下の4分野は、鉄道の一部職種を除いて現行の技能実習制度には含まれていません。

  • 自動車運送業
  • 鉄道
  • 林業
  • 木材産業

技能実習生問題

技能実習生の失踪は社会問題となっています。出入国在留管理庁のデータによれば、令和6年1月時点での不法残留者数のうち、技能実習生は11,210人です。「短期滞在」の在留資格に次いで二番目に多い数字です。

本項では、技能実習生が失踪する背景にある技能実習生問題を解説します。
出典:出入国在留管理庁「本邦における不法残留者数について(令和6年1月1日現在)」

制度目的外の利用

技能実習は本来、技術移転での国際貢献が目的の制度です。技能実習生を受け入れる企業は、技能実習生に対し、就労を通じて知識・スキルを習得させなければなりません。

しかし、実態としてただ人手不足を補うだけの手段として雇用するケースが存在します。技能習得のための業務ではなく単純作業に従事させ、必要な実習を行わない事業者の例が確認されています。

劣悪な労働環境

技能実習生は原則として自己都合による転職が制限されるため、立場が弱くなりやすいのが現状です。制度を悪用し劣悪な労働環境で酷使したり、差別やハラスメントの対象にしたりする悪質な事業者が問題視されています。

また、低賃金や賃金不払いなどのケースも発生しています。外国人である旨を理由に不当な扱いをしてはならず、人権を侵害する行為は当然に認められるものではありません。

悪質な送出機関

技能実習生の採用活動を海外で行い、日本に送り出す期間を「送出機関」といいます。技能実習生から必要以上に高額な手数料を徴収し不当な利益を得る悪質な送出機関があり、外国人が借金を背負って来日する点が問題となっています。

また、送出機関は採用前・採用後の両方で外国人の教育や支援の実施が必要ですが、支援の質が低い・本来の役割を果たしていないなどのケースも存在します。

技能実習生問題解消のため新設される「育成就労制度」

目的外の制度利用・劣悪な労働環境・悪質な送出機関などの技能実習生問題を解消するため、政府は現行の技能実習に代わる新制度として「育成就労」を創設する予定を発表しました。改正が進めば2027年までに施行される見通しです。

制度の見直しにあたっては「外国人の人権保護」「外国人のキャリアップ」「安全安心・共生社会」の3点に重点が置かれています。

現行の技能実習制度では原則として認められていない本人都合による転職が就労から1~2年で可能になるほか、特定技能への移行もしやすくなる見込みです。

技能実習生を受け入れる際の注意点

技能実習生を受け入れる際の注意点は以下の4点です。

  • 在留期間に注意する
  • 実習実施者が果たすべき義務
  • 技能実習生の受け入れ上限人数が設定されている
  • 技能実習生になれるのは海外にいる外国人のみ

在留期間に注意する

現行の技能実習制度では最長5年の在留資格が認められています。新制度「育成就労」への改正が実現した場合、施行前までに技能実習の在留資格で来日した外国人は最大3年間となる経過措置がとられる予定です。

ただし、現時点では育成就労に関する確定した情報が少ないため、今後政府から発表される内容も参考にしてください。

実習実施者が果たすべき義務

技能実習を受け入れる事業者を「実習実施者」といいます。実習実施者は、技能実習生の職場環境を整備するとともに、技能実習計画の作成や必要な帳簿類の保存、所定の届出などの義務を果たさなければなりません。

技能実習を管理する「技能実習責任者」、技能実習生を指導する「技能実習指導員」、技能実習生の生活面をサポートする「生活指導員」の選任も必要です。

技能実習生の受け入れ上限人数が設定されている

技能実習生は、事業所の規模により受け入れ上限人数が設定されています。

例として団体監理型で技能実習1号の場合、事業所の常勤職員総数別上限の基本人数は以下のとおりです。

30人以下:3人
31~40人:4人
41~50人:5人
51~100人:6人
101~200人:10人
201~300人:15人
301人以上:常勤職員総数の20分の1

上限を超える受け入れは認められないため注意しましょう。

なお、所定の基準を満たす「優良基準適合者」は、基本人数より優遇されます。優遇の率は、1号で基本の2倍、2号で4倍、3号で6倍です。
出典:法務省「外国人技能実習制度について」

技能実習生になれるのは海外にいる外国人のみ

技能実習からの移行先の選択肢のひとつである特定技能では、すでに日本に在留している外国人が要件を満たす場合に在留資格の変更が可能です。

しかし、技能実習は特定技能と異なり、海外現地にいる外国人しか採用できません。

技能実習生は、「企業単独型」で自社と関連する海外法人などの従業員を受け入れるか、「団体監理型」で監理団体と海外の送出機関を通じて受け入れるしか方法がありません。たとえば優秀な留学生がいても、技能実習生としての雇用はできないため注意しましょう。

まとめ

技能実習制度を利用し日本で就労する外国人を技能実習生といいます。技能実習生は日本で習得した知識やスキルを自国に持ち帰って活用します。

本来は開発途上地域への技術移転・国際貢献が目的です。しかし、目的外の制度利用や悪質な送出機関が存在するため技能実習生の失踪が問題視されています。現行の技能実習制度の問題を是正するため、「育成就労制度」の新設が発表されました。

技能実習生を受け入れる実習実施機関は果たすべき義務や在留期間・受け入れ上限人数に注意しましょう。

技能実習2号を良好に修了すれば検定の受験なしで特定技能の在留資格を取得できます。

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