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外国人労働者数の国別ランキング!雇用拡大を目的とした制度や受け入れの課題も解説
外国人労働者数の国別ランキング!雇用拡大を目的とした制度や受け入れの課題も解説

日本の人口は近年減少の一途をたどっており、出生率も国際的に低い水準にあることから、2070年には総人口が9,000万人以下、高齢化率は全人口の39%の水準になると推計されています。

団塊の世代の全員が75歳となる2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18%になり、2040年には65歳以上の人口が全人口の約35%となると推計されています。

人口減少と少子高齢化による労働力不足が深刻な問題になる中で、外国人雇用を考える企業が増えているのではないでしょうか。

しかし、いざ日本で外国人材を雇用しようと思っても、実際の国別の雇用状況を知らなければ、どの国の外国人をどの在留資格で雇うか迷ってしまうかもしれません。

本記事では、令和5年10月末現在の厚生労働省のデータを元に、外国人の国別就労状況を詳しく解説します。

出典:厚生労働省「我が国の人口について」
出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)」

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目次
外国人労働者数は2,048,675人で、前年比225,950 人増加 外国人を雇用する事業所数も増加傾向にある 外国人労働者数【国籍別ランキング】 1位はベトナムで全体の26.7% 2位は中国で全体の19.4% 3位はフィリピンで全体の11.1% 外国人労働者数【産業別ランキング】 ベトナムやフィリピンは「製造業」が多い 中国は「卸売業、小売業」が多い ネパールは「宿泊業、飲食サービス業」が多い 外国人労働者数【在留資格別ランキング】 ベトナムは「技能実習」が多い 中国は「専門的・技術的分野」が多い フィリピンやブラジル、ペルーは「身分に基づく在留資格」が多い 外国人の雇用拡大を目的とした制度 在留資格「特定技能」の創設 高度人材ポイント制の導入 外国人受け入れに関する課題 日本語でのコミュニケーション 職場環境の整備 異文化への理解 生活支援 まとめ

外国人労働者数は2,048,675人で、前年比225,950 人増加

令和5年10月末現在の厚生労働省のデータによると、外国人労働者数は2,048,675人と前年比225,950 人増加し、初の200万人超えとなりました。

外国人雇用状況の届出が義務化された平成19年以降、過去最高を更新し、対前年増加率は12.4%と前年の5.5%から6.9ポイントの増加です。

出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)」

外国人を雇用する事業所数も増加傾向にある

外国人労働者数だけでなく、外国人を雇用する事業所数も毎年増加傾向にあります。

外国人を雇用する事業所数は318,775所と前年比19,985 所増加し、外国人雇用状況の届出義務化以降、過去最高を更新しました。対前年増加率は6.7 %と、前年の4.8%から1.9 ポイントの増加です。

出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)」

外国人労働者数【国籍別ランキング】

日本の外国人労働者数を国籍別にランキング形式で解説します。

1位はベトナムで全体の26.7%

外国人労働者数を国籍別で見ると、1位はベトナムで、518,364人と外国人労働者全体の25.3%を占めています。

2位は中国で全体の19.4%

2位の中国は、397,918人と外国人労働者全体の19.4%を占めています。

3位はフィリピンで全体の11.1%

3位はフィリピンで、226,846人と外国人労働者全体の11.1%を占めています。

出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和5年10月末時点)[別表1]国籍別・在留資格別外国人労働者数」

外国人労働者数【産業別ランキング】

日本の外国人労働者数を産業別にランキング形式で解説します。

外国人労働者数を産業別に比較すると一番多いのは製造業で、552,399人と全体の27.0%を占めています。

2番目に続くのがサービス業(ほかに分類されないもの)で、320,755人と全体の15.7%を占めています。卸売業、小売業は3番目に多く、263,555 人と全体の12.9%を占めています。

以降は代表的な国ごとに多い産業について解説します。

ベトナムやフィリピンは「製造業」が多い

ベトナムやフィリピンの外国人労働者は「製造業」の割合が一番多く、それぞれ201,128人(38.8%)、75,087人(33.1%)となっています。

また、いずれも2番目に多いのは「サービス業」で、ベトナムでは65,051人(12.5%)、フィリピンでは47,408人(20.9%)です。

中国は「卸売業、小売業」が多い

中国では「卸売業、小売業」の割合が多く、82,909人(20.8%)です。世界全体の産業別ランキングで「卸売業、小売業」が3番目に位置するのも、人口の多い中国での割合の多さが影響していることがわかります。

また、2番目に多いのは「製造業」で70,919人(17.8%)となっています。

ネパールは「宿泊業、飲食サービス業」が多い

ネパールでは「宿泊業、飲食サービス業」での割合が多く、43,252人(29.7%)、次いで多いのが「サービス業」で、34,586人(23.8%)となっています。

出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和5年 10 月末時点)図6 産業別外国人労働者の割合」
出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和5年10月末時点)」

外国人労働者数【在留資格別ランキング】

外国人労働者数を在留資格別にランキング形式で解説します。

一番多くの割合を占める「身分に基づく在留資格」は615,934人と、全体の30.1%を占めます。前年比では3.5%増加しています。

次に割合の大きい「専門的・技術的分野の在留資格」は595,904人で、全体の29.1%です。前年比では24.2%と増加率が最も大きいです。「専門的・技術的分野の在留資格」のうち、「技術・人文知識・国際業務」は366,168人(前年比で14.8%増加)、「特定技能」は138,518人(前年比で75.2%増加)となっています。

「技能実習」は3番目に割合が多く、412,501人で前年比20.2%増加、「資格外活動」が352,581人で前年比6.5%増加、「特定活動」が71,676人で前年比2.3%減少と続きます。

以降は代表的な国ごとに多い在留資格について解説します。

ベトナムは「技能実習」が多い

ベトナムは「技能実習」が最も多く、209,305人と全体の40.4%です。技能実習は技能・技術・知識の移転による開発途上国への国際協力を目的としているため、日本の高い技術を学びたいベトナム人が多いことがわかります。

また、ベトナム政府は労働者の雇用創出や所得・技能の向上などを目指して「労働力輸出」を推進しており、労働力不足が深刻な日本と双方の利益が合致していることも、ベトナム人の技能実習が多い理由のひとつです。

2番目に多い在留資格は「専門的・技術的分野の在留資格」で159,962人(30.9%)、3番目は「資格外活動」で101,530人(19.6%)を占めています。

中国は「専門的・技術的分野」が多い

中国は「専門的・技術的分野」が148,207人で、全体の37.2%と最も多い割合を占めています。

「専門的・技術的分野」に該当する主な在留資格は以下のとおりです。

技術 機械工学等の技術者、システムエンジニア等のエンジニア
人文知識 企画、営業、経理などの事務職
国際業務 英会話学校などの語学教師、通訳・翻訳、デザイナー
高度専門職 ポイント制による高度人材
企業内転勤 外国の事業所からの転勤者で「技術・人文知識・国際業務」に含まれる活動
技能 外国料理人、外国建築家、宝石加工、パイロット、スポーツ指導者
教授 大学教授
投資・経営 外資系企業の経営者・管理者
法律・会計業務 弁護士、会計士
医療 医師、歯科医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師
研究 政府関係機関、企業等の研究者
教育 高等学校、中学校等の語学教師

2番目に多い在留資格は「身分に基づく在留資格」で135,004人(33.9%)、3番目は「資格外活動」で73,621人(18.5%)です。

フィリピンやブラジル、ペルーは「身分に基づく在留資格」が多い

フィリピンやブラジル、ペルーは「身分に基づく在留資格」が多いのが特徴です。

「身分に基づく在留資格」には「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「永住者」「定住者」の4種類があります。日本での就労制限がないため、日本人と同様にさまざまな職業や業種での就業が可能です。

フィリピンで2番目に多い在留資格は「技能実習」で37,856人(16.7%)、ブラジルで2番目に多い在留資格は「専門的・技術的分野の在留資格」で1,017人(0.7%)を占めています。

ペルーで2番目に多い在留資格も「専門的・技術的分野の在留資格」で209人(0.7%)を占めています。

出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和5年10月末時点)[別表1]国籍別・在留資格別外国人労働者数」
出典:岡山県「ベトナムの労働力の現状について」
出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】 (令和5年 10 月末時点)図4 在留資格別外国人労働者の割合」

外国人の雇用拡大を目的とした制度

人口減少と少子高齢化が進む中、日本政府は優秀な外国人労働者の雇用拡大を目的とした制度作りに取り組んでいます。

以下で、外国人の雇用拡大を目的とした制度を解説します。

在留資格「特定技能」の創設

特定技能とは、人材確保が困難な分野の人材不足を解決するために、令和元年4月に創設された在留資格です。

特定技能の在留資格を持つ外国人は、建設や宿泊など12職種の労働力不足が深刻な現場の即戦力として働くことが可能です。

特定技能外国人の数は年々増加傾向にあり、「主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数(令和5年12月末現在)」によると、特定技能1号の在留資格を持つ外国人労働者数が最も多いのはベトナムの110,628人で53.1%を占めています。

2番目に多いのは16.4%を占めるインドネシアで、労働者数は34,253人です。その次にフィリピン(21,364人:10.3%)、中国(13,456人:6.5%)が続きます。

出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和5年12月末現在)概要版【第1表】主な国籍・地域別 特定産業分野別 特定技能1号在留外国人数」

高度人材ポイント制の導入

高度人材ポイント制とは、高度外国人材(高度な専門的な能力を有する人材として法務省 令で定める基準に適合する者)の受け入れ促進を目的に、2012年(平成24年)5月に導入された制度です。

高度外国人材が行う活動を3種類に分類し、それぞれの特性に応じて「学歴」「職歴」「年収」「年齢」「研究実績」などの項目ごとにポイントを付与します。そのポイントが一定点数(70点)以上になった際に、出入国管理上の優遇措置を与える制度です。

高度外国人材の受け入れ人数は2021年に一時的に減少しましたが、全体的に増加傾向にあります。中国が最も多く、インド、韓国、アメリカ、台湾が続きます。

出典:出入国在留管理庁「国籍・地域別高度外国人材の在留者数の推移」

外国人受け入れに関する課題

外国人労働者数の国別ランキング!雇用拡大を目的とした制度や受け入れの課題も解説

外国人労働者数・外国人を雇用する事業所数が増加する中、外国人材は言語や文化の違い、日本の法律や慣習等に関する知識の不足などから職場に馴染みにくく、賃金をはじめとする労働条件やコミュニケーションなどでトラブルが生じやすいのが現状です。

外国人受け入れに関する主な課題として、以下の4つが挙げられます。

  • 日本語でのコミュニケーション
  • 職場環境の整備
  • 異文化への理解
  • 生活支援

日本語でのコミュニケーション

外国人材を雇う上での最大の課題は、日本語でのコミュニケーションです。

外国人材の日本語力向上をサポートするだけでなく、日本人労働者も英語をはじめとした語学力の向上を目指す必要があります。

英語や母国語で業務マニュアルなどをまとめるほか、労働衛生上の重要な点を英語や母国語でマニュアル・動画にまとめるなどの従業員教育の取り組みも必要です。

また、話すスピードが速くないか、一度にたくさんの内容を話していないか、難しい言葉や熟語を使っていないかなどを確認し、口頭だけでなくジェスチャーも加えるなど伝え方を工夫しましょう。曖昧な表現ではなく、はっきりと伝えることも重要です。

職場環境の整備

外国人が働きやすい職場環境の整備も必要です。

国籍による賃金や労働時間等の差別は認められていません。また、適正な労働条件を示し、理解・納得した上で働いてもらうことで、外国人材のモチベーションが上がり、定着率も高まります。

外国人材に仕事の内容や職場の習慣・価値観などを理解してもらうために、粘り強く説明する姿勢も重要です。

また、外国人雇用の専門家や、外国人を雇用している企業からのアドバイスを得ることも有効な手段です。

ほかにも、公平な評価制度の整備、就業規則や業務マニュアルの翻訳、理解のある先輩社員をメンターにつけサポートするなど、外国人が働きやすい職場環境を作りましょう。

異文化への理解

外国人材を雇うと、「わかったと答えたのに、実際に作業をさせるとまったく理解していない」「遅刻・欠勤が多いなど職場のルールが守れない」といったトラブルが起こることがあります。

このようなトラブルは、日本語能力だけではなく、国や地域の文化の違いに起因する場合があることも認識しておきましょう。

文化や習慣の違いを感じた場合は無理に従わせるのではなく、母国ではどのようにしているのか聞いて、互いに理解・尊重し合う姿勢を心がけてください。

たとえば、「ここは日本だから日本のやり方に従いなさい」と押し付けるのではなく、「あなたの助けが必要」「手伝ってくれると助かる」など伝え方を意識してみましょう。

また、宗教への理解も必要で、宗教には禁忌があります。

特に、世界三大宗教のひとつであるイスラム教には厳しい規律があり、1日5回の礼拝や服装への配慮が必要です。ほかにも、豚肉や酒を口にすることが禁じられているなど、さまざまな禁止事項もあります。さらに、左手を不浄の手と考える人が多く、物を差し出す時は右手を使う心遣いも必要です。

生活支援

長期定着型の外国人材の増加に伴い、外国人材が家族を呼び寄せる場合は、出産・子育て・住宅などの支援も行う必要があります。

外国人材が地域に馴染めるように、自治体やNPO等の支援団体と連携し、地域の祭りなどのイベントや文化的な交流への参加を促すことも重要です。

出典:厚生労働省「外国人労働者安全衛生管理の手引き」
出典:JICA-国際協力機構「2030/40 年の外国人との共生社会の 実現に向けた取り組み 調査・研究報告書」

まとめ

令和5年10月末現在の厚生労働省のデータによると、日本の外国人労働者数を国籍別にランキング形式で並べると、1位がベトナム、2位が中国、3位がフィリピンです。

在留資格の観点からは、ベトナムは「技能実習」、中国は「専門的・技術的分野」、フィリピンやブラジル、ペルーは「身分に基づく在留資格」が多いのが特徴です。

外国人を雇用する事業所数も増加傾向にあり、国策として外国人労働者の受け入れを促進しているため、今後ますます国内の外国人労働者数は増加していくことでしょう。

本記事では、国別や在留資格別の外国人労働者数をランキング形式で解説しました。しかし、それだけでは自社の採用条件に合う外国人材の選び方に迷うかもしれません。

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