外国人の雇用増加にともない、外国人雇用協議会への入会を検討している方もいるのではないでしょうか。
外国人雇用協議会は、外国人・企業の双方の支援を行う組織です。外国人を採用する企業は、外国人雇用協議会に入会するといくつかのメリットがあります。
本記事では、外国人雇用協議会の活動内容、企業として参加するメリット、入会方法などを紹介します。入会の検討にあたり、基本的な情報をチェックしていきましょう。
外国人雇用協議会は、2016年4月に設立された外国人が日本のビジネス社会で活躍できる環境整備を行うための協議会です。外国人労働者、企業双方の支援を行っています。
外国人雇用協議会では、具体的には以下のような課題解決に向けた活動を行っています。
政策提言、総会・部会や勉強会などの開催、教育・学習コンテンツの認定など一連の活動を通じて、上記の課題解決に向けた取り組みが行われています。
外国人雇用協議会は、日本の文化やビジネスに通じた質の高い外国人が日本のビジネスで活躍できる環境整備を目的としています。
日本では、外国人労働者の受け入れについて、専門的・技術的分野の外国人労働者の受け入れを積極的に推進することが掲げられています。
しかし現実は、外国人労働者の数自体が少なく、しかもその多くは技能実習生、留学生であり、単純労働者は受け入れないとする建前が形骸化している側面があります。
外国人雇用協議会は、こうした状態を脱却し、質の高い外国人がビジネスで活躍できる環境を整えることを目的に設立されました。
外国人雇用協議会の主な活動としては、以下が挙げられます。それぞれの活動内容について詳しく見ていきましょう。
外国人雇用協議会は、出入国在留管理庁、関係省庁、国会議員などへ外国人材の在留資格や就労環境についての課題共有・提言を行っています。外国人雇用協議会による政策提言は、具体的には過去に以下のようなものが行われています。
政策提言の内容 | 過去の政策提言 |
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各種の在留資格について(出入国在留管理庁、関係省庁、国会議員など) |
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在留資格申請のDX推進について(内閣府、法務省、経済産業省、デジタル庁など) |
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就労環境・生活支援について(法務省、厚労省などへ課題共有・提言) |
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外国人雇用協議会では、在留資格勉強会、交流会、外国人支援サミット、ウェビナーなどの開催をしていて、学びや交流のための企画・イベントを会員に提供しています。会員限定参加、会員無料の企画もあり、一部イベントでは会員自身が登壇する機会もあります。
外国人雇用協議会では、外国人就労適性試験の試験事業の後援も行っています。
外国人就労適性試験は、外国人材の日本語能力や社会常識への理解を測る適性試験です。ビジネスの遂行に必要な能力を客観的に測定・評価し、一定レベル以上のスキルを持つ高度人材の候補となる外国人を認定しています。
受験対象者は、日本での就職活動を考えている外国人留学生(大学生・大学院生・専門学校の学生)や、採用選考や研修に向けて受験を考えている企業の外国人社員です。
企業としては、外国人材の知識・スキルを測り、採用を効率化できる点がメリットであり、受験者としては、就職でのアピールの材料となり就活を有利に進められる点がメリットです。
外国人雇用協議会では、独自のガイドラインを満たしたコンテンツに対して教育・学習コンテンツとして認定を行っています。申請料は1件につき5万円で、以下の3つがメリットとして提示されています。
外国人雇用協議会が認定する教育・学習コンテンツとしては、たとえば「日本で働くためのやさしい教科書」(株式会社明光ネットワークジャパン申請)があります。こちらは外国人就労適性試験の対策教材です。
外国人雇用協議会では、法人・個人の会員を募集していて、入会すると会員として活動に参加が可能です。会員区分は、正会員と賛助会員の2種類があります。
正会員 | 賛助会員 | |
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対象 | 営利を目的とした外国人の関連サービスなどを主たる事業とする法人・個人、士業・コンサルタント、外国人を雇用する企業など | 正会員に該当する法人・個人以外で会の目的に賛同し、その事業に協力する法人・個人 |
費用 | 入会費:10万円 年会費:10万円 |
入会費1万円 年会費3万円 |
・議決権 ・PR掲載(メルマガ/WEB) |
あり | なし |
部会参加 | 部会により判断 | |
そのほか |
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外国人雇用協議会に入会するメリットとしては、以下が挙げられます。
正会員・賛助会員ともに在留資格勉強会、交流会、外国人支援サミットやウェビナーなどのイベントへの参加が可能です。政策や業界動向、顧問や会員の会社、イベントなどについて協議会から情報共有も受けられます。
また、正会員は、メルマガやWEBでのPR掲載が可能です。正会員には総会での議決権も付与されます。
出典:一般社団法人外国人雇用協議会「入会のご案内」「日本から新共生社会をつくる。」
外国人雇用協議会への入会の流れは、以下のとおりです。
外国人雇用協議会のホームページ内から入会の申し込みが可能です。入力フォームに必要事項を入力して送信します。申し込み後は、理事会で承認されると、担当者へ支払方法、支払い口座番号が連絡されます。
正式入会までには1~2ヶ月程度かかることがあり、年度途中に申し込みの場合には年会費は月割となります。
外国人雇用協議会では年1回の総会、月1回の理事・戦略会議のほかに、各部会が年に複数回開催されます。部会は以下の3つがあり、業界・業種問わず任意で参加が可能です(複数部会への参加も可能)。
部会 | 活動の概要 |
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政策部会 |
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コミュニケーション戦略部会 |
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生活・教育支援部会 |
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外国人雇用協議会は、年間通して以下のようなイベントや会議などの開催があります。下記のスケジュールのほか、前述の理事・戦略会議や部会の開催もあります。
4月 | 新年度開始 |
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6月~9月 | 定時総会 シンポジウム 会員交流会 |
9月~11月 | 外交人活躍支援サミット 教育機関向けセミナー (留学生支援セミナー) |
11月~12月 | インターナショナルジョブフェア 大交流会 |
12月~ | 会員限定忘年会 |
外国人雇用協議会は外国人が日本のビジネス社会で活躍できる環境整備を行うための協議会で、政策提言、勉強会やウェビナーの開催、教育・学習コンテンツの認定、外国人就労適性試験の後援などの活動が行われています。
また、総会、理事・戦略会議、部会(政策部会、コミュニケーション戦略部会、生活・教育支援部会)の開催もあり、正会員・賛助会員になると部会への任意での参加が可能です。正会員・賛助会員としての入会は、外国人雇用協議会のホームページ内から手続きできます。
ぜひ外国人雇用協議会の基本的な活動内容や企業としてのメリットを知って、入会を検討してみてください。
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